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AR/ウェアラブル時代のユーザーインターフェイスはどうなる?

2017.12.18

指先の微妙な動きでデバイスをコントロールできる「DeformWear」
指先の微妙な動きでデバイスをコントロールできる「DeformWear」

今後数年以内にAR(拡張現実)を活用したヘッドマウントディスプレイなどのデバイスが普及するとも言われているが、どうやってユーザーに対して映像を表示するかだけでなく、ユーザーの指示をどうやってデバイスに伝えるかについての最適解もまだ出ていない。スマートフォンやスマートスピーカーで使われている音声認識はそれなりに浸透してきたが、室内ならともかく、屋外や他人がいる場所で機械に向かって話しかけることに抵抗感を持つ人も多い。マイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」では、ユーザーが手で示したジェスチャーをカメラが認識するようになっているが、こちらは必ず画面を見ながら操作しなければならないという欠点がある。
ドイツ ザールラント大学の研究者が開発している「DeformWear」は、AR、ウェアラブルデバイス時代のユーザーインターフェイスの候補になりそうだ。プロトタイプのDeformWearは、直径10ミリメートル、高さ7ミリメートルほどの柔らかい半球状をしている。サイズがごく小さいため、スマートウォッチのほか、ブレスレットや指輪のような形のデバイスに組み込める。DeformWearの中には4つの発光ダイオードを使ったセンサーが組み込まれており、半球がどう変形したかを感知する。基本の変形は、押す、横にずらす、挟むで、これらを組み合わせて、押しながらずらしたり、挟みながらずらすこともできる。
非常にシンプルだが、ユーザーやデバイス、アプリケーションに合わせてモードを切り替えることで、多彩な操作が可能になる。例えば、スマートウォッチなら、軽く押して項目選択、強く押し込んでアプリ起動、挟みながら左にずらすと前に使ったアプリに切り替えるといった具合だ。また、ヘッドマウントディスプレイ上に、リング状のメニューを表示して、項目をDeformWearで選択するという利用方法も提案されている。
この10年で私たちはスマートフォンの画面を見ながらタッチ操作することに慣れ親しんだ。だが、これからの10年は、手元を見ずにいかにしてデバイスを操作するかが問われることになるのはほぼ間違いなさそうだ。

(文/山路達也)

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