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Science Report
サイエンス リポート

新型コロナに打ち勝つ半導体チップ

文/津田 建二
2021.07.07
新型コロナに打ち勝つ半導体チップ

新型コロナウイルスは、感染力が強く、しかも重症化しやすいという厄介な性質を持つウイルスである。しかしながら、飛沫が主たる感染媒体となることがわかっている。飛沫を防ぐために取るべき対策を徹底することが望ましいが、無意識にドアやノブに触ってしまうことがある。エレベーターのボタンを何気なく触ったばかりに感染することさえありうる。そのような「うっかり」を防ぐためには触らなくても済むようにしておくべきだろう。ここにテクノロジーが解決できる余地がある。

「触らなくて済む」テクノロジーは、センサーとその後の信号を処理するICや回路、アナログからデジタルに変換し演算するCPU、その結果を伝えるための通信など、全て半導体を使うことで実現できる。感染を防ぐための非接触で入力できるジェスチャー操作向けの半導体も登場している。物体に触れずにその物体を検出したり、機能を実現したりする技術も今後、期待される。

半導体は今や、新型コロナ対策でも見られるように、医療機器の診断や治療などにも使われるようになってきた。ここでは、まず新型コロナ対策で重要になってきた非接触テクノロジーの最新情報を中心に、半導体を利用した心電図や呼吸数の自動計測、ジェスチャー技術、仮想的な空中ディスプレイなど、どこにも触れない技術を紹介しよう。

コロナ時代こそ非接触技術

コロナを前提とした暮らし方、すなわちニューノーマル時代では、家から一歩外に出ると、どこにも触りたくない。そこら中に感染者が触ったかもしれない形跡があるからだ。だからどこにも触らずに自分の意思を伝えたい。そこで必要になるのが新しい非接触技術の登場である。ここで紹介したいのが、無線技術を使ったジェスチャー入力装置や人感センサーにより接触せずに意図を汲んでくれるデバイスである。

実はジェスチャー入力のアイデアは昔からあった。当時は、タブレットやパソコン、入力ボード、大画面ディスプレイなどにジェスチャーで入力する技術だった。画面上の2点ないし3点から赤外線などを照射しておき、しぐさを表現する指や手に当たる位置(X軸、Y軸の2次元位置)を検出して、表示されているアイコンやボタンを押すという仕草をする。しかし、コロナ以前は、なんでわざわざ非接触のジェスチャーを使うのか、というモチベーションに乏しかった。このため技術はそれほど発展しなかった。

しかし、コロナ時代を迎えた今、自分のパソコンやスマホなどのデバイスなら触れてもかまわないが、街にあるディスプレイボードやデジタルサイネージボードなどには触れたくない。エレベーターの行き先ボタンも押したくないし、ATMや自動券売機など不特定多数の人々が触る機械にも触りたくない。これらに触れることなく、ジェスチャーで入力できるテクノロジーがあれば感染の恐れは減少する。ただし、このようなジェスチャーを認識するためには、誤認識は許されない。

大きく変わるアンテナ

ここに新しい半導体用途が開けてくる。その一つの候補は60GHzレーダーの利用である。レーダーは電磁波を発射し、反射波を測定することで対象物までの距離や方向を測る装置だ。かつては、船舶や飛行機など全く見えない遠くにいる物体を探すのに使われていた。空港の管制塔や戦艦の上でぐるぐる回るアンテナを備えていたものがレーダーだ。しかし、最近は、飛行機にもレーダーが搭載されているものの、ぐるぐる回るアンテナを備えていない。実はアンテナは平面のものに変わったのだ(図1)。

平面アンテナ
[図1] 平面アンテナ
普通の白い箱に入っており、外からはアンテナに見えない
出典:NTTドコモのニュースリリース

従来のレーダーアンテナは周囲360度に渡ってスキャンするため物理的に回していたが、近年、多数の小さなアンテナをアレイ状に配置し、それら一つ一つを電子的にスキャンすることにより90度程度の角度を平面的にスキャンできるようになった。このアレイ状の平面アンテナを4方向に配置すれば周囲360度をカバーできるようになる。

