経営基盤

東京エレクトロンでは、経営の監視・監督機能を充実させ、企業価値を短期のみならず中長期的に向上させていくために、実効性のより高いガバナンスを追求し、コーポレートガバナンス体制のさらなる改善やリスクマネジメントの強化、コンプライアンスの徹底に努めています。また人権尊重を実践する取り組みとして、グループ全体の人権に関する方針をまとめた「人権について」に基づき、教育や周知を徹底するとともに、人権デューデリジェンス(評価と是正)や救済のプロセスを展開しています。サプライチェーンにおいては、お客さまやお取引先さまとともにサステナブルなオペレーションを実現すべく、グローバルスタンダードに準拠した取り組みを推進しています。近年深刻さが増す気候変動や異常気象の問題に対しては、当社のバリューチェーン全体において環境負荷を低減すべく製品や事業所の中長期環境目標の達成に取り組み、地球環境の保全に努めています。当社はグループ全体の事業活動を支える強靭で健全な経営基盤の構築に努め、さらなる企業価値の向上を目指しています。

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス体制

当社は、「革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニー」というビジョンを掲げています。海外の売上比率が80%を超える環境下において、グローバル競争で勝ちぬき、持続的成長を実現する真のグローバルカンパニーとなるためには、それを支えるガバナンス体制を構築することが重要であると考えています。そのため、当社がもつワールドワイドのリソースを最大限に活用するための仕組みを構築するとともに、多様な意見を取り入れ、経営基盤および技術基盤を強化し、グローバル水準の収益力を確立できるガバナンス体制を整備します。

当社は、取締役会および監査役会から構成される監査役会設置会社の方式を採用し、監査役会による経営の監督のもと、実効性のあるガバナンスを実現しています。また、重要な業務執行の意思決定および監督機能を有し、執行部による適切なリスクテイクを支える取締役会に加え、①経営の公正性、実効性、透明性の確保を目的とする指名委員会、報酬委員会、②会社戦略の立案、推進機関としてのCSS(Corporate Senior Staff)、③執行部における審議機関としての業務執行会議、を設置するなど、当社の持続的成長に向けた攻めのガバナンス実現に資する体制を敷いています。

経営課題解決にふさわしい取締役会の持続性

中長期的な企業価値の向上を支える実効性の高いガバナンス体制のもと、取締役会は業務執行を担う経営陣の戦略的意思決定を適切に監督・評価(モニタリング)しています。取締役会はその役割・責務を果たすため、知識・経験・能力をバランスよく備えた人材構成と多様性の確保に取り組んでいます。さらに、持続的成長を支える次世代の経営執行を担う人材を育成するため、CEOおよび代表取締役は執行役員を中心に常に後継者候補を想定し、その育成に努めています。日々の業務執行を通して、後継者候補の能力、人格、品格、見識を多面的に評価しつつ、配置転換や研修の機会を設けることなどにより、候補者の研鑽を常にサポートしています。

一方で、取締役会による経営の健全性を監督するため、監査役会は、常勤監査役による実査や、内部監査部門・会計監査人との適切な連携により、監査役監査に必要な情報を入手する体制を整えています。加えて、諮問機関としての指名委員会、報酬委員会が、CEO、経営陣の候補者選定と報酬に関する提案を取締役会におこなうことで、経営の公正性や実効性、透明性を確保しています。

このような体制のもとで、取締役会の運営をおこなうことにより、経営課題の解決にふさわしい取締役会の持続性の維持に努めています。


社長・経営陣のスキルおよび多様性

指名委員会は、業務執行取締役の選定において、経営者としての経験・見識・実績に裏付けられた優れた執行能力、あらゆるリスクに対して感度が高く、正しい分析と判断を可能とする能力、自身が正しいと信じる意見を率直に議場で発言する能力などを重視しています。同時に、多様なバックグラウンドや知見からの建設的な議論を確保するため、「営業・サービス系」「製造工場系」「技術開発系」「管理部門系」などのバランスを考慮し、社内の各部門に精通した人材を取締役候補として取締役会に提案しています。

業務執行取締役は、各部門を代表しておこなう議案の付議および説明にとどまらず、異なる視点から客観的、建設的な意見を述べることにより、取締役会における活発な議論や適切な意思決定および執行の監督に寄与しています。

社外役員のスキルおよび多様性

独立社外取締役および社外監査役は、社内出身の取締役による同質の議論に偏ることのないよう、独立した立場から忌憚のない意見を述べ、グローバル競争で勝ちぬくために取締役会の議論を適切な方向に導く役割を担っています。その選定にあたっては、「グローバルビジネスに関する知見」「関連業界に関する幅広い見識」「多彩な人的ネットワーク」「社会的な視点」「資本市場の視点などからの客観性」「財務・会計に関する知見」「法律全般に関する知見」などを備えた人材でバランスよく構成することを重視しています。


戦略的意思決定の監督・評価

取締役会は、当社グループの戦略的な方向付けをおこなうことを主要な役割と認識し、CSSにおける議論などを経た経営戦略や経営計画などについて建設的な議論をおこない、中期経営計画などの進捗を監督する場として機能しています。また、取締役会は執行部に委譲した決裁権限事項について、執行部における意思決定が適切に機能しているかを監督するため、業務執行会議における審議状況の報告や説明を求めています。

