経営基盤

サステナブルな社会を実現していく上で、企業が果たす役割の重要性が増しています。東京エレクトロンは社会環境や事業環境における課題と自社の役割を認識し、事業活動を支える強固な経営基盤を構築していきます。とりわけ企業統治は企業における持続的成長の要であるとの認識から、当社では、法令遵守・コンプライアンスはもとより、ワールドクラスのガバナンス体制の構築と、実効性に富んだ取締役会の運営に取り組んでいます。また近年、気候変動や異常気象の問題が地球規模で深刻さを増す中、業務における環境負荷低減についても強化を図っています。自社のみならずサプライチェーンにおける持続可能なオペレーションを実現すべく、グローバルスタンダードに準拠した取り組みを推進しています。

コーポレートガバナンス

ガバナンス体制

当社は、持続的成長を実現する真のグローバルカンパニーとなるため、ESGなど中長期的な観点にも配慮し、経営基盤および技術基盤を強化し、グローバル水準の収益力を確立できるガバナンス体制を構築することが重要であると考えています。

当社は、取締役会および監査役会から構成される監査役会設置会社の方式を採用しています。取締役会は、株主に対する受託者責任を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めています。現在の取締役会では、業務執行の決定に不可欠な業務執行取締役と、社外役員による客観性が相まって、適度な緊張と建設的な議論が実現されています。

監査役会は、常勤監査役による実査を通じた情報収集、内部監査部門や会計監査人との適切な連携などにより、監査役監査に必要な情報が入手されるよう体制を整えています。また、監査役は業務監査・会計監査に求められる知見をバランス良く兼ね備えたメンバー構成としており、当社グループの監査役監査において有効に機能していると判断しています。

体制強化の取り組み

当社の取締役会では、企業価値向上を目指してサステナビリティを巡る諸課題への積極的な取り組みを進めています。その一環として、取締役会メンバーに対し腐敗防止・コンプライアンス教育を実施するほか、2018年度より定時株主総会招集通知において、重要な非財務情報の一つとしてESGに関する取り組みについての記載を大幅に増やしました。

取締役会

当社取締役会は、「経営戦略及びビジョンを示すこと」「戦略的な方向性を踏まえた重要な業務執行の決定を行うこと」「自由闊達で建設的な議論を行うこと」を役割・責務としており、多様性と取締役会全体としての知識・経験、能力のバランスを重視しながら、取締役会メンバーを選定しています。また監査役を含む取締役会メンバー17名中、30%に近い6名が独立社外取締役と社外監査役で構成されており、ガバナンスの強化を支えています。

業務執行取締役の選定では、経営者としての経験、見識、実績に裏付けられた優れた執行能力、あらゆるリスクに対して感度が高く、正しい分析と判断ができること、自己が正しいと信じる意見を率直に議場で発言することなどを求めています。


独立社外取締役及び監査役に対しては、独立した立場から忌憚のない意見を述べることで、取締役会の議論をグローバル競争で勝ちぬくための適切な方向に導くことを求めています。その選定にあたっては「グローバルビジネスに関する知見」「関連業界に関する幅広い見識」「多彩な人的ネットワーク」「社会的な視点、資本市場の視点などからの客観性」「財務・会計や法律全般に関する知見」等をバランスよく備えた人材構成を目指しています。なお、当社は社外役員に関して、会社法上の要件に加え、一般株主との利益相反を生じさせないための独立性判断基準を別途定めて、独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性を担保しています。

取締役監査役の構成

Executive message

企業経営において、適切なガバナンス体制の構築は、企業価値を持続的かつ最大限に増大させる鍵であると認識しています。真の企業ガバナンスとは、経営方針や事業戦略の検討・決定プロセスなどすべてが企業価値の持続的向上に寄与することを検証、その実行状況をモニターし、より良い方向へフィードバック・フィードフォワードされる企業統治システムの構築だと考えています。また、法令順守に加えて、グローバルに通用する公正さ、透明性、高度の企業倫理感などが企業文化として確立されていることも重要です。当社は、中長期的な視点で、ワールドクラスのガバナンス体制の構築と、実効性に富んだ取締役会の運営に取り組んでまいります。

