TOKYO ELECTRON LIMITED

投資家向け情報

2008年3月期 本決算説明会 質疑応答集

受注に関して、2008年4-6月期はどれくらいで予想するのか?

半導体製造装置は、DRAM市況が低迷を脱し切れておらず、1-3月期と同水準を見込む。アプリケーション別構成比では、DRAMとNANDフラッシュのメモリ投資が低調であるため、ロジック系の投資比率が相対的に伸びる。FPD製造装置は、受注が集中した前2四半期からの反動減で、1-3月期比では半減を想定。受注総額としては、1200億円前後と予想する。

当期の半期毎の利益見通しについて知りたい。

上期に関しては、情報もある程度揃っているので、営業利益260億円の予想は、精度が高いと考える。一方下期に関しては、7-9月期以降受注が回復し、売上も増えることを前提に、上期比倍増の営業利益580億円を想定している。

当期のフリーキャッシュフローの予想について知りたい。

利益も下がるので、前期と比べると若干減少すると予想する。

自社株買いの可能性について聞きたい。

どのような形で株主還元を向上させていくか、十分検討した結果、今回は自社株買いを行わないこととした。当社は説明会資料でも述べている通り、この先10年の事業構想を持っている。将来の成長のための開発または買収にどの程度の資金が必要であるか、今後精査した上で資本政策、株主還元の具体案を出していきたい。

韓国の投資状況について聞きたい。

韓国地域は、昨年度から投資を縮小しているので、今年度は投資を再開すると期待している。

FPDの当期、来期の売上イメージを知りたい。

FPDは前2四半期の好調な受注により、2008年3月期末の受注残高は1,271億円となっている。全地域の顧客より一時に受注が集中している上、第10世代の新規開発製品もあるため、納期が1年超となるものも受注残に含まれている。そのため、2009年3月期の売上は900億円を予定している。2008年3月期末の受注残高との差は翌2010年3月期の売上となる見込みである。

新規ビジネスについて、説明会資料で個別スライドのない案件について聞きたい。

まず、SiCエピ膜成長装置について、本件は京都大学、ローム、当社の3社で共同開発を行っていたもので、2008年3月期に量産技術確立の目処がついた。高耐圧、低損失性という特徴をもつSiCデバイスは、今後の自動車メーカーによるハイブリッドカーの成長戦略などを考えると、需要が大きく伸びると期待している。次にTEL装置の省エネルギー化改造ビジネスについて、客先にて稼動している旧世代の200mm装置は、省エネルギー対応がされていないので、省電力・省薬液により、TEL装置の排出するCO2を削減していきたい。

新規ビジネスの数年後の規模について聞きたい。

事業化後の規模については、3年後に500億、5年後に1,000億規模を期待する。RLSA*1 は製品化まで1年という段階に来ていると思うが、GCIB*2 技術は数年かかるだろう。GCIBは米Epion社から買収したものだが、現在半導体用製造装置に開発しなおしている段階である。買収から事業化には、3-5年は要すると考える。

RLSA:Radial Line Slot Antenna

GCIB:Gas Cluster Ion Beam