取締役会においては、事業に精通した業務執行取締役の説明や発言に対して、独立社外取締役と監査役の積極的な助言と質問がなされています。両者の視点が相まって、業務執行の決定および監督に不可欠である適度な緊張と建設的な議論が実現されています。

また、独立社外取締役および監査役から的確な助言と質問を得るため、取締役会の付議事項について事務局より適宜、事前説明をおこなっています。特に重要な事項については、独立社外取締役および監査役と執行部との間で意見交換をおこなう場を設けるなど、独立社外取締役および監査役に対する十分な情報提供および意見交換に努めています。

利益配分の方針

当社では、すべてのステークホルダーに対して会社の利益を適切に配分することを基本的な考え方としています。

株主への配当政策は、業績連動型配当の継続実施であり、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とすることを基本方針としています。さらに安定的な配当実施の観点も考慮し、1株当たり通期150円という下限設定もおこなっています。

利益成長を通じて企業価値向上を図るべく、内部留保資金を有効活用し、成長分野に重点的に投資するとともに、業績連動型・収益対応型配当により株主に対して直接還元をしています。なお、株主還元の一環として、自己株式の取得については機動的に実施を検討します。

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役員報酬制度の設計と結果

当社グループの役員報酬の基本方針として、①グローバルに優秀な経営人材を確保するための競争力のある水準、②短期的業績および持続的な成長に向けた中長期の企業価値向上との高い連動性、③報酬決定プロセスの透明性・公正性、報酬の妥当性の確保、を重視しています。取締役のうち、社内取締役の報酬は、「固定基本報酬」「年次業績連動報酬」「中期業績連動報酬」により構成されています。また、社外取締役の報酬については、2019年度分から非業績連動の株式報酬制度を新たに導入し、年次業績連動報酬(現金賞与)を廃止したことにより、「固定基本報酬」「非業績連動報酬」で構成されます。監査役の報酬については、経営の監査・監督が主たる役割であることを踏まえ、「固定基本報酬」のみとしています。

また、経営の透明性や公正性、報酬の妥当性を確保するために、独立社外取締役を委員長とする報酬委員会が、外部専門家からの助言を活用し、国内外の同業企業との報酬水準などの分析比較をおこなっています。その上で、グローバルに競争力があり、当社グループに最も適切な報酬制度および代表取締役の個別報酬額について、取締役会に提案しています。


固定基本報酬

固定基本報酬は、国内外の同業企業の報酬水準を参照し、外部専門機関の職務等級フレームワークに基づく職責の大きさに応じて設定しています。


年次業績連動報酬

年次業績連動報酬は、現金賞与と株式報酬型ストックオプションで構成し、当年度の業績に連動して支払われる利益配分型の報酬としています。その算定式には、親会社株主に帰属する当期純利益および連結ROEの実績値を組み込んでいます。


中期業績連動報酬

中期業績連動報酬は、株式保有を通して株主目線を共有し、企業価値増大への意識を高めることを目的としたパフォーマンスシェア(株式報酬)としています。取締役に対して交付される株式数は、各取締役の職責および3カ年の対象期間における業績目標達成度に応じた支給率により変動します。業績目標達成度を測る指標としては、中期経営計画と連動する形とし、連結営業利益率および連結ROEを採用しています。


非業績連動報酬
(株式報酬)

社外取締役を対象とする非業績連動の株式報酬は、社外取締役が担う経営の監督に加えて、中長期的な企業価値向上の視点から経営に対して助言をおこなうという期待役割に対し、より整合した報酬体系とすることを目的に導入しています。当該株式報酬においては、3事業年度を対象とする期間終了後に株式を交付します。

取締役会の実効性評価のプロセスと経営課題

当社ではコーポレートガバナンス・ガイドラインに基づき、取締役会の実効性に関する討議、評価を毎年実施しています。2019年度においても、取締役や監査役全員を対象に、取締役会および指名委員会、報酬委員会の実効性を評価する上での主たる項目に関し、質問形式によるアンケート調査を実施しました。このアンケート結果に加え、社外取締役および社外監査役を主たるメンバーとして意見交換や討議を実施した上で、取締役会全体で共有し、取締役会の実効性に関しての審議と包括的な評価を実施しています。また、アンケートについては社外コンサルタントの目線や意見を取り入れ、結果分析をおこなうなど、より客観性の高い監督や評価が得られるように取り組んでいます。分析や評価の結果、認識した課題については、取締役会における議論を深め、適宜改善に取り組んでいます。

2019年度においては、取締役会の構成に関して、ジェンダー面での多様性が進展し、社外取締役の適切な比率について取締役会で討議しました。さらに、取締役会とは別にオフサイトミーティングを開催し、経営戦略、リスクマネジメント、グループガバナンス、CSRなど中長期的にも重要なテーマについて重点的に討議をおこなっています。報酬委員会については、委員長を社外取締役とし独立性を高めたほか、報酬委員会における役員報酬の今後のあるべき姿についての議論、また指名委員会における後継者計画についての議論をそれぞれ取締役会に共有しています。

