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インタビュー

トップ対談

東京エレクトロンと東北大学が、お互いの知見を融合し、今までにない、新しいワクワクするような未来を創り出していく。

2013年に始まった東北大学の訪問滞在型研究プログラム「知のフォーラム」。2015年3月には、プログラムの拠点となる「TOKYO ELECTRON House of Creativity(知の館)」が完成しました。
東京エレクトロンは、東北大学の挑戦に深く共感し、プログラムの立ち上げ時期から支援を行っています。同プログラムと産学連携への思いを、知の創出センター長の伊藤貞嘉教授と、東京エレクトロン株式会社代表取締役社長・CEOの河合利樹が語り合いました。

東北大学から東北、そして日本全体の
プレゼンスを上げていきたい

伊藤 「知のフォーラム」のプログラムは、2013年に先行してスタートしていましたが、2015年に「知の館」という施設ができあがり、非常に充実した形になりました。「知のフォーラム」に参加する研究者は、プログラムの期間中、仙台での滞在に加え、日本中へ講演などに行くことができます。それによって、日本全体によい影響を及ぼしてほしいと思っています。

河合 1階のロビーを入ったところに、このプログラムに参加したノーベル賞受賞者をはじめ、錚々たる研究者の方の写真が飾られていますね。
のべ1,900名の研究者が活動したと聞きました。東北大学と東京エレクトロンは、半導体の技術開発に関して、20年以上前から産学連携で協力してきた実績があり、「知のフォーラム」に賛同し協力することは我々の大事な役割だと思います。 東北との関わりも深い当社ですので、東日本大震災からの復興の意義も含め、この地から最先端の技術が生まれていくことは、私にとっても非常にうれしいことです。

文化の違いを頭で理解するのではなく肌で感じる。
グローバルな視点を身につけた人材育成が不可欠

伊藤 日本の大学は、他者を理解したり、違った文化を理解したりという寛容さに欠けることがあります。私が若い頃アメリカにいた経験から一番大切だと思うのは、文化の違いを頭で理解するのではなく、肌で感じることです。なるべく若いうちに海外の文化に、直接触れる機会を持つことが大切です。学生がグローバルな視点を身につけることは、研究者としてもビジネスマンとしても、大事なことだと思っています。

河合  海外の売り上げが8割以上を占める東京エレクトロンの社員は、グローバルな視点を持ち、技術を通して世界に発信していく、という意識を持たなければなりません。グローバルとは単なる国際交流ではなく、グローバルな価値を考えていくことだと思います。

伊藤  本当のグローバリゼーションは、ただ単に海外をまねるのではなく、日本の文化を大事にしながら考えていかないといけないと、私は思っています。自分の価値も相手の価値もよく分かったうえで、調和をとって議論していくことが大切です。

河合 若いうちから、そういったグローバルな感覚や発想を、日本に居ながらも自然と身につけられるようになればよいと思います。まさにそのような機会を提供している「知のフォーラム」を通して、地球規模で物事を考えられる学生や研究者が増え、例えば東京エレクトロンに活躍の場を移して、エレクロトニクス産業、ひいては国際社会の発展の加速につながれば大変喜ばしいことだと思います。

独創的な提案力。次世代、次々世代を見据え、
社会に貢献する技術を創り出していく。

河合 東京エレクトロンの歴史を振り返ってみると、まだ半導体がない頃に、創業者が半導体テスターを輸入し、半導体をやるべきだと日本の大手電機メーカーを説得して回ったところから始まっています。創業者はつねに「独創的な提案力。世の中にないことをする。」と言っています。
当社は開発部門の一元化を進めていますが、これは次世代、次々世代を見据えた長期的な視点で、多様な技術を融合し付加価値を創出していくことが重要であると考えたからです。

伊藤 今の時代、実績がすぐに出るような研究が求められます。これでは次世代の研究者を育てることができません。中長期的にインターナショナルなスタンダードでものを考え、見なければいけません。

