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東京エレクトロン

東京エレクトロン若手エンジニア座談会

DX活動拠点「TELデジタル デザイン スクエア」@札幌

イノベーションを起こす仕掛け随所に

(左から)大場大輔さん、唐内里緒さん、月野極さん、五十嵐健人さん/プレゼンエリア「TSUDOI(集)」の観覧席で

(左から)大場大輔さん、唐内里緒さん、月野極さん、五十嵐健人さん/プレゼンエリア「TSUDOI(集)」の観覧席で

東京エレクトロン(TEL)は、2027年3月期までに売上高3兆円以上、営業利益率35%以上、ROE(自己資本利益率)30%以上の目標を掲げている。達成に向け歩む同社の成長の源泉、「やる気重視経営」の具現化、働く環境とは――。2020年に札幌市内に誕生した同社のDX活動拠点「TELデジタル デザイン スクエア(D2スクエア)」で働く若きエンジニア4人に聞いた。

AIと海外、2つの軸を生かせる職場

――東京エレクトロンに入社した動機を教えてください。

大学で人工知能(AI)の研究をしていて、海外での仕事にも興味があり、2つの軸を生かせる職場を考えていました。東京エレクトロンはパートナーや顧客も海外の企業が多く、先進的な取り組みをしていることが分かり入社を決めました。

五十嵐健人さん
五十嵐健人さん(2023年新卒入社)先端技術開発一部

昨年の春に入社したばかりですが、大学院に入ったときから東京エレクトロンとAIの共同研究をしていました。その縁でインターンシップにも参加し、社員の人柄や「D2スクエア」の雰囲気も含め、純粋にこの会社が好きになったんです。

五十嵐健人さん
五十嵐健人さん(2023年新卒入社)先端技術開発一部

私も、会社全体の雰囲気が好印象だったことで、東京エレクトロンを選びました。学生時代は半導体とは全く関係ない研究をしており、就職の際には特に分野にこだわらず、幅広く活動しました。そんな中で人事面接した東京エレクトロンの方の印象がすごく良かった。それが一番の決め手です。

唐内里緒さん
唐内里緒さん(2021年中途入社)アプリケーション開発一部

私は中途入社です。以前は食品メーカーで研究職をしていて、実験からデータ解析を一人で行っていましたが、データ解析だけを専門的に行うデータサイエンティストの仕事を探していました。加えて、ものづくりができる会社ということで、東京エレクトロンに応募しました。海外売上高が9割弱と、販売網が世界に広がっていることも魅力でしたね。

唐内里緒さん
唐内里緒さん(2021年中途入社)アプリケーション開発一部

ちょっとした改良で目に見える成果が

――現在、どのような開発に携わっていますか。また、やりがいを感じることは何でしょう。

AIを使って半導体ウエハーを検査するツールを開発しています。ウエハーは微細な処理を施しているので、人間の目では検知できないことがたくさんあるんです。自分のちょっとした改良で目に見える成果が出るとすごくうれしいです。

大場大輔さん
大場大輔さん(2022年新卒入社)先端技術開発二部

僕のグループは、次世代製品に搭載する付加価値の高い技術開発を行っています。僕自身が取り組んでいるのは、装置データを用いて生産効率や歩留まり改善を行うAIモデルの構築と、量子コンピューティング技術の調査と探索です。半導体分野ではAIを使った技術開発に大きな伸びしろがあります。難易度が高く、誰も成しえたことのない分野なので、大きなやりがいを感じています。

大場大輔さん
大場大輔さん(2022年新卒入社)先端技術開発二部

私は、当社の工場での試験結果を可視化する、データ分析用のアプリケーションを開発しています。工場のエンジニアからいろいろなことを教えてもらい、相談しながら実装していく仕事には、とてもやりがいを感じます。

