No.006 ”データでデザインする社会”
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経済

ビットコインの特徴とは?

ビットコインというのは、Satoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)を名乗る人物がメーリングリスト上で発表した論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」( https://bitcoin.org/bitcoin.pdf )をベースに開発された仮想通貨である(ただ、このサトシ・ナカモト氏の正体は不明で、偽名である可能性も指摘されている)。

ビットコインのベースとなったナカモト論文の写真
[写真] ビットコインのベースとなったナカモト論文

仕組みについては後述するが、日本円や米国ドルのように、政府による後ろ盾があるわけではなく、中央銀行のような管理機関も存在していないことが大きな特徴だ。ビットコインのシステムはP2P(Peer-to-Peer)ネットワークによって維持されており、構成する全てのコンピュータ端末の立場は対等。ビットコイン財団という推進団体はあるものの、どこかに中央集権的なサーバーがあるわけではない。

P2Pネットワークでは、クライアントPC同士が直接通信する写真
[写真] P2Pネットワークでは、クライアントPC同士が直接通信する

そんな「得体が知れない」とも言えるような存在でありながら、2009年の運用開始以来、ビットコインの存在感は急速に増している。blockchain.info( https://blockchain.info/ )の情報によれば、市場に出回っているビットコインの総数は1,247万BTC、現在の取引レートでは約80億ドルにも達している(いずれも2014年3月14日時点の数字)。

ビットコインの大きなメリットは、送金コストが非常に安いことである。海外に送金する場合、銀行を経由すると手数料で数%ほども取られてしまうが、ビットコインなら世界中の誰に対しても、全く同じように格安のコストで送金することができる。また、手数料が高いクレジットカードの導入に消極的な、利益率が低い小規模店舗でも、ビットコインなら導入しやすいだろう。

モノやサービスを購入できなければ通貨とは言えないが、ビットコインはどこで使えるのだろうか。インターネット上の仮想通貨という特性上、今のところオンラインの決済が中心であるものの、ビットコインを受け入れるリアル店舗も増えてきている。ただ、coinmap.org( http://coinmap.org/ )で調べてみると、普及が進んでいるのはやはり欧米で、日本ではまだ多くないようだ。

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