代表取締役会長
常石 哲男

取締役会の実効性評価

当社では、コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づき、取締役会の実効性に関する討議、評価を毎年実施しています。当事業年度においても、2017年6月から2018年4月の期間を対象とし取締役・監査役全員に、取締役会および指名委員会・報酬委員会の実効性に関する質問形式によるアンケート調査を実施しました。このアンケート結果に加え、社外取締役および社外監査役を主たるメンバーとしての意見交換・討議を実施した上で、取締役会全体で共有し、取締役会の実効性に関する評価を実施しました。

取締役会では、多様な見識・経験を有する取締役および監査役による活発な議論がおこなわれており、重要な事案についてはリスクの観点などからも精査し、率直な議論および慎重な検討をおこなっています。また、取締役会の場とは別にオフサイトミーティングを開催し、経営戦略・ビジョンにかかるテーマについても重点的に討議をおこないました。一方、取締役会の各内部委員会については、指名委員会からは後継者育成計画に基づく活動の報告を、報酬委員会からは中期業績との連動性を高めた報酬制度に関する提案を取締役会に対しておこないました。

こうした状況のもと、取締役会は、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて定める「経営戦略およびビジョンを示すこと」「戦略的な方向性を踏まえた重要な業務執行の決定をおこなうこと」といった取締役会の役割を適切に果たしており、指名委員会・報酬委員会を含め有効に機能しているものと判断しています。


報酬方針

当社グループの報酬方針として重視する点は次のとおりです。

①グローバルに競争力のある構成と水準

②短期的業績連動、持続的な成長及び中長期の企業価値向上との連動

③経営の透明性・公正性、報酬の妥当性の確保


このような方針のもと、当社は、業績や株主価値との高い連動性をもつ役員報酬制度を採用していますが、取締役の報酬と中期業績との連動性を一層高めることにより、さらなる成長を実現するべく、2018 年8 月より新たに中期業績連動報酬を導入します。これにより、取締役の報酬は従来の固定基本報酬、年次業績連動報酬に加え、中期業績連動報酬で構成されることとなります。なお、監査役については、経営に対する独立性に鑑み、固定基本報酬のみとしています。また、固定報酬的色彩の強い取締役・監査役に対する役員退職慰労金制度については、2006年3月期以降分を廃止しています。

税務方針

当社は、2018年3月にグローバル税務方針を策定しました。国際税務を取り巻く環境の変化に適切に対応し、コンプライアンス体制の維持・向上を図ることで、税務の透明性確保に取り組んでいます。

具体的な税務方針への対応として、以下のとおり取り組んでいます。
① 最高経営責任者(CEO)のもと税務リスク管理体制の構築
② 租税回避を目的とせず、事業戦略・活動に基づき、価値が創造される地域における適切な納税
③ 各国税務当局との信頼関係構築

リスクマネジメント

リスクマネジメントについての考え方

社会や事業環境の変化とともに、企業を取り巻くリスクは複雑化・多様化しています。その中で、当社は、事業を遂行する上で直面しうるリスクや影響を把握し、適正に対応していくことが、企業が持続的に成長していくために欠かせない重要なファクターだと考えています。

リスクマネジメント体制

当社では、より実効的なリスクマネジメントを推進するため、グループ全体で体制の強化に取り組んでいます。本社総務部内にリスクマネジメントの専任組織を設置して、エンタープライズ・リスク・マネジメントを推進しています。この組織では、コンプライアンスリスク、人事・労務リスク、事業継続リスクなど、企業活動におけるさまざまなリスクを分析することで重要なリスクを特定し、洗い出された重要なリスクについて、各担当部署の管理状況をモニタリングするとともに、リスク管理活動を支援しています。これらの状況は、定期的に取締役会・監査役に報告しています。

内部監査部門における監査

グループ全体の内部監査部門である監査センターが、監査計画に基づいた監査を実施しています。監査を通じて発見された課題については、改善を指示するとともに、改善状況のフォローや業務改善の支援をおこなっています。財務報告に係る内部統制評価に関しては、2017年度についても有効であるとの評価を会計監査人よりいただいています。

リスクに対する取り組み

2017年度は、以下に掲げるリスクについて、重点的にリスク管理活動のモニタリングおよび改善を実施しました。

事業継続計画(BCP)

熊本地震の経験を踏まえ、国内各拠点の建物において、より耐震性を高めるための補強工事を実施しています。併せて、グループネットワークを生かした代替生産体制の確立や重要部品調達先のマルチソース化などにも取り組んでいます。



メンタルヘルス・長時間労働・ハラスメント

当社では、従業員のメンタルヘルス対策や長時間労働対策を進めています。ハラスメント教育の実施、メンタルヘルスを管理する仕組みの構築の他、健康障害のリスクにつながる過重労働をチェックする仕組みを導入し、継続実施しています。