こうした状況のもと、取締役会は、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて定める「経営戦略およびビジョンを示すこと」「戦略的な方向性を踏まえた重要な業務執行の決定をおこなうこと」といった取締役会の主たる役割を、総じて高い実効性を担保して適切に果たしていると判断しています。また、指名委員会や報酬委員会を含め有効に機能していると認識しています。

今回の実効性評価の結果を踏まえ、当社の取締役会は、中長期的な経営戦略に関する議論をさらに充実させるべく、十分な議論の機会と時間の確保に努めています。また、リスクマネジメント態勢やグループガバナンスのさらなる強化にも取り組んでいきます。指名委員会に関しては、より客観性を高めるために、適切な委員構成に向けた見直しに加えて、指名委員会と取締役会の関わり方を検討していきます。さらに、ESGSDGsを意識したステークホルダーとの対話の強化を図っていきます。

IR(Investor Relations)活動

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当社では、適切な情報開示と資本市場との対話が経営の透明性を高め、企業価値の向上に資するとの考えのもと、経営トップが積極的にIR活動に取り組んでいます。取締役会長および社長が、国内外のIRカンファレンスや個別面談で適宜スポークスパーソンを務め、資本市場との双方向のコミュニケーションを図っています。また、社長直轄組織として設置されたIR室は、資本市場からのご意見を経営に役立てるべく、定期的に経営トップに報告しています。





リスクマネジメント

リスクマネジメントについての考え方

社会や事業環境の変化とともに、企業を取り巻くリスクは複雑化、多様化しています。当社では、事業を遂行する上で直面しうるリスクや影響を把握し、適切に対応することが、企業として持続的に成長していくために不可欠であると考えています。

リスクマネジメント体制および取り組み

当社では、より実効的なリスクマネジメントを推進するために、本社総務部内に統括組織を設置し、エンタープライズ・リスクマネジメント*を展開しています。この組織では、各業務の担当所管部門と連携し、コンプライアンスリスク、人事・労務リスク、事業継続リスクなど、企業活動におけるさまざまなリスクの洗い出しをおこない、影響度と蓋然性の高いリスクを当社グループの重要リスクと認定しています。また、重要リスクに対する低減策の策定や実行、低減策実行による効果のモニタリング、そしてリスクのコントロール状況の把握をおこない、リスクマネジメントのPDCA活動を実施しています。2019年度はこれらの活動に取り組むとともに、リスクマネジメントの現状を把握するため、本社の担当所管部門や国内子会社、海外現地法人におけるインタビューを実施しました。また、2020年度以降は、リスクマネジメント、内部監査のそれぞれの機能と体制の強化を図ることにより、実効性の高いリスクマネジメント活動をさらに推進していく予定です。これらの取り組みについては、定期的に取締役会や監査役会に報告しています。

*エンタープライズ・リスクマネジメント: リスクマネジメント活動に関する全社的な仕組みやプロセスのこと


内部監査部門における監査

当社では、グループ全体の内部監査部門である監査センターが、監査計画に基づいた監査を実施しています。その結果、取り組むべき課題については、改善を指示するとともに、改善状況の確認や必要な支援をおこなっています。財務報告に関する内部統制評価については、2019年度も有効であるとの評価を会計監査人より得ています。

リスクに対する取り組み

当社では、各年度においてグループとしての重要リスクを定め、リスクを低減するための活動を着実に進めています。2019年度は、次の項目に関する対策強化*をおこないました。

*対策強化のうちコンプライアンスリスクについてはサステナビリティレポートP.45を参照

環境

気候変動や異常気象は地球規模において喫緊の問題となっており、企業に対しては環境法規制や業界行動規範の遵守に加え、バリューチェーン全体における環境負荷低減の要請も強まっています。当社では、中長期環境目標の達成に向けた製品や事業所の環境負荷低減への取り組みに加えて、より消費電力の低いデバイス開発に寄与する製造技術の提供をおこなうなど、環境に関わるオペレーションコストの削減と事業機会の創出に努めるとともに、全社における環境マネジメントを推進しています。また、TCFD*の提言に賛同を表明し、国際的なフレームワークに沿って気候変動が事業におよぼす影響や機会についての分析や開示に取り組んでいます。

*TCFDについてはサステナビリティレポートP.8を参照

人権

グローバル社会では不平等や差別、また強制労働などの人権問題が深刻さを増しています。企業においては、人権に関する事業上のリスクを排除し事業活動を支える人々の人権を尊重することにより、サステナブルなオペレーションを展開していくことが重要になってきています。当社では、国連のビジネスと人権に関する指導原則に基づき、「人権について」の考え方を明確にして人権リスクを洗い出し、是正のアクションを展開するとともに、通報制度を含む救済システムのさらなる充実化を推進しています。自由、平等、非差別や雇用の自主性、また安全衛生や労働時間などの項目に取り組み、事業活動のあらゆる面に人権尊重の考え方を取り入れることにより、従業員エンゲージメントのさらなる向上や新たな価値の創造に努めています。

