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0と1の状態が同時に存在する?量子の「あいまいさ」を未来を見通す力に変える、常識を超えた計算機「量子コンピュータ」
20世紀、見えないミクロの世界の現象を解く量子論が発展。
無数にある現実の可能性を計算結果で表すコンピュータにつながった
ドイツの物理学者マックス・プランクが発見。光は極小の粒子「量子」でできている。ならば光とは無限に連なる粒子の流れなのか。
イギリスの物理学者トーマス・ヤングの「二重スリット干渉実験」で判明、光は波の性質を持つ。粒子説と矛盾するのでは?
たくさん光(エネルギー)を当てれば電子はたくさん飛び出すのか?エネルギーが量子の性質を持つならば、そうならない。
アインシュタインが発見。光は波と粒子 (光量子)の性質をあわせ持つ。光子一つの弱い光でも電子が飛び出すことを説明。
光が粒子の性質を持つならば、電子のような粒子が波の性質をもっているとも考えられる。フランスのルイ・ド・ブロイが提唱。
電子は無限に光を出し続ける?全ての負のエネルギー状態には完全に電子が詰まり、それ以上エネルギー準位が落ちないとディラックは説明。
ミクロな量子の集合体である猫も量子と同じ性質を持つのか?という批判的問いかけから、実際に重ね合わせ状態を作り出す実験が可能に。
原子核を構成する陽子と中性子など、これ以上分解できない最小の単位、「素粒子」間の相互作用を説明するシンプルな図式で表した。
数学者ピーター・ショアは、大きな数の素因数分解を「すべての約数の候補を表した量子的な波」で表現。素早く解く方法を考案した。
量子コンピュータの基礎理論を作ったデイヴィッド・ドイッチュは「宇宙を互いに分岐する無数の並行世界の一つにすぎない」と考えた。
複数の状態を一度に持つ量子の性質を利用して、量子ビットの数だけ計算を一度に行い、正解だけを浮かび上がらせる。
0か1のどちらかの状態を取る
0か1か、どちらかの状態を取るのではなく、量子コンピュータでは0の状態と1の状態を、同時にとることができる。
1個の量子ビットは1と0、両方の状態を同時にとることができる。この重ね合わせパターンは量子ビットの数が増えるとべき乗で増えていく。
1個の光子から生じた双子の光子のうち1個を観測して自転の方向が決まると、もう一方は離れていてもその瞬間に反対向きの自転に決まる。
1個の量子ビットには2つの状態を重ね合わさり、4量子ビットの1回の計算で古典コンピュータ16回分の計算ができる。出力の重ね合わせ具合を調整すると、正解の演算結果が浮かび上がる。
光子1個を量子ビットとして、光子の縦向き、横向きの振動で0と1を表現する。光子発生機を作りやすいメリットがあるが、量子ビットを増やすことが難しい。
プラスまたはマイナスの電気を持つ原子、イオンを真空容器の中で電気の力で浮かべる。電子が2つの軌道のどちらにいるかで0と1を表す。
金属を極低温に冷やして電気抵抗がゼロになる超伝導状態を作り出し、自由に動き回れるようになった電子を量子として利用する。
半導体チップ上に薄膜を重ね、その間に電子を閉じ込める。電子のスピンの向きで0と1を表す。
ミクロな世界の法則である量子の性質を、計算機の世界に応用する量子コンピュータ。 その発展によって、従来のコンピュータでは計算量が膨大すぎて解くことができなかった 生物の体を構成するタンパク質の性質を分子レベルで解明したり、化学反応の シミュレーションといった応用などが期待されています。量子コンピュータによって、 社会に役立つ物質を自在に設計できる未来が訪れるのでしょう。/p>
秋山 文野(あきやま あやの)
1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経て宇宙開発中心のフリーランスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano德間 貴志(とくま たかし)
株式会社ボウルグラフィックス(代表)。情報を整え、伝達・共有を円滑にするデザイン。思考の旅を案内する地図。可視化させるデータビジュアライズ。好奇心を刺激するインフォグラフィックス。著書に『世界の今がひとめでわかる図鑑』(エクスナレッジ)、『クリエイターのための3行レシピ 地図デザイン』(翔泳社)。JAGDA会員。
https://www.bowlgraphics.net/