経営基盤

近年、サステナブルな社会を構築していく上で、企業の果たす役割がより重要になってきています。また投資の分野でも企業の環境、社会、ガバナンスへの取り組みを重視したESG投資が主流化しています。このような状況において企業は、実効性の高いガバナンスを確実に展開し、事業活動の礎となる強固な経営基盤を構築することで、環境や社会の課題解決や新たな価値の創造に貢献していくことが求められています。当社では、企業統治は持続的成長の要であるとの認識から取締役会のあり方の見直しを含むガバナンス体制のさらなる改善やグループ全体でのコンプライアンスの徹底に努めています。環境においては気候変動や異常気象などの深刻化を認識し、新たに中長期環境ビジョンを設定し、事業活動がおよぼす環境負荷の低減についても積極的に取り組んでいます。また自社のみならずサプライチェーン全体においてサステナブルなオペレーションを実現すべく、グローバルスタンダードに準拠した取り組みを推進しています。当社は強靭で健全な経営基盤の構築に努め、さらなる企業価値の向上を目指しています。

コーポレートガバナンス

経営課題解決にふさわしい取締役会の持続性

当社は、中長期的な企業価値の向上を支える実効性の高いガバナンス体制のもと、取締役会はその役割・責務を果たすため、知識・経験・能力をバランスよく備えた人材構成と多様性の確保、さらに次世代経営人材の育成に取り組んでいます。そして業務執行を担う経営陣の戦略的意思決定を適切に監督・評価(モニタリング)できる取締役会の運営をおこなうことにより、経営課題の解決にふさわしい取締役会の持続性の維持に努めています。

* CSS: Corporate Senior Staff

コーポレートガバナンス体制

当社は、取締役会および監査役会から構成される監査役会設置会社の方式を採用しています。

現状は、監査役を含めた取締役会出席者の16名中、独立社外取締役は3名であり、社外監査役3名を含めた社外役員は6名であります。独立社外取締役及び社外監査役は、社内出身の取締役による同質の議論に偏ることのないよう、独立した立場から忌憚のない意見を述べることで、取締役会の議論をグローバル競争で勝ちぬくための適切な方向に導きます。独立社外取締役のみならず監査役からの積極的な発言による活発な意見交換が、当社取締役会における最良の決断を支える礎となるものと考えております。取締役会は、株主に対する受託者責任を踏まえ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めるとともに多様な経験・見識・実績を持つ業務執行取締役と、社外役員による客観性を確保し、適度な緊張と建設的な議論の実現に努めています。

監査役会は、常勤監査役による実査を通じた情報収集、内部監査部門や会計監査人との適切な連携を図り、監査役監査に必要な情報を入手する体制を整えています。

また経営の公正性、実効性、透明性の確保を目的とする指名委員会、報酬委員会が、CEO、経営陣の候補者選定と報酬に関する提案を取締役会に対しおこない、当社の攻めのガバナンスを支えています。

社長・経営陣のスキルおよび多様性

当社の指名委員会は、業務執行取締役の選定において、経営者としての経験・見識・実績に裏付けられた優れた執行能力、あらゆるリスクに対して感度が高く、正しい分析と判断を可能とする能力、自身が正しいと信じる意見を率直に議場で発言する能力などを重視しています。同時に、多様なバックグラウンド・知見からの建設的な議論を確保するため、社内の各部門に精通した人材を「営業・サービス系」「製造工場系」「技術開発系」「管理部門系」などのバランスを考慮し、取締役候補として取締役会に提案しています。

また「TELサクセッションプラン」に基づき、執行役員を中心とした次世代の経営執行を担う後継者候補の育成に努め、CEOおよび代表取締役が日々の業務執行を通して、後継者候補の能力・人格・品格・見識を多面的に評価し、配置転換・研修等の機会を設けることにより、後継者候補の研鑽を常にサポートしています。