研究・開発

技術革新の速い市場において、競争優位性を保ちながら成長していくためには、イノベーションを創出し、付加価値の高い製品やサービスを継続的に提供することが重要です。当社では最先端技術の研究開発への投資を積極的におこない、自社の研究開発力を強化するとともに、国内外のコンソーシアムとの協業にも注力しています。また、お客さまと技術ロードマップを共有し、開発の早期段階から連携することで、将来のニーズを反映した研究開発活動を展開しています。これからも開発生産部門と事業部門が連携した全社開発体制のもと、次世代へ向けた技術開発をさらに推進していきます。

サプライチェーンマネジメント

半導体やフラットパネルディスプレイの製造装置メーカーにとって、開発や生産、またサービスなどの活動をおこなう上で、サステナブルなサプライチェーンマネジメントを推進していくことは不可欠です。当社では、地震などの自然災害により、重要部品の調達に支障が生じ、製品の生産が一時的に停止するという事態に備え、ネットワークを生かした代替生産体制の確立や、重要部品調達先のマルチソース化に継続的に取り組んでいます。加えて、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的に訓練を実施するとともに、生産棟の免震構造建築の推進、適切な在庫コントロールなどを通じ、製品の安定供給体制の確立に取り組んでいます。

情報セキュリティ

データ社会の発展とともに情報セキュリティの重要性が高まる中、企業においては情報リテラシーの向上に努め、盤石な情報インフラを構築していくことが大切です。当社では、情報セキュリティリスクとして、サイバーセキュリティと機密情報管理の二つの観点で取り組んでいます。サイバーセキュリティについては、業界最高水準のセキュリティ対策機器を複数組み合わせて運用するとともに、従業員に対するセキュリティ教育を実施し、サーバーやパソコンに対する破壊活動やデータ窃取、改ざんといったサイバー攻撃に対する情報保護に取り組んでいます。サイバー攻撃の手法など情報セキュリティを取り巻く環境は日々変化し続けていますが、その変化に追随し、かつ必要な対策をグローバルで検討し、実施しています。機密情報管理については、特に退職者などを対象に返却や破棄を含む確実な機密情報管理がおこなわれるよう人事部や知的財産部が密接に連携し、機密情報漏洩防止の強化に注力しています。

コンプライアンス

コンプライアンスについての考え方

ステークホルダーからの「信頼」は事業活動の生命線です。この「信頼」を維持するためには、企業倫理を高めコンプライアンスを継続的に実践していくことが欠かせません。「東京エレクトロングループ倫理基準」(倫理基準)では、当社グループが事業を展開する国・地域の法令および社内規程・規則に従って、業務を誠実かつ公正に遂行する上での「とるべき適切な行動」を定め、全役員・従業員が内容を理解し、実践することを求めています。

コンプライアンス体制

コンプライアンス体制の強化および実効性確保のため、海外主要拠点でコンプライアンス責任者(リージョナル・コンプライアンス・コントローラー)を任命し、新設したチーフ・コンプライアンス・オフィサーおよびコンプライアンス部に直接報告する体制を構築しています。コンプライアンス部では、主に当社グループのコンプライアンスに関する実践計画の策定・見直し、企業倫理の確立・実践、教育研修の立案・実施、内部通報制度の確立・運用をおこなっています。

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コンプライアンスの取り組み

企業倫理

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全役員および従業員が守るべき共通かつ最低限の行動規範として倫理基準を制定するとともに、倫理委員会を設置し、当社グループにおけるコンプライアンスおよび企業倫理のより効果的な浸透・推進を図っています。また、懲戒処分をおこなうにあたり、合理的かつ相当性のある処分および適正手続を履践することを目的として、懲戒委員会を倫理委員会の下部組織として設置しています。

倫理基準については日本語を含む5言語で作成し、その冊子を全役員・従業員に配布することなどにより、周知を徹底しています。20205月には倫理基準を改訂し、グローバルカンパニーとして求められる内容を反映するとともに、個人情報保護、情報セキュリティ、マネーロンダリングなどの重要項目を追加しました。また、冊子デザインの変更や表現を箇条書きにし、分かりやすさと使いやすさを追求し、改訂をおこないました。さらに、改訂内容を理解し、遵守する旨の誓約を全役員・従業員から定期的に取得することにより、コンプライアンスおよび企業倫理のさらなる強化に努めています。



贈収賄禁止および競争法に関するグローバルポリシー

2020年度には、贈収賄禁止および競争法に関するグローバル共通のポリシーを制定します。贈収賄禁止ポリシーでは、贈答・接待・寄付における基準を見直し、基準外でおこなう場合には、事前に申請が必要となるプロセスを徹底します。競争法ポリシーでは、事業活動をおこなっている国や地域に適用される法令に基づき、違反行為の類型を分かりやすくまとめています。


コンプライアンス教育

全従業員を対象とした階層別のウェブ教育や対面式研修を実施しています*2020年度は、より体系的で計画的な教育プログラムの拡充や多言語対応を進め、当社グループにおけるコンプライアンス意識の醸成および行動に向けた啓発活動を強化していきます。

*企業倫理・コンプライアンス基礎研修、腐敗防止セミナー、輸出コンプライアンス、インサイダー取引防止、下請法、ハラスメント防止などがあり、一部研修は対象者を限定して実施しています


