Introduction
マニュファクチュア

次世代マテリアル

マテリアルは変革の担い手

テクノロジーの変革には、必ず新しいマテリアルの存在がある。
マテリアルを加工してデバイスが作られ、そのデバイスが社会を大きく変える。
20世紀の後半から21世紀にかけて、社会を大きく変えたマテリアルはシリコンだった。
シリコンのおかげで、コンピュータや携帯電話が身近なものになり、
私たちの暮らしや生活は大きく変わった。
シリコンは、クルマや機械でさえも半導体制御に変えてしまう。
今や、通信手段もシリコンに支えられている。

究極の極小消費電力を目指す「トポロジカル絶縁体」

しかしいま、世界中の半導体企業や大学によって、
このシリコン半導体に代わる、新しいLSI(集積回路)の開発が進められている。
ここに突如現れたトポロジカル絶縁体は、
電流ゼロのロジックやメモリを生み出す大きな可能性を持ちあわせている。
従来型のものにとってかわる次世代の半導体が、
この新たなマテリアルから生まれるかもしれないのだ。

次世代のマテリアルたち

他にも、ナノカーボンやSiC(炭化ケイ素)、薄膜リチウムイオン電池など、
シリコンの半導体を相補うマテリアルが、次々と登場している。
ナノカーボンは、カーボンナノチューブやグラフェンといった
新しい炭素材料で、半導体や金属の性質を自在に操る可能性を目指す。
SiCはシリコンでは到達できない、高耐圧・大電流・高速を実現する。
薄膜リチウムイオン電池は、小型・超薄型の低消費電力応用を目指す。

本特集では、これら社会を変革する可能性を秘めた
次世代マテリアルの研究の最前線と、その展望に迫っていく。

No.008 特集:次世代マテリアル

CROSS × TALK

トポロジカル絶縁体、未来材料の夢広がる
第1回 第2回
富永 淳二 × 知京 豊裕

Expert Interview

ナノカーボン材料を
半導体デバイスの
基幹材料にする
富士通研究所 基盤技術研究所
機能デバイス研究部 主管研究員

佐藤 信太郎

SiCパワー素子の技術開発競争、
今後5年から10年が勝負
京都大学大学院工学研究科教授
木本 恒暢

Copyright©2011- Tokyo Electron Limited, All Rights Reserved.