持続可能な経営基盤

コーポレートガバナンス

東京エレクトロンは、最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献しますという基本理念のもと、グローバル競争に勝ちぬき、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、それを支えるコーポレートガバナンスの充実に取り組むことが重要であると考えています。 当社のコーポレートガバナンス強化のため、当社が持つワールドワイドのリソースを最大限活用する仕組みを構築し、経営基盤及び技術基盤を強化し、グローバル水準の収益力を確立できるよう、体制を整備します。 加えて、当社が夢と活力に満ちた会社であり続けることが、社員の高いモチベーションを支え、当社の持続的な成長を支える基盤になるものと考えています。 当社は、それらの実現に資するガバナンスの枠組みを示したコーポレートガバナンス・ガイドラインを制定しています。

コンプライアンス/倫理基準

ステークホルダーからの「信頼」は事業活動の生命線です。この「信頼」を維持するためには、企業倫理を高めコンプライアンス(法令等遵守)を継続的に実践していくことが欠かせません。「東京エレクトロングループにおける内部統制基本方針」においても、高い倫理観やコンプライアンス意識を持って行動することをグループ会社全役員・社員に求めています。

リスクマネジメント

当社グループ全体の内部統制・リスク管理体制をより実効的に強化していくため、本社総務部内にリスク管理・内部統制推進の専任組織を設置しています。この組織では、当社グループを取り巻くリスクの分析を行い、洗い出された重要なリスクについて、その管理状況のモニタリングやリスク管理活動の支援・推進を行うとともに、リスク管理活動の状況を定期的に監査役および取締役会に報告しています。2016年度は、当社グループを取り巻く重要なリスクの再定義を行い、再定義されたすべての重要なリスクについて、各担当部署におけるリスク管理状況の再確認を実施しました。今後もこの活動を継続し、より実効的なリスク管理体制の構築に努めてまいります。

安全マネジメント

安全管理体制

当社は、従業員やお客さまなど事業活動に関わるすべての方々の安全を確保するため、労働災害防止活動に注力しています。

各事業所では、安全衛生委員会を毎月開催し、安全巡視や職場の安全・従業員の健康に関する対応を協議しています。さらに、製造拠点においては、各部の代表者が少なくとも月一回安全巡視を行い、自主的に問題を解決する体制を構築しています。

また、OHSMS*に準じたマネジメントシステムにより作業現場の潜在的なハザードを顕在化・分析し、その知識をグループ全体で共有しています。作業を行う際には、事前に作業内容に関するリスクやミス防止の対策について作業員全員で共有し、作業中も作業リーダーが現場全体を確認することによって、事故の原因となる「不安全な状態や行動」を排除しています。また、作業前の準備不足が分かったときや作業中に想定外の事象が発生したときに、作業を一時停止し対策を実施するストップワーク活動を強化しています。さらに、安全管理担当者がハザードへの対処を指導し、作業員の安全意識向上に努めています。

* OHSMS: Occupational Health and Safety Management Systemの略。トップの定める安全衛生方針のもとに、PDCA(計画- 実行-評価-改善)という一連のプロセスを定めて、安全衛生管理を自主的に実施・運用することにより、労働災害の潜在的危険を低減し、安全衛生管理水準の向上を図る経営の仕組み

安全教育

当社では二つの教育プログラムを世界共通で展開することで、安全な職場づくりを進めています。

一つは従業員全員を対象とする「基礎安全」の教育です。入社時に導入教育として、その後は3年に1度のペースで内容を更新し教育を実施しており、累計で4万名以上が受講しています。もう一つは、製造現場やクリーンルーム内での作業者に向けた「上級安全」の教育です。対象者は、毎年受講することが求められます。その他、事故撲滅への取り組みとして、統計的にも効果が実証されている手法である危険予知トレーニングやウェブ教育13コース*を国内外の拠点で展開しています。また取引先さまに対しても安全に関する情報を提供し、事故防止に向けた取り組み推進を支援しています。

* ウェブ教育13コース:「装置間違え事故防止」「開口部転落事故防止」「ストップワーク」「駆動部挟まれ事故防止」「腰痛事故防止」「指差呼称」「薬液被液防止」「作業安全規則」「作業安全規則細則」「事故報告規程」「危険予知トレーニング」「エルゴノミクス事故対策」「ストップワーク基準」をテーマとする教育コース

安全への取り組み

当社では、職場の安全性向上のための建物・設備などの改善に努めています。2016年は、国内の主要4 工場で、「非常口」に関する環境整備を行いました。今回の整備では、「すべての通路から非常口の方角を認識できる」「手の不自由な人も容易に開けられる構造のドアにする」など、避難がしやすい、より安全な工場を目指しました。