コンプライアンス

コンプライアンスについての考え方

ステークホルダーからの「信頼」は事業活動の生命線です。この「信頼」を維持するためには、企業倫理を高めコンプライアンスを継続的に実践していくことが欠かせません。「東京エレクトロングループにおける内部統制基本方針」においても、高い倫理観やコンプライアンス意識をもって行動することを当社グループ全役員・従業員に求めています。

コンプライアンス体制と取り組み

コンプライアンス・内部統制担当執行役員

内部統制・コンプライアンス担当執行役員を任命し、当社グループにおけるコンプライアンス意識の向上とさらなる徹底に努めています。担当執行役員のもと、2018年4月より、法務部が当社グループのコンプライアンスの主管部署となり、コンプライアンス体制のさらなる強化を図っています。

企業倫理

全社員が守るべき基準として倫理基準を制定し、日本語・英語・韓国語・中国語で作成した冊子を全社員に配付するなど、周知を徹底しています。内容については、社会的要求の変化に応じて適宜見直しをおこなっています。また、倫理担当取締役を任命するとともに、企業倫理を浸透させるための運用機関として倫理委員会を設けています。


コンプライアンス規程

倫理基準のもと、当社グループの事業活動に従事する者が、法令・規則、国際的なルールおよび社内のルールを正確に理解し、それらに則した行動を継続的に実践することを目的とするコンプライアンス規程を国内外グループ各社において制定しています。


コンプライアンス教育

コンプライアンス基礎、輸出コンプライアンス、下請法など、全社員を対象としたウェブ教育を実施しています。さらに、近年の世界的な腐敗防止法の執行強化を受け、2017年度は、腐敗・贈賄防止の内容を盛り込んだ理解度確認テストを実施しました。また、より理解を深めるため、部長クラスを対象
に、海外における公務員に対する腐敗・贈賄防止に焦点を当てた対面式研修を実施した他、取締役・執行役員を対象に海外子会社管理に重点を置いた対面式研修を実施しました。

このような取り組みの結果、TEL グループの事業や地域社会に大きな影響を与えるような法令または倫理基準の違反に関する通報や事案はありませんでした。

内部通報制度

当社グループ全体の内部通報窓口として、倫理ホットラインおよびコンプライアンスホットラインを設置しています。2017年度は、より通報しやすい制度とするため、社外の通報窓口や、お取引先さまからの通報窓口を開設しました。いずれの窓口においても、匿名による通報も受けつけており、通報を理由として通報者に不利益を与えないことを約束しています。

このような取り組みの結果、当社グループの事業や地域社会に大きな影響を与えるような法令または倫理基準の違反に関する通報や事案はありませんでした。

人権の尊重

人権についての考え方

当社は、企業の社会的責任を自覚し、高い倫理観に基づいた行動が重要であるとの認識から、創業以来とりわけ人権尊重の考え方を大切にし、基本理念および経営理念でその考え方を明文化しています。人権の尊重は、単に人々への事業上の負の影響を排除することのみならず、事活動を支える人々を尊重し、持続可能で夢のある社会を実現するための重要な取り組みであると当社は捉えています。当社は、事業活動のあらゆる面に人権尊重の考え方を取り入れ、個人がその能力を最大限に発揮し、いきいきと活動できる企業文化の醸成に努めています。

「人権について」

企業の社会的な責任として人権尊重への要請が高まる中、当社はビジネスにおける人権の考え方をまとめた「人権について」を2017年9月に公表しました。国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」「国際人権章典」ならびに「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を参照し、当社の事業活動において特に重要と考える人権項目を「自由、平等、非差別」「雇用の自主性」「製品安全と職場の安全衛生」「結社の自由」「適切な労働時間と休憩・休日・休暇の確保」と定義しています。私たちは、人権リスクおよび影響の特定と評価、その対応と有効性の確認など、人権課題に実践的に対応していくための評価・是正プロセスを構築し、通報制度の運用とともに実効的な事業レベルの人権尊重の取り組みを確立してまいります。

また2018年3月には当社で働く全役員・従業員を対象としたeラーニングによる人権教育を実施し、人権尊重の基本となる考え方やその取り組みについて周知を促しています。また、お取引先さまにおいても人権を尊重する事業活動をおこなっていただくことが肝要と考え、法令およびRBA行動規範の遵守にご協力いただいています。