社外役員のスキルおよび多様性

当社の独立社外取締役および社外監査役は、独立した立場から忌憚のない意見を述べ、グローバル競争で勝ちぬくために取締役会の議論を適切な方向に導く役割を担っています。その選定にあたっては、「グローバルビジネスに関する知見」「関連業界に関する幅広い見識」「多彩な人的ネットワーク」「社会的な視点」「資本市場の視点等からの客観性」「財務・会計に関する知見」「法律全般に関する知見」などをバランスよく備えた人材で構成することを重視しています。なお、当社は社外役員に関して、会社法上の要件に加え、一般株主との利益相反を生じさせないための独立性判断基準を別途定めて、独立社外取締役および独立社外監査役の独立性を担保しています。

戦略的意思決定の監督・評価

当社の取締役会は、十分な審議時間を確保のうえ、年間9回程度開催しています。年間の取締役会開催スケジュールを決定することで、適切な審議時間を確保するとともに、社外役員を含めた役員全員の出席率の向上に努めています。また、社外取締役および社外監査役に対して事務局より適宜、事前説明をおこなっています。特に重要な事項については、独立社外取締役および監査役と当社執行部との間で意見交換をおこなう場を事前に設けるなど、独立社外取締役および監査役に対する十分な情報提供および意見交換に努めています。


利益配分の方針

当社では、すべてのステークホルダーに対して会社の利益を適切に配分することを基本的な考え方としています。

株主への配当政策は、業績連動型配当の継続実施であり、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とすることを基本方針としています。

利益成長を通じて企業価値向上を図るべく、内部留保資金を有効活用し、成長分野に重点的に投資するとともに、業績連動型・収益対応型配当により株主に対して直接還元をしています。なお、株主還元の一環として、自己株式の取得については機動的に実施することとしています。

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役員報酬制度の設計と結果

報酬委員会

経営の透明性・公正性、報酬の妥当性を確保するため、独立社外取締役を含む3名以上の取締役(代表取締役を除く)で構成される報酬委員会を設置しています。報酬委員会は、外部専門家からのアドバイスを活用し、国内外ハイテク企業との報酬水準等の分析比較をおこなった上で、取締役および執行役員の報酬方針、グローバルに競争力があり当社グループに最も相応しい報酬制度および代表取締役の個別報酬額等について取締役会に対し提案をおこなっています。



年次業績連動報酬

役員報酬について、親会社株主に帰属する当期純利益額に連動し、年次業績連動報酬額の水準が決まる利益分配型の報酬算定方式を採用しています。2018年度から、代表取締役個人のパフォーマンスを報酬委員会が評価し、代表取締役の個別年次業績連動報酬額に反映させることとしました。




中期業績連動報酬

中期の企業価値向上と取締役報酬額が連動する中期業績連動報酬制度を導入しています。これは、役位・職責に基づき算出される基準金額に対し、3カ年にわたる対象期間の業績目標達成度に応じて支給率が0%~150%の間で変動する制度です。その業績指標としては連結営業利益率、連結ROEを用いています。



取締役会の実効性評価のプロセスと経営課題

当社ではコーポレートガバナンス・ガイドラインに基づき、取締役会の実効性に関する討議、評価を毎年実施しています。2018年度においても、取締役・監査役全員を対象に、取締役会および指名委員会・報酬委員会の実効性に関する質問形式によるアンケート調査を実施しました。このアンケート結果に加え、社外取締役および社外監査役を主たるメンバーとして意見交換・討議を実施した上で、取締役会全体で共有し、取締役会の実効性に関する評価も実施しています。また、アンケートについては社外コンサルタントの目線や意見を取り入れ、結果分析をおこなうなど、より客観性の高い監督・評価が得られるように取り組んでいます。分析・評価の結果、認識した課題については、取締役会における議論を深め、適宜改善に取り組んでいます。こうした状況のもと、取締役会は、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて定める「経営戦略およびビジョンを示すこと」「戦略的な方向性を踏まえた重要な業務執行の決定をおこなうこと」「自由闊達で建設的な議論をおこなうこと」といった取締役会の役割を適切に果たしており、指名委員会・報酬委員会を含め有効に機能しているものと判断しています。