当社では、安全管理体制や安全教育の推進をはじめとする安全な職場づくりに継続的に取り組んでいます。事故の発生頻度として、2016年度のTCIR*は0.28となり、目標数値以下を維持しています。

* TCIR: Total Case Incident Rateの略。労働時間20万時間当たりの人身事故発生率



環境マネジメント

環境マネジメント体制

当社グループでは、1997年より製造子会社を中心にISO14001に基づく環境マネジメントシステムを運用しています。2016年は、それまで国内の各事業所で取得していたISO14001の一括認証を取得しました。また2015年版改訂への対応と合わせて、当社グループ全体での環境に関する「内部・外部における課題」と「ステークホルダーのニーズ・期待」を特定し、「取り組むべきリスクおよび機会」を、①環境マネジメント:事業活動での環境負荷低減、②法令等の遵守、③製品競争力の強化:製品の環境貢献と設定しました。2016年度は、グループ全体で合計約100の環境目標を設定し、改善活動を実施しました。この仕組みをアジア地域の各拠点に展開する計画です。

地球温暖化防止・省エネルギーの取り組み

当社は、事業所ごとに選択した原単位をベースとして、エネルギー使用量を前年度比1%削減するという目標を設定しています。クリーンルームの省エネルギー運転、オフィス冷暖房の適切な温度設定、省エネルギー性能に優れた機器の導入など、さまざまな取り組みを行っています。例えば東京エレクトロン宮城では、「ターボ冷凍機」の導入による省エネルギー運用で、エネルギー使用量削減の効果がありました。同事業所では、環境目標として「ターボ冷凍機の消費電力削減:2016年度上期平均20%削減、下期平均30%削減、年間平均25%削減(前年度比)」を設定し、外気温を考慮した効果的な実施に努めました。その結果、上期平均で22.6%の削減、下期平均で34.8%の削減、通期で26.3%削減となり、目標を達成しました。

その他、国内各事業所へのLED照明の導入や、一部事業所への太陽光発電システムの導入(2016年度は4,436MWhの再生可能エネルギーを発電)を実施しています。またアメリカの事業所Tokyo Electron U.S. Holdings では、グリーン電力の継続購入(2016年度は3,334MWh購入)などの活動を積極的に実施しています。

これらの取り組みにより、2016年度の電力使用量は253GWh(前年度比0.4%減)、エネルギー起源CO2排出量*は141千t(前年度比4.3%減)となりました。また、目標を定めた国内外11事業所のうち、7事業所で目標を達成しました。

* 2016 年度の日本国内の電力使用量の排出係数は電気事業者別の調整後の排出係数を使用し、海外の電力使用量の排出係数は電気事業連合会が国際エネルギー機関(IEA)の公表値をもとに試算した排出係数を使用

水使用量削減の取り組み

当社では、各事業所で設定した原単位をもとに国内事業所は2011年度レベル、海外事業所は各事業所で定めた基準年度と同等以下にすることを目標として掲げています。2016年度は、国内外の事業所で設定した14の目標のうち10 の目標を達成しました。目標達成に向けた取り組みとして、生活使用水の節水器具の設置、雨水を利用した植栽への散水、食堂における水道蛇口の間欠運用の徹底を継続して実施しています。2016年度の水の使用量は、1,055千m3と前年度比1.9%減、基準年度比11%減となりました。なお、2016 年度の排水量は874千m3と試算しています。

廃棄物削減の取り組み

当社では、廃棄物の分別回収、廃棄物が発生しない生産工程への変更などにより、廃棄物の削減と可能な限りのリサイクルに努め、また再利用できない廃棄物は適正に処理することに取り組んでいます。廃棄物の分別活動にも力を入れている他、廃棄物の適正管理を目的として電子マニフェスト*1を運用しています。

取り組みの一例として、熊本県の合志事業所では、廃棄物として処分していた在庫品の削減活動を実施しました。在庫品の有効活用に向けて「長期間にわたって引き合いのなかった部品の改造」や「設計変更の依頼を受けた際の在庫品の切り替えコントロール」を積極的に行いました。前年の廃棄対象物の金額換算で約40%を再利用することができ、廃棄物削減と合わせてコスト削減の面でも成果がありました。

このような取り組みの結果、2016年度の国内での単純焼却や埋立処分を行う廃棄物排出量は112tとなりました。2016年度の国内事業所リサイクル率*2は99.0%となり、リサイクル率97%以上という目標を2006年度より11年連続で達成しています。海外事業所におけるリサイクル率は91.5%でした。

*1 電子マニフェスト: 産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)に代えて、情報処理センターと排出事業者、収集運搬業者、処分業者が通信ネットワークを使用して、産業廃棄物の流れを管理する仕組み
*2 リサイクル率:(再資源化量/廃棄物排出量)×100

