No.007 ”進化するモビリティ”
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大手IT企業の参入によって変わる次世代モビリティ

  • 2014.10.14
  • 文/石井 英男

自動車を代表とするモビリティの未来を占う上で、欠かすことのできない重要な存在が、グーグルやアップル、マイクロソフトといった大手IT企業である。最新のクルマにはさまざまなIT技術が搭載されているが、今後は自動運転を目指して、さらなるIT化が進むことは確実だ。グーグルは、以前からクルマの自動運転技術の開発に力を注いでおり、すでに自動運転車のプロトタイプを完成させ、実証実験を進めている。また、インテルやNVIDIA、サムスンといったIT企業と日産、トヨタ、ジャガーといった自動車メーカーが共同で車載情報システム構築を目的としたプロジェクト「オートモーティブ・グレード・リナックス」を推進しており、先日その成果が公開されたばかりだ。こうしたIT企業の参入によって、今後のモビリティ社会がどう進化していくのか考えていく。

IT技術の塊ともいえる現代のクルマ

クルマとIT技術というと、あまり関連がないと思っている人も多いだろうが、実はクルマとIT技術はすでに切っても切り離せない関係にある。例えば、現代のクルマのエンジンは、すべて電子制御であり、点火タイミングや燃料噴射量などがECUと呼ばれるコンピューターによって制御されている。ECUは、エンジン内部のクランクの角度を計測するクランク回転角センサーやエンジンが吸い込む空気の量を計測する吸気センサーなどの情報やアクセルの踏み込み量から最適な点火タイミング、燃料噴射量を決定し、エンジンを動かしている。ステアリングやブレーキに関しても、さまざまな部分でコンピューターによる電子制御が行われている。航空機では、ワイヤ(電線)を使って電気信号で制御を行う操縦システムをフライ・バイ・ワイヤと呼んでいるが、今のクルマはそれにならって、ドライブ・バイ・ワイヤと呼ばれるほどだ。また、GPS衛星からの信号やクルマの動きを計測するジャイロセンサーおよび加速度センサーの情報から測位を行い、目的地までの最適な経路を示してくれるカーナビゲーションシステムも中身は立派なコンピューターである。

さらに最近は、車庫入れや緊急時のブレーキなどを自動的に判断して、ドライバーを支援する機能を搭載するクルマも登場してきた。例えば、日産の「インテリジェントパーキングアシスト」では、トップビュー(クルマの真上からの映像)を見ながら、クルマを駐車する位置を指定することで、自動的にハンドル操作が行われる。ドライバーは、画面に表示される手順と音声に従って、アクセルとブレーキを操作することで、指定した枠内に駐車できるので、運転が苦手な人でも楽に車庫入れや縦列駐車が行えるという技術だ。こうした運転支援技術も、センサーやコンピューターの能力が向上したことで、初めて実現されたものである。このように、現代のクルマにはさまざまなIT技術が搭載されているのだ。

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