出所: United Nations Human Rights Office of the High Commissioner




Executive message

当社の経営理念と倫理基準は、あらゆるビジネス状況において倫理的かつ誠実に対応し、人権を尊重するという当社の姿勢を反映しています。近年、さまざまな産業において、サプライチェーン内の労働者に、より適切な処遇をおこなっていく意識が高まっていることを鑑み、当社は2015年6月にRBAへの加入を発表し、RBA行動規範に全面的に従っていくことを表明しました。欧州事業においても、グローバルな基準に照らし合わせながら社会的責任の実践に取り組み、当社の事業およびサプライチェーンにおける人権の尊重を提唱し、継続的な改善活動を進めていきます。

常務執行役員
Tokyo Electron Europe Limited社長
David Brough

サプライチェーンマネジメント

調達についての考え方と体制

当社が目指す価値の高い製品づくりは、製品を構成するすべての材料や部品の機能が発揮され、高品質を追求することを基盤としています。そのため、お取引先さまとのコミュニケーションを大切にし、継続した信頼関係に基づき、ものづくりにおいてグローバルでともに成長し続けることを目指しています。

当社は、各国の法令・社会規範およびRBA行動規範に基づいた調達方針を策定、自社およびお取引先さまに展開し、調達活動を推進しています。活動により判明した課題は、調達体制の責任者である代表取締役社長のもと、製造会社社長会や資材部門長会議などで共有し、具体的な改善案を検討しています。

調達における取り組み

CSR調達


当社は、取引先さまにおけるCSR活動の取り組み状況を把握するために、2013年度からCSR 調査を実施しています。RBA行動規範に準じた調査を取引先さまに実施し、いただいた回答を分析、取引先さまにフィードバックすることで、さらなる改善を進めています。2017年度は、調達額の80%以上を占める取引先さまを対象に調査を実施、評価レベルで21%、評点で62% の取引先さまで改善が確認できました。また、RBA行動規範で特に重視される児童労働、強制労働、債務労働、非人道的扱い、虚偽報告、記録の改ざん、贈収賄が確認された取引先さまや、リスクが高いと判断される一定規模以上*の取引先さまはありませんでした。その他、RBA行動規範に関わる教育や同意確認を実施、パートナーシップ強化にも取り組みました。

* 従業員500名以上

紛争鉱物

当社では、人権侵害や労働問題などの根源となっている非合法に搾取、採取された紛争鉱物(3TG*1)に関する取り組みを企業の社会的責任と捉え、これらを使用した原材料や、含有する部材・部品などの採用を排除していく方針です。

2017年度は、RMI*2の帳票(CMRT*3)を使用し、4回目の紛争鉱物の原産国および製錬所調査を実施しました。その結果、紛争非関与と判定する根拠の一つであるRMAP*4準拠製錬所を249社特定することができました。また、紛争関与の3TGを使用した調達品は確認されませんでした。


*1 3TG:タンタル、スズ、タングステン、金
*2 RMI:Responsible Minerals Initiativeの略。3TGを扱う製錬所について、紛争鉱物の取り扱いがないか監査・認定を実施している組織
*3 CMRT: Conflict Minerals Reporting Template
*4 RMAP:Responsible Minerals Assurance Processの略。RMIが提唱・主導する紛争鉱物不使用製錬企業プログラム

調達BCP

当社は、事業継続計画(BCP)の一環として、継続的にお取引先さまと災害対策活動に取り組んでいます。災害発生時にいち早く被災状況を確認し、速やかに復旧に向けた協働ができるよう、調達品の生産拠点をデータベース化しています。2017年度は、約17,000拠点を登録し、災害発生時の被災状況調査を6 回実施しました。

また、調達額の80%以上を占めるお取引先さまに対しBCP調査を実施しています。その結果は、回答内容を分析した上でお取引先さまへフィードバックし、改善活動につなげています。2017年度の調査では、従来の地震対策に加えて防火対策を確認する質問を設け、評価レベルで21%、評点で48%のお取引先さまで改善が確認できました。

