すでに実用化されている食事支援ロボットや排泄処理ロボット
ロボットは、ある特定の作業のみ可能なものから実用化が始まり、技術の進化に伴い、より汎用的な作業が可能なロボットが登場することになる。介護ロボットの分野でも、特定の作業をアシストするロボットはすでに実用化されており、その代表として、食事支援ロボットや排泄処理ロボットが挙げられる。
セコムの「マイスプーン」は、手の不自由な方でも、自分で食事ができるようにする食事支援ロボットで、身体の状態にあわせて手動モード、半自動モード、自動モードの3種類の操作モードを選べることが特徴だ。マイスプーンは、2002年4月に発表され、日本だけでなく、オランダやベルギー、イタリア、フランスなど、ヨーロッパ各国でも販売されており、2006年時点で約300台の出荷実績がある。
エヌウィックが開発した「マインレット爽」(販売は大和ハウス工業)は、全自動の排泄処理ロボットである。寝たきりの人の排泄ケアは、要介護者、介護者双方にとって身体的、精神的に負担となるが、マインレット爽を使うことで、寝たきりの人のQOL(生活の質)が向上し、介護者の負担も減る。マインレット爽は、排泄物カップをセットした専用カバーを紙おむつと同じように装着し、カバーと本体をホースユニットに接続して利用する。排尿や排便をセンサーが感知すると、自動吸引を開始し、排泄物カップ内蔵の温水シャワーで洗浄後、温風でゆっくり乾燥させる仕組みだ。本体は介護保険の「貸与」品目適用機器となっており、1割負担のレンタルで気軽に利用できる。