実効性評価によって認識された経営課題については、多様な見識・経験を有する取締役および監査役によって取締役会で議論しています。また取締役会とは別にオフサイトミーティングを開催し、個別の議決事項にとらわれず、重点的に討議をおこなう機会を設けています。

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当社社外施設でのオフサイトミーティングの実施

リスクマネジメント

リスクマネジメントについての考え方

社会や事業環境の変化とともに、企業を取り巻くリスクは複雑化・多様化しています。その中で、当社は、事業を遂行する上で直面しうるリスクや影響を把握し、適正に対応していくことが、企業が持続的に成長していくために欠かせない重要なファクターだと考えています。

リスクマネジメント体制

当社では、より実効的なリスクマネジメントを推進するため、本社総務部内にリスクマネジメントを統括する組織を設置し、エンタープライズ・リスク・マネジメントを推進しています。この組織では、コンプライアンスリスク、人事・労務リスク、事業継続リスクなど、企業活動におけるさまざまなリスクを分析して重要なリスクを特定し、各担当部署の管理状況をモニタリングするとともに、リスク管理活動を支援しています。これらの状況は、定期的に取締役会・監査役に報告しています。

内部監査部門における監査

グループ全体の内部監査部門である監査センターが、監査計画に基づいた監査を実施しています。監査の結果、取り組むべき課題については、改善を指示するとともに、改善状況のフォローや業務改善の支援をおこなっています。財務報告に係る内部統制評価に関しては、2018年度についても有効であるとの評価を会計監査人より得ています。


リスクに対する取り組み

各年度において重点管理対象を定めて、リスク低減の着実な前進を図っています。2018年度は、次の項目に関する対策強化をおこないました。




コンプライアンス

海外主要拠点にコンプライアンス責任者を設置し、コンプライアンスに関する活動状況を月次で本社に報告する仕組みを構築しました。また、海外現地法人を順次訪問し、コンプライアンスリスク監査を実施しています。

BCP(事業継続計画)

実際に発生した災害を教訓とした計画の改善、海外拠点における耐震リスクの調査を進めています。またグループネットワークを生かした代替生産体制の確立や、重要部品調達先のマルチソース化に継続的に取り組んでいます。

メンタルヘルス・長時間労働・ハラスメント

従業員のストレスチェックによるメンタルヘルス対策や、管理職を対象にラインケアセミナーを複数回実施している他、健康障害のリスクにつながる過重労働をチェックする仕組みを導入しています。また弁護士によるハラスメント防止セミナーを実施しています。

機密情報管理

特に転職者(退職)などを対象に確実な機密情報管理(返却、破棄)がおこなわれるよう人事部や知的財産部が協働し、機密情報漏洩防止の強化に取り組んでいます。

コンプライアンス

コンプライアンスについての考え方

ステークホルダーからの「信頼」は事業活動の生命線です。この「信頼」を維持するためには、企業倫理を高めコンプライアンスを継続的に実践していくことが欠かせません。「東京エレクトロングループにおける内部統制基本方針」および「東京エレクトロングループ倫理基準」(倫理基準)では、法令等を遵守し、高い倫理観およびコンプライアンス意識をもって行動することを当社グループ全役員・従業員に求めています。

コンプライアンス体制と取り組み

コンプライアンス体制

法務・コンプライアンス部門の責任者のもと、海外主要拠点にコンプライアンス責任者を新たに設置し、法務・コンプライアンス部門に職制上直接報告する体制とし、当社グループのコンプライアンス・プログラムをグローバルに展開する体制を構築しました。コンプライアンス上の課題は、法務・コンプライアンス部門の責任者より、随時CEO、取締役会・監査役会に報告され、迅速かつ効果的な対策を実施できる体制を再整備しています。

