TOKYO ELECTRON LIMITED

投資家向け情報

2017年3月期 業績予想説明会 質疑応答集

WFE(半導体前工程製造装置)市場は足元で少しずつ良くなっているという期待感があるが、肌感覚でどう感じているか?

まだ具体的な形にはなっていないが、改善傾向を感じている。昨年の韓国顧客の投資は例年より抑え気味だったので、今後伸びてくる期待はある。

前期からの増収幅に対して増益幅が小さいのでは?

前期末に高利益率物件の前倒しと低利益率物件の後倒しがあり、この上期に製品ミックスの影響が出るが下期には影響なく、通期の営業利益率は前期と同等になる見込み。研究開発費や退職給付債務の増加も影響している。

売上総利益率が前期比並みというが、SPE売上の製品別構成比はどのように変化する?

ALD装置*、エッチング装置、洗浄装置の比率が上がってくる見込みだが、戦略製品のペネトレーション費用や性能改善の費用も織り込んでいる。

戦略製品のペネトレーションのための費用は、上期において3D-NAND向けと先端ロジック向けのどちらが多いか?

どちらもあり、これ以外にDRAM向けにもある。2016年のDRAM向け投資は減少する予想だが、(特定顧客の)エッチング装置のDRAM向け売上は増加を見込んでいる。これはペネトレーションが出来ているということである。

1-3月期にSPE受注が1,800億円以上あったにもかかわらず、上期のSPE売上が3,000億円程度というのは低いのでは?

1-3月期の受注に前倒しがあった分、4-6月期の受注は減少する見込み。1-3月期の前倒し受注は装置立ち上げを早めるプレファシリティキットで、装置の設置完了と同時に売上となるが、装置の売上タイミングに変更はないので、多くは下期売上に寄与。

研究開発費はSPEに注力するのか?FPDの研究開発費を減らすと、FPDの利益率向上は難しいのでは?

SPEとFPDの両方に注力する方針である。FPDの注力分野として、G10.5以上の大型パネル、LTPS*2やIGZO*3による高精細化、OLED向けインクジェット描画装置があり、クリティカル技術の対応と成長を目指すことに集中している。

FPD製造装置市場が前年比20%増という見方は慎重ではないか?

当社の見方はTFTアレイ向けのFPD製造装置に限定しており、OLED特有の蒸着や封止工程は除いている。当社のFPD製造装置事業は2016年3月期に黒字化しており、今後もクリティカル技術へ対応することでシェアの維持・向上と利益率の向上を目指す。

フィールドソリューション事業の売上予定は?

2016年3月期並みの1,900億円程度。

販売管理費とフリーキャッシュフローの予定はいくらか?

販売管理費は1,560億円、フリーキャッシュフローは500億円程度を予定している。

退職給付債務増加の詳細を教えて欲しい。

割引率が1.15%から0.59%に減ることで、2017年3月期は前期比30億円の負担増となる見込み。

組織変更がリリースされたが、なぜコータ/デベロッパと洗浄装置を統合したのか?

当社の持つドライ技術とウェット技術という切り口で分け、ウェット技術としてコータ/デベロッパと洗浄装置を統合した。高いシェアを持つコータ/デベロッパの強みを九州の同じ工場内で洗浄装置事業と共有することを狙っている。

御社はリムーブの分野で、ドライとウェットの両方の技術を活かした強みがあると思うが、将来的には、洗浄とエッチングの組み合わせも視野に入るのか?

その可能性は大いにあり、長期の成長戦略の中でしっかりと考えていきたい。開発組織を一元化したことと、今回の組織変更で顧客へのフロントラインを5つから3つにしたことで、開発・生産本部、事業本部、グローバル・フィールド本部が三位一体で効果的に活動できる体制とした。

ALD (Atomic Layer Deposition):原子レベルで一層ずつ膜を堆積させる成膜手法

LTPS (Low Temperature Poly-Silicon):多結晶の低温ポリシリコン

IGZO:インジウム、ガリウム、亜鉛を含む酸化物半導体

本内容は、質疑応答のサマリーです。