河合 私は、IoT(Internet of Things)時代の到来を近未来に迎え、その将来に大きな可能性を感じています。高度な微細化が進む中、東京エレクトロンは、最先端の装置を供給できる世界有数のメーカーです。メーカーとして、サプライチェーンの重要性はもとより、IoTを背景にバリューチェーンを意識した発想が必要です。当社の技術と、将来をリードする若い力が融合できると、ここ東北、そして日本、世界への貢献も含めて、素晴らしいことが起こるだろうとワクワクします。

成功するために必要なのは情熱と継続。
絶え間なく自己改革を続けていける人間を目指す

伊藤 「知のフォーラム」に参加したノーベル賞受賞者は、失敗や挫折もたくさん経験しています。それでも持ち続けてきた彼らの情熱に直接触れられることが、学生たちにはとても大切だと思っています。「知のフォーラム」でもっとも大切なことは、若い人が世界を知り、情熱を植えつけられ、それを持ち続けることで、社会に貢献できる人材に育つことです。

河合 私も成功するために必要なのは情熱と継続だと思っています。失敗したとしても情熱を持ってその活動を継続していけば必ず目標に到達できると信じています。東京エレクトロンが先頭を走っていくためにも、技術者がつねに新しいことにチャレンジして、成功したら公正なリターンを得ることができるような夢と活力に満ちた会社であり続けなければならないと思っています。

伊藤 僕が若い人たちに言っているのは、自分と自分の組織に誇りを持つこと、相手を尊敬し尊重しなければいけない、ということ。それができないと、自分自身が尊敬され信頼されない。絶え間なく自己改革を続けていける人間を目指すこと、そして社会貢献を目指すこと。これは、どこの組織でも同じだと思います。

河合 私は、東京エレクトロンが事業活動を通じて社会に貢献する会社でなければならないと思っています。研究開発でも大事にしてもらいたいのは「共通善」です。世の中の持続可能性をつねに考える。伊藤先生がおっしゃる通り、これは大学でも企業でも同じです。

真理を追及する学術機関と企業(メーカー)との融合が
世の中にないものを生み出していく。

伊藤 大学の研究者は、自分の技術は素晴らしいで終わってしまうのではなく、その技術が世の中にどう受け入れられるか、どのように発展するのかということを、考えなければいけません。産学連携で企業と一緒に取り組んでいくことの意義は、そこにあります。

河合 企業側としては、大学との連携により、学術研究に裏付けられた知見と企業の持つ実践的な技術を融合させることで、新たな発想が生まれることを期待しています。独創的な提案力、世界最先端を追求し、世の中にないものをつくるために、大学と一緒にいろいろなことに取り組む意義を感じます。

伊藤 産学連携、オープンイノベーションということが言われます。大学で研究をした成果をオープンにする。そこに企業の基盤技術を組み合わせる。学術機関は幅広い研究をして、そこでいろいろな企業とタイアップしながら、最適な方向に進んでいくことが理想だと思います。

河合 過去の一般的な常識にとらわれず、広い視野で、チャレンジ精神を忘れず取り組む姿勢が重要だと思います。この「知のフォーラム」をサポートすることで、東京エレクトロンも新しい刺激やよい影響を享受したい。それを願って、これからも深く参画していきたいと思っています。

Profile


伊藤 貞嘉
東北大学理事(研究担当)
知の創出センター長
大学院医学系研究科・医学部教授(腎・高血圧・内分泌学分野)

1986年に東北大学にて医学博士を取得。米国ヘンリーフォード病院シニアスタッフ、東北大学講師(第二内科)を経て、1997年より東北大学教授(第二内科)に就く。食塩や肥満と、高血圧や腎障害、心血管病との関連等を研究。2012年より理事(研究担当)、2013年より知の創出センター長(兼務)。


河合 利樹
東京エレクトロン株式会社
代表取締役社長・CEO

1986年 東京エレクトロン株式会社入社。2001年より6年間のヨーロッパ駐在(イギリス、ドイツ)を経て、2007年に帰国。サーマルプロセスシテムBU、枚葉成膜BU、サーフェスプレパレーションシステムBUのジェネラルマネージャーを歴任し、2015年6月から取締役副社長・最高執行責任者(COO)、2016年1月より現職。