企業倫理

全従業員および役員が守るべき行動規範として倫理基準を制定し、日本語に加え4言語を作成し、冊子を全従業員に配布するなど、周知を徹底しています。倫理基準は、当社グループを取り巻く外的・内的環境の変化に応じて随時見直しをおこなっています。また、倫理委員会を設置し、グループ会社におけるコンプライアンスおよび企業倫理のより効果的な浸透・推進に向けた国内外グループ各社の活動を支援し、監督しています。さらに、役員および特定の役職以上の従業員は、倫理基準および腐敗防止に関わる法令等を遵守する旨を毎年度誓約しています。

コンプライアンス規程

倫理基準のもと、当社グループの事業活動に従事する者が、適用のある法令や社内のルールを正確に理解し、それらに則した行動を継続的に実践することを目的に、国内外グループ各社においてコンプライアンス規程を制定しています。

コンプライアンス教育

企業倫理・コンプライアンス基礎研修、輸出コンプライアンス、インサイダー取引防止、下請法、ハラスメント防止など、テーマに応じて階層別、または全従業員を対象としたウェブ教育や対面式研修を実施しています。また、従業員の理解度確認テストを継続しておこなうほか、2019年は、より体系的、計画的な教育プログラムの展開および多言語対応を進め、当社グループのコンプライアンス意識の醸成および行動に向けた啓発活動を強化できるよう取り組んでいきます。

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内部通報制度

法令および企業倫理上疑義のある行為については、従業員が職制以外のルートで情報提供をおこなう手段として、守秘性・匿名性・報復禁止を柱とする内部通報社内窓口の他、従業員向け社外窓口と取引先その他第三者専用の通報窓口を設置しています。海外拠点においては拠点ごとの内部通報窓口を設置していますが、海外拠点統一の内部通報システムの整備を進めています。

このような取り組みの結果、2018年度は当社グループの事業および地域社会に大きな影響を与えるような法令または倫理基準の違反に関する通報および事案はありませんでした。

人権の尊重

人権についての考え方

当社は、企業の社会的責任を自覚し、高い倫理観に基づいた行動が重要であるとの認識から、創業以来とりわけ人権尊重の考え方を大切にし、基本理念および経営理念でその考え方を明文化しています。人権の尊重は、単に人々への事業上の負の影響を排除するのみならず、事業活動を支える人々を尊重し、持続可能で夢のある社会を実現するための重要な取り組みであると捉えています。当社は、事業活動のあらゆる面に人権尊重の考え方を取り入れ、個人がその能力を最大限に発揮し、いきいきと活動できる企業文化の醸成に努めています。

コミットメント

2017年度にはビジネスにおける人権の考え方をまとめた「人権について」を公表し、事業活動において特に重要と考える人権項目を「自由、平等、非差別」「雇用の自主性」「製品安全と職場の安全衛生」「結社の自由」「適切な労働時間と休憩・休日・休暇の確保」と定義しています。「人権について」の策定にあたっては、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」と、その中で言及されている「国際人権章典」ならびに「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を参照しています。また時代の要請や産業における人権課題を把握するため、国連グローバル・コンパクトの10原則およびRBA行動規範* を参照しています。

* RBA行動規範: 電子機器業界のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらに製造プロセスが環境負荷に対して責任を持っていることを確実にするための基準を規定したもの

周知・教育

人権についての考え方を社内のみならず、お取引先さまに対しても周知し、現場での実践を促しています。2018年度には当社で働くすべての役員・従業員を対象としたeラーニングによる人権教育をおこないました。

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評価と是正(人権デューデリジェンス)

現在当社では人権リスクおよび影響の特定と評価をおこない、その結果をもとに、リスク排除に向けた是正のアクションを進めています。社内においてはRBA行動規範に基づく自己評価調査票(SAQ)を活用し、また資材や人材、ロジスティクスに関するお取引先さまに対してはCSR調査を通じて、バリューチェーン全体における人権リスクの評価をおこなっています。年に一度実施するこれらの調査結果の分析・評価をおこない、必要に応じて是正のアクションに取り組んでいます。評価と是正のプロセスを今後も継続することで、中長期的な人権リスクの削減と機会の創出につなげていきます。