内部通報制度

internal_reporting.JPG法令または企業倫理に反する行為、もしくはその可能性のある行為については、従業員が職制以外のルートで情報提供および救済を求める手段として、守秘性・匿名性・報復禁止を確かなものとする内部通報窓口を設置しています。内部通報窓口としてはお取引先さまも利用できる社内窓口の他、弁護士事務所に直接相談できる社外窓口があります。2020年3月には、第三者機関のシステムを利用したグローバル統一の窓口(TELグループ倫理・コンプライアンスホットライン)を設置し、より高い守秘性・匿名性を確保しました。この窓口は、電話や専用サイト経由で24時間365日利用可能であり、従業員が使用するすべての言語に対応しています。

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当社グループでは、相談・報告があった場合には、社内規程に基づき調査を実施し、その結果、コンプライアンス違反が認められた場合は、就業規則に基づき処分をおこないます*。また、適宜、職場環境の改善など必要な是正策および再発防止策を講じています。

2019年度に内部通報窓口に寄せられた相談・報告件数は64(海外子会社は除く)で、内容は、主にハラスメントや勤怠・労働環境に関するものでした。これらにおいて、TELグループの事業および地域社会に大きな影響を与えるような法令または倫理基準の違反に関する通報および事案はありませんでした。

*コンプライアンス違反行為に関与した従業員などが自ら相談・報告をおこなった場合、懲戒処分を減免することができる制度(リーニエンシー)を導入しています



人権の尊重

人権についての考え方

当社は、企業の社会的責任を自覚し、高い倫理観に基づいた行動が重要であるとの認識から、創業以来とりわけ人権尊重の考え方を大切にし、基本理念および経営理念でその考え方を明文化しています。人権の尊重は、単に人々への事業上の負の影響を排除するのみならず、事業活動を支える人々を尊重し、持続可能で夢のある社会を実現するための重要な取り組みであると捉えています。TELは、事業活動のあらゆる面に人権尊重の考え方を取り入れ、個人がその能力を最大限に発揮し、いきいきと活動できる企業文化の醸成に努めています。

人権についての取り組み

当社では2017年度に人権の考え方をまとめた「人権について」を制定し、事業活動において特に重要と考える人権項目を「自由、平等、非差別」「雇用の自主性」「製品安全と職場の安全衛生」「結社の自由」「適切な労働時間と休憩・休日・休暇の確保」と定義しています。「人権について」の制定にあたっては、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」と、その中で言及されている「国際人権章典」「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」、また国連グローバル・コンパクトの10原則およびRBA 行動規範*1を参照しています。

*1 RBA行動規範: RBAが、電子機器業界のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらに製造プロセスが環境負荷に対して責任をもっていることを確実にするための基準を規定したもの

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社内やお取引先さまにおいては、この「人権について」の周知・徹底に注力しています。2018年度には、当社のウェブサイトに掲載し、「人権について」を社内外に公開するとともに、当社で働くすべての役員・従業員を対象とした人権に関するウェブ教育を実施しました。

また、2019年度には人権デューデリジェンスを実施し、人権リスクの調査、および影響の特定と評価をおこないました。人権リスクの調査においては、RBAの行動規範に基づく社内向け自己評価調査票(SAQ)や、資材や人材、ロジスティクスに関わるお取引先さまに対して実施するCSR調査*2を活用し、バリューチェーン全体における現状の把握をおこないました。これらの調査結果より影響の特定と評価をおこない、是正のアクションを明確にし、展開しています。

*2 CSR調査: サステナビリティレポートP.48 サプライチェーンマネジメント参照



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当社では、実効性の高い救済メカニズムの重要性を認識し、その確立と運用に取り組んでいます。2019年度には、国内、海外において従業員やお取引先さまを対象とした内部および外部通報窓口の仕組みをさらに強化し、運用を開始しました。 

今後も人権デューデリジェンスを継続的に実施していくことにより、事業活動における人権の課題に関する評価と是正に取り組み、また救済メカニズムのさらなる充実に努めていきます。



サプライチェーンマネジメント

サプライチェーンについての考え方と体制

調達についての考え方と体制
当社が目指す価値の高い製品づくりは、製品を構成するすべての材料、部品の機能が発揮され、高品質を追求することを基盤としています。そのため、お取引先さまとのコミュニケーションを大切にし、継続した信頼関係に基づき、ものづくりにおいてグローバルレベルでともに成長し続けることを目指しています。

各国の法令・社会規範およびRBA 行動規範に基づいた独自の調達方針を策定の上、当社グループおよびお取引先さまに展開し、調達活動を推進しています。活動により判明した課題は、調達体制の責任者である代表取締役社長のもと、製造会社社長会や資材部門長会議などで共有し、具体的な改善案を検討しています。

