メカエンジニア/
装置開発(機械設計)
坂下 訓康KUNIYASU SAKASHITA
TFF技術本部 製品化技術・設計部門
技術第一部 第1グループ
2009年入社 生産工学専攻

子どもの頃から機械好きだったという坂下さん。
最先端の機械である半導体製造装置に惹かれて入社し、いまは中堅エンジニアとして先輩・後輩と協働して開発に取り組んでいます。

メカエンジニアとしての
幅を広げた、プロセス部門での
2年間の修業。

子どもの頃からドライバーなどの工具が遊び道具で、家にあるいろいろなもののネジを外しては分解していました。学生時代には機械工学を学び、ものづくりの面白さに夢中になりました。TELを志望したのは、半導体製造装置という最先端の機械への好奇心からです。どんなものなのか想像もつかないからこそ、強い興味が湧いたのです。

入社して最初に配属されたのは、半導体製造装置へのガスの供給や排気をおこなうユニットを設計する部署です。液体や固体の原料をガス化する気化器を主に担当し、専門外だった化学分野の勉強もしながら性能改善に尽力しました。

入社6年目を迎えた頃、上司から「プロセス部門に修業に行っておいで」と言われました。当時私のいた部署では、メカエンジニアの中から何名かをプロセス部門に送り、新たな視点で学ばせることが慣例的におこなわれていたのです。プロセスエンジニアとして働いたのは約2年間。お客さま先に足を運んでご要望をうかがい、それをもとにクリーンルームで実験を重ねながら新規プロセスの開発に携わりました。その中で、メカエンジニアの設計が現場とどうつながっているかがはっきりと分かるようになりました。「百聞は一見にしかず」を実感できた、貴重な経験でした。

プロセス部門での武者修行の後は、ウェーハに成膜をおこなう装置の「チャンバー」と呼ばれる真空炉の設計に取り組んでいます。均一に成膜をおこなうためにチャンバーをどのような形状にしたらよいかを追求し、真空炉の密閉性を保つためのシーリング技術の開発に挑んでいます。新しい技術を生み出すにはたくさんの考察と検証が求められ、大変なことも多いですが、装置の可能性は無限大だと思って前向きに挑戦を続けています。

いまの試行錯誤が、誰かの幸せにつながっている。

TELでメカエンジニアとして働く日々は、今までにないものをつくったり、知らなかったことを学んだりの繰り返しです。勉強は欠かせませんが、それによって自分の知識が広がり、できることが増えていくのをひしひしと感じます。気になることがあるとまず関連する論文をできるだけ多く読むようにしているのですが、夢中になって布団の中にまで論文を持ち込むこともしばしばです(笑)。

このような試行錯誤をする背景にあるのは、「エンジニアとして誰かのためになる仕事をしたい」という思いです。入社3年目にそれを強く実感した出来事がありました。台湾のお客さまから「装置のメンテナンス方法を改善したい」というご要望を受け、初めて一人で現地の工場に赴き、実際にメンテナンスをおこなう方から、どこが大変なのかをじっくりとヒアリングしました。帰国後、「もし自分がメンテナンスをする立場ならどうしたら作業がしやすいか」を考え、図面を何種類も描いて考え抜いた末に、一つの治具をつくりました。それをお客さまにお送りして使っていただいたところ「すごく良い!」と喜んでいただけたのです。われわれが担うものづくりの先には、誰かの幸せと笑顔が確かにあるんだと思えました。

半導体製造装置は、多様な分野の技術の結集でできています。その開発にはエンジニア同士の知識や意見のやり取りが欠かせません。設計途中で分からないことが出てくると、メカエンジニアに限らず、ソフトやエレキのエンジニアに意見をもらいに行くこともよくあります。社内ではベテランも若手も関係なく互いによく質問をし合っていて、皆さんがそれを楽しんでいる雰囲気があります。エンジニア同士が助け合うことで、一人ひとりの可能性を何倍にも高め合っているのだと思います。私も専門分野について質問を受けることがよくありますが、頼りにされるととても嬉しいですね。

困難を乗り越える原動力は、
やっぱり機械が好きという気持ち。

メカエンジニアの仕事をしていると、開発に行き詰まったりトラブル対応に追われたりと、大変なこともたくさんあります。しかし実は私は困難にぶつかったときほど、ここを乗り越えれば新しい世界が開けると思って燃えてくるのです。自分であれこれ調べたり、他のエンジニアたちに相談して解決法を探ると、次第に出口が見えてきます。その原動力は「やっぱり機械が好き」という気持ちだと思います。

私はいま中堅エンジニアとして働き、先輩たちから知識や技術を学び、たくさんの相談にのってもらっています。先輩エンジニアたちの幅広い知識や鋭い判断力には圧倒されるばかりで、本当に頼りになる存在です。10年後、私がいまの先輩たちの立場を担うと考えると、もっともっと成長しなければならないと感じます。

最近は私が所属する部署に新人エンジニアが入ってきて、私が教育係を担当しています。私がこれまでお世話になった先輩方のように親身になって相談にのり、ものづくりのやりがいを伝えていきたいと考えています。