救済

当社では、評価と是正のプロセスの枠組みを構築するとともに、実効的な事業レベルの救済メカニズムの確立に取り組んでいます。これまでに従業員やお取引先さまを対象とした内部通報窓口を国内、海外に設置し、社内やサプライチェーンにおける救済の取り組みを展開しています。

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サプライチェーンマネジメント

調達についての考え方と体制

当社が目指す価値の高い製品づくりは、製品を構成するすべての材料、部品の機能が発揮され、高品質を追求することを基盤としています。そのため、お取引先さまとのコミュニケーションを大切にし、継続した信頼関係に基づき、ものづくりにおいてグローバルレベルでともに成長し続けることを目指しています。

当社、各国の法令・社会規範およびRBA行動規範*に基づいた独自の調達方針を策定、当社およびお取引先さまに展開し、調達活動を推進しています。活動により判明した課題は、調達体制の責任者である代表取締役社長のもと、製造会社社長会や資材部門長会議などで共有し、具体的な改善案を検討しています。

* RBA行動規範: 電子機器業界のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらに製造プロセスが環境負荷に対して責任を持っていることを確実にするための基準を規定したもの


調達における取り組み

CSR調達
当社は、お取引先さまにおけるCSR活動の取り組み状況を把握するために、2013年度からCSR調査を実施しています。RBA行動規範に準じた調査をお取引先さまに実施し、いただいた回答を分析してお取引先さまにフィードバックすることで、さらなる改善につなげていただいています。2018年度は、調査内容をRBAが定める監査基準をベースに全面的に改訂し、製品の部品や原材料の調達先である資材系のお取引先さま*1を対象に調査を実施しました。

調査の結果、RBA行動規範で特に重視される児童労働、強制労働、債務労働、非人道的扱い、虚偽報告、記録の改ざん、贈収賄が確認されたお取引先さまや、リスクが高いと判断される一定規模以上*2のお取引先さまはありませんでした。

また、2018年度から新たに人材系や大手物流通関業者を中心とした物流系のお取引先さまも対象に調査を開始しました。

*1 調達額の80%以上を占めるお取引先さま

*2 従業員500名以上




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責任ある鉱物調達(紛争鉱物)

当社では、人権侵害や労働問題などの根源となっている非合法に搾取・採取された紛争鉱物(3TG*1)に関する取り組みを企業の社会的責任と捉え、これらを使用した原材料や、含有する部材・部品などの採用を排除していく方針です。

2018年度は、RMI*2の帳票(CMRT*3)を使用し、5回目となる紛争鉱物の原産国および製錬所調査を実施しました。その結果、紛争非関与と判定する根拠の一つであるRMAP*4準拠製錬所を253社特定することができました。また、紛争関与の3TGを使用した調達品は確認されませんでした。

*1 3TG: タンタル、スズ、タングステン、金

*2 RMI: Responsible Minerals Initiative。3TGを扱う製錬所について、紛争鉱物の取り扱いがないか監査・認定を実施している組織

*3 CMRT: Conflict Minerals Reporting Template

*4 RMAP: Responsible Minerals Assurance Process。RMIが提唱・主導する紛争鉱物不使用製錬企業プログラム。


調達BCP

当社は、事業継続計画(BCP)の一環として、継続的にお取引先さまと災害対策活動に取り組んでいます。災害発生時にいち早く被災状況を確認し、速やかに復旧に向けて協働できるよう、調達品の生産拠点をデータベース化しています。
2018年度は、約18,000拠点を登録し、災害発生時の被災状況調査を7回実施しました。

また、調達額の80%以上を占めるお取引先さまに対しBCP調査を実施し、その結果は回答内容を分析した上でお取引先さまへフィードバックし、改善活動につなげていただいています。2018年度の調査では、評価レベルで19%、評点で42%のお取引先さまで改善を確認しました。