サプライチェーンにおける取り組み

CSRの展開

当社では、お取引先さまにおけるCSR活動の取り組み状況を把握するために、2013 年度からCSR 調査を実施しています。このCSR調査は、RBA行動規範に基づいており、お取引先さまからいただいた回答を分析し、フィードバックすることでさらなる改善活動に役立てています。調査はRBAが定める監査基準に準拠して、部品や原材料の調達先である資材系のお取引先さま*1を対象に実施しています。2019年度の調査では、評価レベルで36%、評点で56%のお取引先さまにおいて改善を確認しました。また、RBA行動規範で特に重視される児童労働、強制労働、債務労働、非人道的扱い、虚偽報告、記録の改ざん、贈収賄が確認されたお取引先さまや、リスクが高いと判断された一定規模以上*2のお取引先さまはありませんでした。


なお、2018年度からは派遣や請負などの人材系や、大手物流通関業者を中心とした物流系のお取引先さま*3も対象に調査を実施しています。

*1 調達額の80%以上を占めるお取引さまに対し、2013年度より継続的に調査実施
*2 従業員500名以上
*3 人材系: 派遣会社および請負会社(構内請負)100% 物流系: 通関関連業者100%

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責任ある鉱物調達(紛争鉱物) 

当社は、人権侵害や労働問題などの根源となっている非合法に搾取・採取された紛争鉱物(3TG*1)に関する取り組みを企業の社会的責任と捉え、これらを使用した原材料や、含有する部材・部品などの採用を排除していく方針です。

2019年度は、RMI*2の帳票(CMRT*3)を使用し、6回目となる紛争鉱物調査を実施しました。その結果、紛争非関与と判定する根拠の一つであるRMAP*4準拠製錬所を261社特定することができました。また、紛争関与の3TGを使用した調達品は確認されませんでした。

*1 3TG: タンタル、スズ、タングステン、金
*2 RMI: Responsible Minerals Initiative。3TGを扱う製錬所について、紛争鉱物の取り扱いがないか監査・認定を実施している組織
*3 CMRT: Conflict Minerals Reporting Template

*4 RMAP: Responsible Minerals Assurance Process。RMIが提唱・主導する紛争鉱物不使用製錬企業プログラム



調達BCP

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当社では、事業継続計画(BCP)の一環として、継続的にお取引先さまと災害対策活動に取り組んでいます。災害発生時にいち早く被災状況を確認し、速やかに復旧に向けて協働できるよう、調達品の生産拠点をデータベース化しています。2019年度は、約18,000拠点を登録し、災害発生時の被災状況調査を8 回実施しました。


また、調達額の80%以上を占めるお取引先さまに対しBCP調査*を実施し、その結果は回答内容を分析した上でお取引先さまへフィードバックし、改善活動につなげていただいています。2019年度の調査では、評価レベルで16%、評点で40%のお取引先さまにおいて改善を確認しました。

*BCP調査: 調達額の80%以上を占めるお取引さまに対し、2012年度より継続的に調査実施

環境マネジメント

環境マネジメント体制

気候変動など環境問題の重要度の高まりや、お客さまをはじめとするステークホルダーの環境・ESG に対する要請に応え、中長期的に活動を推進するために、当社では新たに環境担当General Manager 会議およびTELコーポレート環境会議を設置しました。これらの会議は、当社環境担当責任者および関連する部門のメンバーで構成され、当社の環境に関する会社全体の方向性や中長期環境目標の進捗を確認しています。また、当社では、継続的に環境活動を改善していくために、1997年より製造子会社を中心にISO14001 に基づく環境マネジメントシステムを運用しています。2017年3月には、それまで国内の各事業所で取得していたISO14001 の一括認証を取得しました。この一括認証に合わせ、環境影響評価や有益な環境側面の抽出、および環境マネジメントプログラムや内部監査チェックリストのフォーマットをグループで統一しています。2019年度は、グループ全体で階層別に合計約100の環境目標を設定し、改善活動を実施しました。活動の進捗や法規制の遵守状況は、内部監査や第三者によ
る監査により確認しています。これらの活動を通して認識した課題については、EHS会議で検討の上、製造会社社長会へ報告し、グループ全体の環境活動に反映しています。このような環境マネジメント体制のもと、2019年度も環境関連の事故・違反、またこれらに関わる訴訟などはありませんでした。

ISO14001認証取得状況

会社名事業所名取得年月日
東京エレクトロンEHS推進室(府中事業所)1998年5月
東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ藤井事業所/穂坂事業所/東北事業所
東京エレクトロン九州

合志事業所/大津事業所

東京エレクトロン宮城大和事業所
Tokyo Electron (Kunshan)-2013年3月
TEL Manufacturing and Engineering of AmericaChaska Office2013年3月
Billerica Office*

2018年5月

Tokyo Electron Korea

Balan Factory

2014年7月


*Billerica Officeは2020年5 月に移転



環境についてのリスクと機会

環境に関わるさまざまな課題は、私たちの生活や企業の活動に影響をおよぼします。気候変動や異常気象による地球の平均気温の上昇、暴風や災害、水不足などによる物理的リスクは、資産に対する損害やオペレーションコストの増加、サプライチェーンへの影響など事業におけるリスクを高めます。法的リスクとしては、環境関連法規制や温室効果ガス排出規制の強化、炭素税などを導入することで、対応にかかるコストの上昇につながると認識しています。一方、環境に対する取り組みを進めることは、優れた環境対応製品の販売機会の増加や、オペレーションコストの削減、さらには企業価値の向上にもつながります。当社の参入する半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)業界において、高い技術力で付加価値を創造することにより、低消費電力の半導体・FPD 製品の創出や、IT技術を駆使した省エネルギー化社会の構築に貢献していくことができます。