平面アンテナは、防衛機器から平和利用の身近なデバイスまで、幅広く使われるようになりつつある。5Gでこれから普及するMIMO(多入力多出力)と呼ばれる平面アンテナがそれだ。空間的に送信電波を強めたり、受信感度を上げたりするのに使う。5Gの基地局では平面アンテナをビルの屋上や壁に取り付けることが多い。これからもっと身近なところに使われるようになる。

レーダー技術のメリット

レーダー技術は、どこに何があるのかわかる、というカメラに代わるイメージング技術が可能になる。しかもカメラや赤外線とは違い、壁で見えないような隣の部屋にいる人の動きさえ捉えることができる。電波は絶縁体を通すからだ。クルマに使えば、後部座席の毛布にくるまれた赤ちゃんなども検出できるため、降りる際に連れ忘れることがなくなるだろう。赤外線は厚い毛布の下を検出することはできないが、絶縁体を通す電波を使ったレーダーならできる。

さらにカメラと違い、鮮明には見えないため(図2)、プライバシーを守ることができる。例えば、男女の区別はつかないが、どうやら人のような動きをしているようだ、といった把握ができる。

レーダーによるイメージング
[図2]レーダーによるイメージング
左のカメラ画像に対して右のレーダーによる3次元マップで人をイメージング
撮影:津田建二(日清紡の2019年技術展示会にて)

レーダー技術の医療応用の先駆者

では、レーダー技術をどうやって医療に活かせるのか。その一つが、TELESCOPE magazine 024 Series Report「ニューノーマル時代のチャンスとなるテクノロジー」第3回で紹介した、アメリカMIT(マサチューセッツ工科大学)CSAIL(コンピュータ科学&AI研究所)のDina Katabi教授の研究である参考資料1

詳細は参考資料1を読んでいただくこととして、簡単に紹介するとKatabi教授が発明したデバイスは、Wi-Fiルータ程度の大きさで、ここから電波を発射する。レーダーからの電波が、ベッドに寝ている患者の胸と心臓の鼓動の動きを検出し、心拍数と呼吸数を表示する。この心電図と呼吸図のデータをセルラー回線などで病院に送る。コロナ患者の自宅にこのデバイスを設置すれば、病院に勤務する医師は、患者に全く触れることなく、患者の状態を正確に知ることができる。

レーダー技術を使うこの方法の最大のメリットは、患者のプライバシーが保てるということだ。カメラと違って、人をドット(点)やスケルトン(簡単な骨格表示)で表示できるため、男か女かもわからない状態で、患者の動きだけをリアルタイムで知ることができる。患者が例えばトイレにたどり着く時間が前日よりも遅くなったとすれば容態が悪くなったかもしれないし、患者が突然止まったら倒れたかもしれない。そのような異常を検出したら電話やメールなどで連絡を取ればよい。

加えて、患者への負担が全くない点も大きなメリットである。これまでの心電図や脳波測定など動きを測定する場合には、患者の身体に多数のセンサーをベタベタと張り付けて、さらに配線も多数引き回すことになり、患者はじっとしていなくてはならない。ミリ波電波を使い無線でモニターすると患者は自由に生活できる。

このデバイスは病院においても有効である。例えば病院内で患者がベッドから起き上がり歩き始めたが突然倒れて、ナースを呼ぶボタンを押すことなく時間が経過する場合がありうるが、レーダー技術で患者をモニターしておけば、患者が倒れていると認識でき、命を救うことができる。

MITの技術は数百GHzという高い周波数の電波を使うが、周波数帯域が広いため、人の姿を写真ほどではないが認識できる。スケルトン表示により手や足の動きを認識できるのだ。ただし、数百GHzという高い周波数の電波を創り出すことは技術的に難しく、また国によっては使用できない周波数帯である可能性もある。