化学物質の管理

当社では、製品の開発、製造に使用するPRTR*法の対象となる化学物質について、取扱量、排出量などを継続して把握、管理しています。

* PRTR: Pollutant Release and Transfer Register の略。人体や生態系に害を与えるおそれのある化学物質について、その使用量と環境への排出量、廃棄物に含まれて事業所以外に移動した量を把握・集計し、公表する仕組み

物流における取り組み

物流に対する規制が強化され、環境負荷低減の要求が高まる中、当社はモーダルシフト*など環境負荷低減に向けた活動を推進しています。

* モーダルシフト: 輸送手段の転換を図ること。自動車や航空機による輸送から、より環境負荷の低い鉄道や船舶による輸送に転換することをいう

生物多様性

当社の事業活動は、生物多様性がもたらす恩恵を受ける一方で、生物多様性に少なからず影響を与えています。この認識に基づき、生物多様性の保全活動を進めています。

環境コミュニケーション

当社は、ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを通して、環境への取り組みを推進していきます。

サプライチェーンマネジメント

調達方針

当社は、取引先さまとの継続した信頼関係を構築し、ともに成長し続けるために、「調達方針」を策定し、それに基づいた調達活動を行っています。2016 年度は、2015 年6月のRBA*への加盟に伴う「RBA行動規範」の反映(取引先さまへの遵守要請を含む)、「紛争鉱物問題への対応」の記載内容の見直しを目的として、「調達方針」および「調達方針附則文書」を改訂し、取引先さまへの通知・説明を行いました。

* RBA:Responsible Business Allianceの略

CSR調達

当社は、調達方針および調達方針附則文書、RBA行動規範、グリーン調達ガイドラインを取引先さまと共有し、基本的人権の尊重や労働関連法令の遵守、環境負荷低減など、取引先さまにおけるCSR活動を推進するとともに、健全かつ持続可能なサプライチェーンの構築に努めています。


また、取引先さまにおけるCSR 活動の取り組みを把握するために、2013 年度からCSR 調査を行っています。2016 年度は調達額の80% 以上を占める取引先さまに対し、RBA行動規範に準じた「サプライチェーンCSRアセスメント」を実施しました。その結果、評価レベルにおいて17%、評点において59% の取引先さまで改善が確認できました。回答内容や結果、全体の総評は取引先さまにフィードバックし、改善活動を推進しています。


調査の結果、RBA行動規範で特に重視される児童労働、強制労働、債務労働、非人道的扱い、虚偽報告、記録の改ざん、贈収賄が確認された取引先さまはありませんでした。またリスクが高いと判断される一定規模以上*の取引先さまもありませんでした。

* 従業員500名以上

紛争鉱物

当社では、紛争鉱物*1 に関する取り組みを企業の社会的責任と捉えて、人権侵害や労働問題などの根源となっている非合法に搾取、採取された紛争鉱物を使用した原材料や、これらを含有する部材・部品などの採用を排除していく方針を定めています。


2016 年度は3 回目のRMI *2 帳票(CMRT)による紛争鉱物の原産国および製錬所調査を実施しました。その結果、当社の調達品に使用される3TG(タンタル、スズ、タングステン、金)が紛争非関与と判定する根拠の一つであるRMAP*3 認定製錬所を237 社特定することができました。また、紛争関与の3TG を使用した調達品は確認されませんでした。今後も調査を継続し、取引先さまにも協力いただきながら、調査内容の充実、データ精度の向上に取り組んでまいります。

*1 紛争鉱物: 3TG(タンタル、スズ、タングステン、金)
*2 RMI: Responsible Minerals initiativeの略。3TGを扱う製錬所について、紛争鉱物の取り扱いがないか、監査・認定を実施している
*3 RMAP: Responsible Minerals Assurance Processの略。RMI が提唱、主導する紛争鉱物不使用製錬企業プログラム

調達BCP

当社は、事業継続計画(BCP)の一環として、継続的に取引先さまと災害対策活動に取り組んでいます。災害発生時にいち早く被災状況を確認し、速やかに復旧に向けた協働ができるよう、調達品の生産拠点をデータベース化し、地震等の災害発生時には、被災した事業拠点で登録された取引先さまへ調査を実施しています。2016年度は、約17,000拠点が登録され、災害発生時調査を6回実施しました。そのうち、熊本地震においては、取引先さまの被災状況調査が即日実施され、復旧に向けた連携も東日本大震災のときと比較して、迅速かつ円滑に行われました。また、2016年度は火災による被害の復旧活動事例を社内で共有するとともに、取引先さまに防火体制の再点検を依頼しました。


また、調達額の80%以上を占める取引先さまに対し行ったBCP調査では、評価レベルにおいて32%、評点において56%を超える取引先さまで改善が確認できました。回答内容や結果、全体の総評は取引先さまへフィードバックし、改善活動を推進しています。