当社では、ISO14001の要求事項に基づき、環境に関する「内部・外部における課題」について気候や大気の質、および水質と組織の関連を分析・特定し、お客さまやお取引先さま、また行政機関や従業員からの環境に関連するニーズや期待を明確にし、TEL グループの遵守義務を特定しました。これらの情報から、「取り組むべきリスクおよび機会」を、①環境マネジメント: 事業活動での環境負荷低減、②法令等の遵守、③製品競争力の強化: 製品の環境貢献、と設定しています。

バリューチェーン全体のCO₂排出量

当社はバリューチェーン全体の環境負荷を認識し、その削減に配慮した事業活動を展開し、Technology for Eco Lifeのスローガンのもと、最先端の技術と確かなサービスで環境問題の解決を目指します。



スコープ1: 自社が所有または管理する燃料・ガス使用の排出源から発生する温室効果ガスの直接排出

スコープ2: 自社が購入した電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出

スコープ3: スコープ12 を除く製品輸送、従業員の業務上の移動、アウトソーシングした主な生産工程など企業のバリューチェーンからの排出

※スコープ3 は、上流活動(購入または取得した製品・サービスに関連する排出)と下流活動(販売した製品とサービスに関連する排出)に分けられる


当社グループのスコープ1 およびスコープ2の合計は171tである一方、スコープ3 は、合計5,874tと全体の約97%を占めています。特にその中でも、販売した製品の使用でのCO2排出量が5,229tと全体の約87%を占めていることから、当社は、稼動時のCO2排出量の少ない製品の開発が重要であると考えています。

地球温暖化防止・省エネルギーの取り組み

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当社では、事業所ごとに設定した原単位をベースとして、エネルギー使用量を前年度比1%削減する目標を掲げています。この目標達成に向けて、クリーンルームの省エネルギー運転、オフィス冷暖房の適切な温度設定、省エネルギー性能に優れた機器の導入、再生可能エネルギーの導入など、さまざまな取り組みを進めています。

これらの活動の結果、2019年度の売上高当たりの事業所エネルギー使用量は、前年度比20%増加しました。一方、生産量の増加や製品開発評価に伴うエネルギー使用量の増加により、電力使用量は318GWh(前年度比4%増)、エネルギー起源CO2 排出量*は、国内の電力使用量の排出係数が減少したこともあり、144t(前年度比2%減)となりました。また、国内事業所においては2018 年度より、事業運営とエネルギーの相関性から原単位をより適正なものに見直し、共通化して運用しています。具体的には、各地区の開発評価機台数、生産台数、床面積、工数のデータを利用した複合重みづけにて算出する原単位としました。この結果、国内および海外の合計11事業所のうち、6事業所で目標を達成しました。

*2019 年度の国内の電力使用量の排出係数は、電気事業者別の調整後の排出係数を使用し、海外の電力使用量の排出係数は国際エネルギー機関(IEA)発行のEmissions Factors 2019 editionの排出係数を使用

取り組み事例1

東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ(東北事業所)では、ボイラー室内の蒸気配管に保温材を施工することで、放熱を防ぎ、より効率的にエネルギーを使用しています。これにより、年間31千リットルの重油使用量削減を見込んでおり、84t-CO2の排出量削減にもつながっています。

取り組み事例2

東京エレクトロン宮城では、食堂から排出される廃油をバイオ燃料化しています。2019年度はこのバイオ燃料を構内で使用している発電機やフォークリフトでの使用を開始しました。



再生可能エネルギーの取り組み

当社では、再生可能エネルギーの利用を進めています。東京エレクトロン宮城(大和事業所)および東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ(藤井事業所、穂坂事業所)では、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを自社工場のエネルギーとして使用し、その状況をエントランスモニターで確認できるようになっています。東京エレクトロン九州(合志事業所)では、発電したエネルギーを売却し、地球温暖化防止に貢献しています。なお、2019年度は、国内で3,804MWhの再生可能エネルギーを発電しました。

また、Tokyo Electron U.S. Holdingsにおいては、グリーン電力を継続して購入しています。2019年度は3,334MWh購入しました。

水使用量削減の取り組み

水資源保全の重要性が地球環境の取り組みにおいて高まる中、当社グループでは各事業所で設定した原単位をもとに、国内事業所においては2011年度レベル、海外事業所においては各事業所で定めた基準年度と同等以下にすることを目標として掲げています。その達成に向けて、生産活動に使う純水の再利用、生活使用水の節水器具の設置、雨水を利用した植栽への散水、食堂における水道蛇口の間欠運用などを継続して実施しています。

2019年度の水の使用量は、新しい建屋の稼動開始や製品開発評価に伴う使用量の増加により、前年度比5%増の1,305千㎥となりました。また、国内外の事業所で設定した13の目標のうち9目標を達成しました。なお、2019年度の排水量は1,078千㎥と試算しています。