環境マネジメント

環境についてのリスクと機会

気候変動を含む環境問題は、人類全体で取り組むべき課題です。異常気象による気温の上昇、大雨の増加や水不足などの物理的リスクは、資産に対する損害、オペレーションコストの増加やサプライチェーンへの影響など事業へのリスクを高めます。また、法的リスクとして環境関連法規制の強化は、製品や事業所における対応が必要となります。一方で、環境に対する取り組みを進めることは、優れた環境対応製品の提供による販売の機会の増加や、オペレーションコストの削減、さらには会社の評価向上にもつながります。当社では、ISO14001の要求事項に基づき、環境に関する「内部・外部における課題」について、気候、大気の質、水質と組織の関連を分析・特定し、お客さま、お取引先さま、行政機関、社員からの環境に関連するニーズ・期待と、当社グループの遵守義務を特定しました。これらの情報から、「取り組むべきリスクおよび機会」を①環境マネジメント: 事業活動での環境負荷低減②法令等の遵守③製品競争力の強化: 製品の環境貢献と設定しています。

環境マネジメント体制

当社では、継続的に環境活動を改善していくために、1997年より製造子会社を中心にISO14001に基づく環境マネジメントシステムを運用しています。2017年3月に、それまで国内の各事業所で取得していたISO14001の一括認証を取得しました。一括認証に合わせ、環境影響評価、有益な環境側面の抽出、環境マネジメントプログラムや内部監査チェックリストのフォーマットをグループ全体で統一しています。2017年度は、グループ全体で階層別に合計約100 の環境目標を設定し、改善活動を実施しました。また、アジア地域の各拠点での活動の進捗を、本社にて確認する仕組みを整えました。活動の進捗や法規制の遵守状況は、内部監査や第三者による監査により確認されています。2018年5月には、米国マサチューセッツ州のTEL Epion とTEL NEXXの拠点においてISO14001の認証を取得しました。これらの活動を通して得られた課題は、EHS会議で検討、製造会社社長会へ報告し、グループ全体で環境活動を推進しています。このようなマネジメント体制のもと、2017年度も環境関連の事故・違反、またこれらに関わる訴訟などはありませんでした。




ISO140001認証取得状況

社名事業所名認証取得年月
東京エレクトロンQ-EHS推進室(府中事業所)1998年5月
東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ山梨事業所(藤井/穂坂地区)東北事業所
東京エレクトロン九州合志/大津事業所
東京エレクトロン宮城大和事業所
Tokyo Electron (Kunshan)-2013年3月
TEL FSI-2013年3月

Tokyo Electron Korea

Balan Factory

2014年7月

地球温暖化防止・省エネルギーの取り組み

当社は、事業所ごとに設定した原単位をベースとして、エネルギー使用量を前年度比1%削減する目標を掲げています。この目標達成に向けて、クリーンルームの省エネルギー運転、オフィス冷暖房の適切な温度設定、省エネルギー性能に優れた機器の導入、再生可能エネルギーの導入など、さまざまな取り組みを進めています。

これらの活動を進めた結果、2017年度の売上高当たりの事業所エネルギー使用量は、前年度比21%削減しました。しかし、生産量の増加や製品開発評価に伴うエネルギー使用量の増加により、電力使用量は282GWh(前年度比11%増)、エネルギー起源CO2排出量*は152千t(前年度比8%増)となりました。また、国内事業所において、事業運営とエネルギーの相関性から適正な原単位に見直し、国内グループ全体で共通化をおこないました。具体的には、各地区の開発評価機台数、生産台数、床面積、工数のデータを利用した複合重みづけにて算出する原単位としました。この手法に基づき目標を定めた国内の事業所および海外の合計11事業所のうち、6事業所で目標を達成しました。




* 2017 年度の国内の電力使用量の排出係数は、電気事業者別の調整後の排出係数を使用し、海外の電力使用量の排出係数は電気事業連合会が国際エネルギー機関(IEA)の公表値をもとに試算した排出係数を使用

取り組み事例

当社では、省エネルギー・温暖化対策として照明のLED化を進めています。2017年度は、国内の事業所において順次照明の交換を実施しました。これにより、1年当たりの電力使用量は約1,350MWh、エネルギー起源CO2 排出量は約600t-CO2の削減効果が得られると試算しています。

再生可能エネルギーの取り組み

当社では、再生可能エネルギーの利用を進めています。大和事業所および山梨事業所では、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを自社工場のエネルギーとして使用し、その状況をエントランスモニターで確認できるようになっています。合志事業所では、発電したエネルギーを売却し、地球温暖化防止に貢献しています。なお、2017年度は、国内で4,414MWhの再生可能エネルギーを発電しました。


