LAST ISSUE 001[創刊号] エネルギーはここから変わる。”スマートシティ”
Scientist Interview

スマートタップが家電を自動的にコントロールする

──エネルギーをマネジメントするために研究されている技術はどのようなものですか?

研究は四段階に分けて進めています。
第一段階は、「スマートタップ」という電力センサーによるエネルギー消費の見える化と人間行動の学習・見守りです。第二段階は、オンデマンド型電力ネットワークを使った高度な電力マネジメント。第三段階は、各家庭の発電装置、蓄電装置のトータルな電力マネジメント、そして第四段階が地域ナノグリッドによるエネルギー売買市場の創成です。

松山研究室が開発したスマートタップ
[写真] 松山研究室が開発したスマートタップは、消費電力の測定だけでなく、精密な電流波形の分析によって、家電の自動認識や故障・不調の検出ができる。左:アダプタ型 右:壁埋め込み型

第一段階、第二段階はかなりの部分が実用化できています。スマートタップは商品レベルの装置がすでに完成しており、数千円で購入できることを目指しています。これは消費者が自分で購入するというより、家やオフィスに最初から設置されることを想定しています。
まず、スマートタップを使えば、各家電の電力使用状況をリアルタイムに見ることができます。また、スマートタップは電力制御機能も持っていますので、消し忘れや待機電力の大きい家電の電力をカットすることもできます。

テレビの画面で各家電の電力消費状況を個別に把握できる。
[図表1] テレビの画面で各家電の電力消費状況を個別に把握できる。(動画紹介

我々が開発したスマートタップは電圧・電流波形を高精度に測ることができるため、個々の家電の識別や故障の探知が可能です。また、僕らは家電に囲まれて暮らしているため、家電の運転状況を分析することで人間がどのような行動をとっているのかもわかります。

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