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宝石より硬い、新たなダイアモンドを作る

2017.2.20

別名「ロンズデーライト」と呼ばれる「六方晶ダイアモンド」は宝石より硬い。

天然で最も硬い物質がダイアモンドということは広く知られているが、普通のダイアモンドよりも硬いダイアモンドが存在するのをご存じだろうか。
それは「六方晶ダイアモンド」で、別名「ロンズデーライト」とも呼ばれる。
通常のダイアモンドは、立方晶系という結晶構造を持っており、おもに8面体だ(6面体や12面体もある)。これに対してロンズデーライトは六方晶系で、結晶の軸のうち3本が120度で交わり、その3本に対してもう1本の軸が垂直に交わっているという構造になっている。
ロンズデーライトは、隕石が地球に衝突する際の圧力と熱によって生成され、アメリカのキャニオン・ディアブロ隕石などの中に、顕微鏡サイズの結晶が発見されている。また、爆薬が使われた際や、研究室内での加圧実験などでも、グラファイトからロンズデーライトが生成されることがある。
自然界のロンズデーライトはがモース硬度7か8で、硬度10のダイアモンドよりも低い。ただし、これは自然界のロンズデーライトには不純物が混じっているためであり、純粋なロンズデーライトは一般的なダイアモンドよりも58%も硬いと言われている。
オーストラリア国立大学のJodie Bradby准教授らの研究チームは、実験室のダイアモンドアンビル(ダイアモンドで物質を挟み、超高圧をかける装置)を使って、ナノサイズのロンズデーライトの結晶を作ることに成功。従来は800℃程度必要だった温度を400℃に半減させた。六方晶の結晶構造を作るのは、立方晶系に比べてはるかに難易度が高い。
ロンズデーライトの製法が確立され、安定的に製造できるようになれば、超硬度物質の切断など、工業分野や科学研究において非常に強力なツールになると期待されている。

(文/山路達也)

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