月野極さん
月野極さん(2007年新卒入社)アプリケーション開発二部

機械学習システムの品質保証を担当しています。従来のソフトウエアとは違い、データ自体を含め、出来上がったモデルの品質をどう保証していくか、試行錯誤しながらチャレンジしているところです。東京エレクトロンはこれまでに累計9万1000台*1、毎年約6000台*2の装置を出荷しています。リリースした先でさらに機械学習することもあり、最低限の確認事項など事前のルールづくりも必要です。

*1:2023年12月末時点。*2:2023年3月末時点

月野極さん
月野極さん(2007年新卒入社)アプリケーション開発二部

ちょっとした改良で目に見える成果が

人の交流を促す「Innovation Hub」

――「D2スクエア」はどのような経緯で生まれた場所ですか。また、9階の「Innovation Hub(イノベーションハブ)」をどのように活用していますか。

「D2スクエア」は、AI・データサイエンスの最先端のソフトウエア技術を開発する本拠地です。山梨、宮城、熊本の研究開発拠点などからもエンジニアが集まっています。そうした人たちの交流を促し、イノベーションを起こそうという発想で設計したフロアが「Innovation Hub」です。私は「Innovation Hub」設計責任者として皆さんにアンケートで希望などを聞き、8つのゾーンを設けることにしました。集中スペース「SHIZUKA(静)」、ワイガヤの「NIGIWAI(賑)」、プレゼンエリア「TSUDOI(集)」、カフェスペース「IKOI(憩)」などです。

大場さん
大場さん
「芝生で休憩した後は、心機一転、仕事モードに」

僕が気に入っているのは、「TSUDOI(集)」の裏にある人工芝のスペース。今日はちょっと仕事で遅くなるかなというとき、定時終了後の少しの時間、大きなクッションにもたれたり寝転がったり、一人でぼーっと過ごします。エンジニアはとても頭を使う仕事なので、気分をリフレッシュするのに絶好の空間。あの場所で休憩し、心機一転、仕事モードに切り替えるんです。

大場さん
大場さん
「芝生で休憩した後は、心機一転、仕事モードに」

五十嵐さん
五十嵐さん
「図書館のような雰囲気の『MANABI(学)』で集中」

ちょっと集中して仕事がしたいときに、9階に行きます。仕切りのある「SHIZUKA(静)」、ファミレスのようなボックス席の「NAGOMI(和)」、図書館のような雰囲気の「MANABI(学)」をよく利用します。学生のころ「勉強するぞ」と自習室に行った感覚です。

五十嵐さん
五十嵐さん
「図書館のような雰囲気の『MANABI(学)』で集中」

唐内さん
唐内さん
「『NIGIWAI(賑)』は、いろいろな用途で使いやすい空間」

私のお気に入りは「NIGIWAI(賑)」です。集中するためのスペースである「SHIZUKA(静)」や「MANABI(学)」に対して、「NIGIWAI(賑)」なら声を出してもよく、急な会議や打ち合わせが入っても大丈夫。いろいろな用途で使いやすい空間です。窓から外の景色や遠くを眺めたりしながら、目を休めることもできます。椅子に座らず立って仕事することもあり、健康にもいいと思っています。

唐内さん
唐内さん
「『NIGIWAI(賑)』は、いろいろな用途で使いやすい空間」

月野さん
月野さん
「静かな環境で立って仕事をし、気持ちを落ち着ける」

私は腰痛持ちなので、たまに立って仕事をしたくなります。「MANABI(学)」の窓向きの高いテーブルは静かで集中でき、気持ちも落ち着けるので気に入っています。

月野さん
月野さん
「静かな環境で立って仕事をし、気持ちを落ち着ける」

フロアをつなぐ内階段で自己紹介

内階段
内階段

「KOKOROMI(試)」は、社内LANとは切り離し、外部と自由に接続できるエリアなので、新しい技術を試したいときに活用しています。

7階から10階までの内階段は、とてもいいアイデアだと思いました。知らない人とすれ違ったとき簡単に自己紹介したり。入社1年目の僕にとっては特にありがたい仕掛けです。カフェスペースのデザインとこだわりのフリードリンクも魅力的で、入社を決めた理由の一つなんですよ。

