プロセス・要素エンジニア
守屋 剛TSUYOSHI MORIYA
新製品開発統括部 新製品PJ3 2001年入社 化学工学専攻

自らの研究成果から多くの新技術を生み出してきた守屋さん。
TELの研究開発の中枢を担うと同時に、リーダーとして若手社員の成長を促しています。

常識を覆すところから、
イノベーションが生まれる。

私は学生時代を通して複数の分野を勉強してきました。学士課程ではプログラミングを勉強し、その後修士課程で物理を専攻、そして電機メーカーに就職しました。就職した後も学ぶことへの意欲は消えず、博士課程へ進み化学を専攻。そこで学んだことを生かし、半導体製造プロセスの化学反応についての研究をおこないました。研究テーマが次々と変化したのは、まだ解き明かされていない分野を研究したかったから。ソフトウエア、物理、そして化学と広く勉強したことが現在の仕事にとても役立っています。

2001年、電機メーカーからTELに転職し、半年ほどマーケティング部で市場調査をおこない、その結果をベースに研究をスタートさせました。その後さまざまな技術の開発に携わり、現在は成膜装置の新製品を開発するプロジェクトでリーダーを務めています。新製品を開発するということは、まだこの世にないものを創り出すこと。そのためには、研究者として2つの要素が必要です。一つは、日々の研究結果という「経験」に基づく開発。実験と評価を何度も繰り返す中から、新製品へつながる技術を見出します。

そしてもう一つが、現在の開発の延長線上にはない、飛躍した発想から生まれるイノベーションです。私は長年、半導体製造装置内に発生するゴミの制御方法を研究してきました。この問題の解決方法としては、できるだけゴミがない状況をつくるのが常識です。しかし私は発想を転換して、存在するゴミの動きをコントロールするソフトウエアを開発したのです。当初は社内でも「そんなことできるわけない」と否定されましたが、自分のアイデアを信じて研究を続け、成果を出したのです。この開発はお客さまに大変喜ばれ、社内でも高く評価されました。

国内外の仲間と、
ものづくりの喜びをわかち合う。

電機メーカーからTELに転職して驚いたのが、TELでは基礎研究をおこなう研究者がお客さまに直接会う機会が多いこと。例えば、先日アメリカでの国際学会で論文を発表した際、お客さまや大学の先生方とディスカッションをおこないました。このように、研究者自身が実験結果や今後の開発予定をプレゼンし、お客さまからフィードバックを受ける機会があるのは本当に素晴らしく、このような機会が日々の研究に生かされています。

かつてアメリカ出張の際、帰国前日にTELアメリカ(Tokyo Electron U.S. Holdings, Inc.)のフィールドエンジニアから「今すぐ会いたい」と電話がありました。装置にトラブルでも起きたのかなと思っていたところ、駆けつけた彼が「とにかくありがとうと言いたくて」と言うのです。聞くと、彼はトラブルによる出張続きで家族に会う時間がもてなかったそうです。「守屋が開発した技術のおかげでトラブルが減り、子どもと過ごす時間が増えた。すごく感謝している」と言ってくれたのです。このときは本当に嬉しかったですね。研究者として、自分のつくった技術が国を越えて役立っていると直接聞くことができたことは、基礎研究だけをやっていたらなかなか経験できない喜びだったなと思います。

このフィールドエンジニアとは今でも仲が良く、彼が来日すると必ず会いますし、自宅に招くこともあります。彼に限らず、どの国にも仲間がいますし、国内のグループ会社との交流も盛んです。私が現在開発している製品を例に挙げると、設計は東京・府中、製造は岩手、評価は山梨のエンジニアが担当しており、私は毎週のように各事業所を訪ねます。気心の知れた仲間もたくさんでき、オフには部署や会社の垣根を越えて、食事をしたり海釣りや登山に行くこともあります。

世の中に貢献できるものを
つくり、提供するために。

現在はリーダーとして、チームのメンバーがアイデアを実現して成果を出すためのサポートを心掛けています。基礎研究は成果が出づらいものですが、行き詰まったときには「結果を出すためにどうしたらいいか一緒に考えよう」と語りかけます。国内外のお客さまにプレゼンをおこなう際も、できるだけ若手に任せます。もちろん事前に練習を積みますし、「もし何かあれば僕が話すから」とフォローもします。そうして経験を積むことで皆たくましく成長し、自信が付くことで顔つきも変わっていきます。そうした姿を見ることは、リーダーとしてとても誇らしく思います。

私自身は、TELでの仕事を通して世の中に貢献したいと考えています。TELに入社して数年後の30代後半のときに、改めてビジネスを学んでみたいと考え、MBAを取得しました。経済学で最初に学んだのが「なぜお金を払うのか?」ということ。物々交換から始まった経済の過程で開発されたお金は、お礼や感謝を示すもの。それを理解したときに、お金を払ってでもほしいものをつくりだすのがエンジニアの仕事であり、それによって世の中に貢献できるのだと考えるようになりました。今後も世の中に貢献できるものを提供し続け、ゆくゆくは半導体産業、もしくは全産業界をリードできるような仕事をしていきたいですね。