環境マネジメント

環境マネジメント体制

当社では、継続的に環境活動を改善していくために、1997年より製造子会社を中心にISO14001に基づく環境マネジメントシステムを運用しています。2017年3月に、それまで国内の各事業所で取得していたISO14001の一括認証を取得しました。一括認証に合わせ、環境影響評価、有益な環境側面の抽出、環境マネジメントプログラムや内部監査チェックリストのフォーマットをグループで統一しています。2018年度は、グループ全体で階層別に合計約100 の環境目標を設定し、改善活動を実施しました。活動の進捗や法規制の遵守状況は、内部監査や第三者による監査により確認されています。これらの活動を通して得られた課題は、EHS会議で検討、製造会社社長会へ報告し、グループ全体で環境活動を推進しています。このようなマネジメント体制のもと、2018年度も環境関連の事故・違反、またこれらに関わる訴訟などはありませんでした。

ISO140001認証取得状況

会社名事業所名取得年月
東京エレクトロンEHS推進室(府中事業所)1998年5月
東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ山梨事業所(藤井/穂坂地区)東北事業所
東京エレクトロン九州合志/大津事業所
東京エレクトロン宮城大和事業所
Tokyo Electron (Kunshan)-2013年3月
TEL FSI-2013年3月

Tokyo Electron Korea

Balan Factory

2014年7月

TEL Epion

-

2018年5月


地球温暖化防止・省エネルギーの取り組み

当社では、事業所ごとに設定した原単位をベースとして、エネルギー使用量を前年度比1%削減する目標を掲げています。この目標達成に向けて、クリーンルームの省エネルギー運転、オフィス冷暖房の適切な温度設定、省エネルギー性能に優れた機器の導入、再生可能エネルギーの導入など、さまざまな取り組みを進めています。

これらの活動を進めた結果、2018年度の売上高当たりの事業所エネルギー使用量は、前年度比5%削減することができました。一方、生産量の増加や製品開発評価に伴うエネルギー使用量の増加により、電力使用量は306GWh(前年度比8%増)、エネルギー起源CO2排出量*は159 千t(前年度比5%増)となりました。また、前年度より国内事業所において、事業運営とエネルギーの相関性から適正な原単位に見直し、国内グループで共通化して運用しています。具体的には、各地区の開発評価機台数、生産台数、床面積、工数のデータを利用した複合重みづけにて算出する原単位としました。この手法に基づき目標を定めた国内の事業所および海外の合計11事業所のうち、5事業所で目標を達成しました。

* 2018年度の国内の電力使用量の排出係数は、電気事業者別の調整後の排出係数を使用し、海外の電力使用量の排出係数は電気事業連合会が国際エネルギー機関(IEA)の公表値をもとに試算した排出係数を使用

■取り組み事例 1

東京エレクトロン九州では、純水をつくる際に、水温が低すぎるためガスボイラーを用いて加温してから純水を製造していました。また、使用済みの純水は高い水温のまま排水していました。この2種類の水を熱交換させることで、純水をつくる前の補助加温が不要となり、ボイラーのガス使用量を70%以上削減することができました。


■取り組み事例 2

東京エレクトロン宮城では、食堂から排出される廃油をバイオ燃料化しており、CO2換算すると、約500kg/月の削減効果をあげています。なお、今後このつくり出されるバイオ燃料を、社有車で使用していく計画です。

再生可能エネルギーの取り組み

当社では、再生可能エネルギーの利用を進めています。東京エレクトロン宮城(大和事業所)および東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ(山梨事業所)では、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを自社工場のエネルギーとして使用し、その状況をエントランスモニターで確認できるようになっています。東京エレクトロン九州(合志事業所)では、発電したエネルギーを売却し、地球温暖化防止に貢献しています。なお、2018年度は、国内で4,392MWh の再生可能エネルギーを発電しました。

また、Tokyo Electron U.S. Holdings においては、グリーン電力を継続して購入しています。2018年度は3,834MWh 購入しました。

水使用量削減の取り組み

水資源保全の重要性が地球環境の取り組みにおいて高まる中、当社グループでは各事業所で設定した原単位をもとに国内事業所は2011年度レベル、海外事業所は各事業所で定めた基準年度と同等以下にすることを目標として掲げています。その達成に向けて、生産活動に使う純水の再利用、生活使用水の節水器具の設置、雨水を利用した植栽への散水、食堂における水道蛇口の間欠運用などを継続して実施しています。

