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実用化が近い歩行アシストロボット

アシストロボットの中でも、実用化が近いとされているのが、歩行や歩行練習を助ける歩行アシストロボットだ。トヨタは、「自立歩行アシスト」と「歩行練習アシスト」という2種類の歩行アシストロボットを開発中である。前者は、下肢麻痺などで歩行が不自由な人の自立歩行支援を目的に開発されたもので、膝の振り出しをアシストする。後者は、自立歩行アシストを応用したもので、歩行練習の初期段階からの自然な歩行の習得を支援するロボットである。

ホンダも「リズム歩行アシスト」と「体重支持型歩行アシスト」という2種類の歩行アシストロボットの開発を行っている。ホンダといえば、二足歩行ロボット「ASIMO」が有名だが、これらのロボットはASIMOと同様、人の歩行研究の蓄積をベースに開発されている。リズム歩行アシストは、腰の部分のモーターで足を前に振り出すときと、足を後ろにけりだすときに太もも部分をアシストすることで、歩幅と歩行リズムを調整する。ベルト着用タイプのシンプルな構造であり、さまざまな体格に対応可能だ。ホンダは、2012年8月下旬から独立行政法人国立長寿医療研究センターが開始した介護予防効果検証プログラムに40台のリズム歩行アシストを提供し、検証を行っている。体重支持型歩行アシストは、リズム歩行アシストとは異なり、利用者の体重の一部を支えることで、脚の筋肉や関節の負担を軽減する仕組みだ。

左:トヨタの「自立歩行アシスト」の写真 右:トヨタの「歩行練習アシスト」の写真
[写真] 左:トヨタの「自立歩行アシスト」。膝の振り出しをアシストすることで、歩行が不自由な人の自立歩行を支援する 右:トヨタの「歩行練習アシスト」。自立歩行アシストを応用し、歩行練習の初期段階からの習得を支援する
左:ホンダの「リズム歩行アシスト」の写真 右:リズム歩行アシストを装着して歩いている様子の写真
[写真] 左:ホンダの「リズム歩行アシスト」。腰の部分のモーターで、太もも部分をアシストする 右:リズム歩行アシストを装着して歩いている様子
ホンダの「体重支持型歩行アシスト」
[写真] ホンダの「体重支持型歩行アシスト」。股の間に機器が配置されることが特徴

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