また、Tokyo Electron U.S. Holdingsにおいては、グリーン電力を継続して購入しています。2017年度は3,458MWh購入しました。

6_16_yamanashi_fujii.jpg





山梨事業所


水使用量削減の取り組み

水資源保全が社会的な問題となる中、当社では各事業所で設定した原単位をもとに国内事業所は2011年度レベル、海外事業所は各事業所で定めた基準年度と同等以下にすることを目標として掲げています。その達成に向けて、生産活動に使う純水の再利用、生活使用水の節水器具の設置、雨水を利用した植栽への散水、食堂における水道蛇口の間欠運用などを継続して実施しています。


その結果、2017年度の水の使用量は、生産量の増加や製品開発評価に伴う水使用量の増加により1,135千㎥と前年度比7.6%増となりましたが、基準年度比では4.7%減となり、国内外の事業所で設定した14の目標のうち11の目標を達成しました。なお、2017年度の排水量は905千㎥と試算しています。


取り組み事例

クリーンルームの空調に用いられるターボ冷凍機は、冷却水を冷却塔で排熱しています。合志事業所では、冷却塔にスケール*1付着防止システムを設置することで、ブロー水*2の削減を進めています。このシステム導入により、約5,000㎥/年の削減効果を見込んでいます。また、配管の腐食防止による延命化や、藻の発生抑制による清掃工数の削減にもつながっています。

*1 スケール:機器や配水管に付着し硬くなる水に含まれる無機塩類化合物(カルシウム、マグネシウムなど)のこと
*2 ブロー水:機器や配水管の水に含まれる不純物が過度に濃縮しないように、排水する水のこと

廃棄物削減の取り組み

当社では、廃棄物排出量の抑制と可能な限りのリサイクルに努め、廃棄物を削減する取り組みを推進しています。廃棄物の適正管理を目的として電子マニフェスト*1を運用している他、パーツ類の適正在庫化や緩衝剤の再利用などにも取り組んでいます。また、廃棄物の分別活動の推進や、廃棄物置き場の改造をおこなって容積を増やし、収集頻度を削減することで、廃棄物処理のコスト削減を実現しています。このような取り組みの結果、2017年度の国内での単純焼却や埋立処分を行う廃棄物排出量は133t、リサイクル率*2は99.0%となり、リサイクル率97%以上という目標を2006年度より12年連続で達成しています。海外事業所におけるリサイクル率も87.7%と、高水準を維持しています。




*1 電子マニフェスト: 産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)に代えて、情報処理センターと排出事業者、収集運搬業者、処分業者が通信ネットワークを使用して、産業廃棄物の流れを管理するしくみ

*2 リサイクル率:(再資源化量/廃棄物排出量)×100

化学物質の管理

当社では、製品の開発、製造に使用するPRTR*法の対象となる化学物質について、取扱量、排出量などを継続して把握、管理しています。また、当該化学物質の新規使用時や使用方法変更時には、事前に環境・安全衛生上のリスクを確認しています。使用後は、専門業者への委託や社内処理設備の使用により、適切に処理しています。フロン排出抑制法への対応は、法律に基づき簡易、定期点検などを実施し、充填、回収量の把握に努めています。2017年度は、届け出を要するフロン類の漏えいに達した事業所はありませんでした。

* PRTR: Pollutant Release and Transfer Register の略。人体や生態系に害を与えるおそれのある化学物質について、その使用量と環境への排出量、廃棄物に含まれて事業所以外に移動した量を把握・集計し、公表する仕組み

生物多様性

地球環境では多種多様な生物が関わり合いながら存在しています。当社グループの事業活動は、生物多様性がもたらす恩恵がなければ維持することはできず、また事業活動をおこなうことは生物多様性に少なからず影響を与えています。この認識に基づき、取り組みの推進体制を整備し生物多様性の保全に努めていきます。

環境コミュニケーション

当社では、幅広いステークホルダーとの共通理解のもと、連携・協力を推進し、その期待に適切に対応していくことを環境方針に掲げています。ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを通して、環境への取り組みを推進していきます。

グリーン調達

取引先さまのご協力のもと、環境に配慮した部品、製品、および材料を優先して購入するための「グリーン調達」を推進しています。



TELの社会貢献活動

当社では、世界各地において社会貢献活動を展開しています。さまざまな取り組みを通じて、地域の皆さまとの確固たる信頼関係を構築し、地域社会の発展とグローバルレベルでの社会課題の解決に貢献することにより、夢のある豊かな社会の発展および企業価値の向上に努めてまいります。

その他のマテリアリティ