2018年度の水の使用量は、生産量の増加や製品開発評価に伴う水使用量の増加により1,240千㎥ と前年度比8%増となりました。国内外の事業所で設定した14の目標のうち12の目標を達成しました。なお、2018年度の排水量は905千㎥ と試算しています。

■取り組み事例

2018年10月に竣工した東京エレクトロン宮城の新開発棟(名称: 第二開発棟)建設にあたり、従来、有害物質除去処理後に下水放流していた水を再利用する設備を導入しました。この水再利用設備は、既存開発棟からの排水も再利用可能としています。これにより、年間で約15,000㎥の水が再利用される見通しです。

廃棄物削減の取り組み

当社グループでは、廃棄物排出量の抑制と可能な限りのリサイクルに努め、廃棄物を削減する取り組みを推進しています。廃棄物の適正管理を目的として電子マニフェスト*1を運用している他、パーツ類の適正在庫化や緩衝剤の再利用などにも取り組んでいます。また、廃棄物の分別活動の推進や、廃棄物置き場の改造をおこなって容積を増やし、収集頻度を削減することで、廃棄物処理のコスト削減を実現しています。2018年度は、日本国内の廃棄物業者の現地確認チェックリストを統一して確認をおこない、結果を共有しました。このような取り組みの結果、2018年度の国内での単純焼却や埋め立て処分を行う廃棄物排出量は116t、リサイクル率*2 は99.2%となり、リサイクル率97%以上という目標を2006年度より13年連続で達成しています。海外事業所におけるリサイクル率も90.0%と、高水準を維持しています。

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■取り組み事例 1

東京エレクトロン台湾では、従来埋め立て処分されていた汚泥の処理方法を見直し、セメント材料にリサイクル化することにより、事業所でのリサイクル率が99%まで向上しました。また、この見直しにより、処理コストも大幅に下げることができました。

■取り組み事例 2

廃棄物削減の一環として、コピー用紙使用量削減にも積極的に取り組んでいます。複数の事業所で、製造現場で用いる手順書や図面を紙からタブレット端末で参照・確認するように変更しています。この取り組みの結果、紙使用量の削減だけでなく、トナー、シュレッダー、紙の廃棄にかかる環境負荷やコストも削減できる見通しです。

*1 電子マニフェスト: 産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)に代えて、情報処理センターと排出事業者、収集運搬業者、処分業者が通信ネットワークを使用して、産業廃棄物の流れを管理する仕組み

*2 リサイクル率: (再資源化量/廃棄物排出量)×100

化学物質の管理

当社では、製品の開発、製造に使用するPRTR*法の対象となる化学物質について、取扱量、排出量などを継続して把握、管理しています。また、当該化学物質の新規使用時や使用方法変更時には、事前に環境・安全衛生上のリスクを確認しています。使用後は、専門業者への委託や社内処理設備の使用により、適切に処理しています。フロン排出抑制法への対応は、法律に基づき簡易、定期点検などを実施し、充填、回収量の把握に努めています。2018年度は、届け出を要するフロン類の漏えいに達した事業所はありませんでした。

* PRTR: Pollutant Release and Transfer Register。人体や生態系に害を与えるおそれのある化学物質について、その使用量と環境への排出量、廃棄物に含まれて事業所以外に移動した量を把握・集計し、公表する仕組み

当社の社会貢献活動

当社の社会貢献活動は、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係を深めながら、さまざまな取り組みを通じて地域社会の発展と社会課題の解決に貢献することを目的としています。私たちは、科学とイノベーション・人材育成・環境・地域支援を4つの重点分野と定め、SDGs(国連の持続可能な開発目標)に沿った取り組みを展開しています。

その他のマテリアリティ