取り組み事例

東京エレクトロン宮城では、冷却塔にスケール*1付着防止システムを設置することで、ブロー水*2の削減を進めています。このシステム導入により、水の削減効果だけでなく、従来使用していたスケール付着防止の薬液が不要になることや、熱交換効率の向上による使用電力の削減も見込まれます。また、配管の腐食防止による延命化や、藻の発生抑制による清掃工数の削減にもつながっています。

*1 スケール: 機器や配水管に付着し硬くなる、水に含まれる無機塩類化合物(カルシウム、マグネシウムなど)のこと
*2 ブロー水: 機器や配水管の水に含まれる不純物が過度に濃縮しないように排水する水のこと


廃棄物削減の取り組み

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当社グループでは、廃棄物排出量の抑制と可能な限りのリサイクルに努め、廃棄物を削減する取り組みを推進しています。廃棄物の適正管理を目的とした電子マニフェスト*1の運用に加え、パーツ類の適正在庫化や緩衝剤の再利用などにも取り組んでいます。また、廃棄物の分別活動の推進や、廃棄物置き場の改造をおこなうことにより、容積を増やし、収集頻度を削減することで、廃棄物処理のコスト削減を実現しています。2019 年度は、国内の廃棄物業者の現地確認チェックリストを統一して調査をおこない、結果を共有しました。このような取り組みの結果、2019年度の国内での単純焼却や埋立処分をおこなう廃棄物排出量は142t、リサイクル率*2は98.9%となり、リサイクル率97%以上という単年度目標を2006年度より14年連続で達成しています。海外事業所におけるリサイクル率も90.3%と、高水準を維持しています。


*1 電子マニフェスト: 産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)に代えて、情報処理センターと排出事業者、収集運搬業者、処分業者が通信ネットワークを使用して、産業廃棄物の流れを管理する仕組み
*2 リサイクル率: (再資源化量/廃棄物排出量)×100


化学物質の管理

当社では、製品の開発、製造に使用するPRTR*法の対象となる化学物質について、取り扱い量、排出量などを継続的に把握し、管理をおこなっています。また、当該化学物質の新規使用時や使用方法変更時には、事前に環境・安全衛生上のリスクを確認しています。使用後は、専門業者への委託や社内処理設備の使用により、適切な処理を施しています。フロン排出抑制法への対応は、法律に基づき簡易点検や定期点検などを実施し、充填および回収量の把握に努めています。2019年度は、届け出を要するフロン類の漏えいに該当する事業所はありませんでした。

*PRTR: Pollutant Release and Transfer Register。人体や生態系に害を与えるおそれのある化学物質について、その使用量と環境への排出量、廃棄物に含まれて事業所以外に移動した量を把握・集計し、公表する仕組み


生物多様性

当社グループの事業活動は、生物多様性がもたらす恩恵がなければ維持することはできず、また事業活動をおこなうことは生物多様性に少なからず影響を与えています。この認識に基づき、取り組みの推進体制を整備し、生物多様性の保全に努めていきます。2019年度には、国内事業所において生態観察会や保全活動を2回以上おこなうことを目標として掲げ、累計で18回の開催となり、延べ参加者は368名となりました。


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グリーン調達

当社では、2001年1月から「グリーン調達ガイドライン」の運用を開始し、環境に配慮した部品、製品、および材料を優先して購入するグリーン調達を推進しています。このガイドラインにより、お取引先さまに「環境管理体制の整備」、「事業活動における環境影響の把握・低減・情報開示」、「製品への環境配慮」についてのご理解とご協力をいただけるよう努めています。


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物流における取り組み

当社は、物流における環境負荷低減に向けた活動を推進しています。半導体やFPD製造装置の海外向け輸送については、空運から海運へのモーダルシフト*を進めており、併せて工期の短縮にも積極的に取り組んでいます。また、FPD製造装置の出荷で用いてきた棚式台車を半導体製造装置の出荷にも取り入れ、トラックの積載率を向上させることにより、CO2の排出量およびコスト削減に努めています。加えて、製品の出荷に用いる梱包材の省資源化を推進しています。

*モーダルシフト: 輸送手段の転換を図ること。自動車や航空機による輸送から、より環境負荷の低い鉄道や船舶による輸送に転換することをいう

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環境コミュニケーション

当社では、ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを通して、環境への取り組みを推進しています。当社の環境方針では、ステークホルダーの皆さまとの連携・協力を推進し、期待や要請に企業として適切に対応していくことを掲げています。

2019年度には、社内における環境コミュニケーションをさらに推進するために、環境に関するウェブ教育プログラムをリニューアルしました。このウェブ教育には、新入社員や中途社員を対象とした環境教育と、既存従業員を対象とした更新教育の二つがあり、2019年度の国内における受講者は11,000名を超えました。2020年度以降は、海外においてもこの教育プログラムを展開していく予定です。

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TEL FOR GOOD (社会貢献活動)

当社の社会貢献活動は、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係を深めながら、さまざまな取り組みを通じて地域社会の発展と社会課題の解決に貢献することを目的としています。私たちは、科学とイノベーション・人材育成・環境・地域支援を4つの重点分野と定め、グローバルに展開しています。

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