内階段
内階段

実は私が一番こだわったのがカフェスペースで、デザイン会社と何度もやりとりしました。自分自身、毎日出社したくなるおしゃれな空間にしたかったんです。五十嵐くんが、そこに魅力を感じて入社してくれたのなら、こだわったかいがありました。

報告会やプレゼンが行われる、オープンな空間「TSUDOI(集)」もいいですね。興味はあるけどちょっと難しいかな、と思っているような内容でも、すっと耳を傾けて聞くことができる。逆に発表するときは、会議室より張りが出ます。

フロアをつなぐ内階段で自己紹介

顧客の要求以上の機能や価値を開発

――半導体産業は2030年度までに1兆ドル市場に成長すると言われています。皆さんがこれから挑戦したいこと、将来の抱負を聞かせてください。

小学校の社会の授業で「半導体は産業の米」と習いましたが、以前はあまり実感することはありませんでした。でも、本当にいま「産業の米」に、そして「社会の米」になってきていると感じています。AIの品質保証はまだ黎明(れいめい)期。工場とも連携しながら精度を上げて確立させ、普及させていきたいですね。

半導体は社会のインフラとしてなくてはならない存在になりました。当たり前に半導体を供給できる状況を支える立場としては、安心して使える装置をきちんと提供し続けなければなりません。これまでに築かれてきた安心感に加え、東京エレクトロンならではの技術を付加することが重要になるでしょう。僕自身は、自分の得意分野を見つけ突き詰め、大きな価値を生み出す一人になっていきたいと考えています。

五十嵐さん 月野さん
五十嵐さん月野さん

東京エレクトロンは、顧客から求められているレベルが高いという話をよく聞きます。そんな要求に応え、より良い装置が製造できるよう、サポートしていかなくてはと強く思っているところです。

半導体業界のイベントに参加した際、東京エレクトロンへの期待を改めて感じました。技術的な面では、まだニーズとして出てきていないような機能や価値の開発が求められています。当社の研究開発費は2025年度3月期から5年で1.5兆円*3。恵まれた環境で、量子コンピューターはじめ先端技術の開発に打ち込めるチャレンジングな職場です。僕は、将来的には海外で挑戦したい。東京エレクトロンは18の国と地域に83*4の拠点があります。いろいろな選択肢があり、夢は広がります。

*3、4:2023年4月1日現在

唐内さん 大場さん
唐内さん大場さん

フラットでオープンマインド

――東京エレクトロンらしさや強み、魅力をアピールしてください。

2023年11月に創立60周年を迎えましたが、フラットでオープンマインドの人が多いですね。上の人から「自分で考えて、やりたいことは先に始めて。困ったらサポートするからね」と言われたときは、ちょっとびっくりしたほどです。農学部出身の私のように半導体の知識が無くても、むしろ異なる視点が入った方がおもしろいと考えている会社なのだと思います。

やりたいことを申し出て、基本的に反対されることはない社風です。「D2スクエア」をつくる際も会社の本気度を感じたので、お金のことは考えず、やりたいことをどんどん注ぎ込もうというマインドで進めることができました。中でも、内階段の構想を聞いたときには、資金面だけでなく従業員のことをよく考えてくれているとうれしく思いました。

仕事をする上で悩むことはたくさんありますが、新入社員で何も分からない僕に、皆さんすごく丁寧に教えてくれます。先輩たちの存在はとても心強いです。

ロールモデルにしたくなる人がたくさんいる職場です。「どうして、こんなことを思いつくんだろう」「どうやって、こういう能力を身に付けたんだろう」と感じることがよくあります。僕も早く、海外でも通用する技術者になりたいと思います。

「D2スクエア」は札幌駅からも近く、職住近接な場所にあります。ワークライフバランスを考えても、とても便利でありがたいですね。AI関連のソフトウエアエンジニアはどんどん増え、研究開発の範囲もどんどん広がっています。「D2スクエア」から生まれるイノベーション、期待してください。


著作・制作 日本経済新聞社
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