60GHzレーダーは商用化レベルに

もっと現実的な60GHzの周波数で、なおかつ周波数帯域を最大7GHzまで広くした電波が日本で割り当てられる日が間もなく来る。日本では、2021年になって総務省が60GHz帯の利用に関してパブリックコメントを求めるようになってきた。これは割り当てられる日が近いことを示している。厳密にいえば、60GHzレーダーは、59GHz~66GHzという7GHzもの広い周波数帯域を利用することになる。62.5GHz±3.5GHzである。

60GHzレーダーはすでに半導体チップとして海外では一足先に入手可能になっており、Infineon Technologies(ドイツ)が3年ほど前から商品化に力を入れている。同社の技術は、一部の工業機器や民生機器でも使われているという。例えば、Google(アメリカ)のスマートフォン「Pixel 4」に搭載されているモーションセンスと呼ばれる機能を実現している。モーションセンスとは、スマホにタッチしなくても手を動かして機能を切り替えるジェスチャー入力機能である。Pixel 4では音楽を聴きながら曲をスキップしたり、再生や一時停止したり、着信音をミュートしたりなどの機能をジェスチャーでできる。このため、例えば料理している最中でも、スマホに触れずにレシピサイトを閲覧するといった操作ができるのだ。

Infineon Technologiesの最初の60GHzのチップは半導体技術としても一日の長がある。高周波になればなるほど、シリコンでは難しくGaAsやSiGeなどの化合物半導体が使われていた。同社も当初は化合物半導体を使っていたが、高価なため安価なシリコンCMOS技術で60GHzの発信機と受信機を設計できるように技術を磨いてきた。加えて、AiP(アンテナインパッケージ)と呼ばれる技術も搭載し、ICパッケージ上に受信用と送信用のアンテナ素子を設けている。60GHzの電波は波長が5mmしかないため、アンテナとして使うサイズである1/2波長が2.5mmになり、ICパッケージ上にアンテナを構成できる。

半導体と医療との関係は深くなる

MITのDina Katabi教授は、半導体ICのオリンピックと呼ばれるISSCC(国際半導体回路会議)で基調講演を行い、タッチレスのレーダーセンサーの話しだけではなく、レーダー電波のような非常に高い周波数の電波を扱う回路設計にAI(ニューラルネットワーク)を用いて、短期間で設計できるという話と、さらにカプセル型の内視鏡によるリアルタイムで臓器の様子を観察するための技術に関しても述べている。

従来のカプセル型の内視鏡は、飲み込んで胃や腸の写真を撮り、そのカプセルを排便することで取り出していた。いわば消化器系の臓器の写真を撮ることしかできなかった。しかし、カプセル内視鏡に電源を供給できるのなら、リアルタイムで消化器系の臓器の様子を確認できるのはもちろんのこと、他の臓器のそばまで近づけることができれば、消化器系以外の臓器も調べることが可能になる。そのためのカプセルの位置を検出する技術についても触れている。

エレクトロニクス、半導体技術はもはや医療機器には欠かせなくなってきた。例えば、離島や山岳地にある診療所でさえ、設備があれば遠隔地から外科医が手術を行うこともできるようになる。外科手術は医師のスキルに頼ることが多いため、手術の上手な医師が現地に赴かなくてもリモート手術ができるようになると、これまでは助からなかった命が助かるようになる。

ただし、リモート手術では、医師が直接患者に触れるのではなく、ロボットアームを通じて手術を行うことになる。そのためには5Gのようなレイテンシ(遅延)の少ない通信技術が欠かせない。医師の動かす手とロボットアームとの間で時間的な遅れがあったり、通信で送られてくる患者の画像に時間の遅れがあったりすれば、有能な医師といえども能力を発揮できない。現在の5Gではレイテンシがまだ数十ms以上もある。しかし、5G通信技術はこれから2030年に向けてどんどん進化していくため、レイテンシが1ms以下のいわゆるリアルタイム性が現実になれば、リモート手術は夢ではなくなる。

国内でも24GHzのレーダーでの観測

日本でも非接触で、配線やセンサーに縛られることなく人間の生体データを検出しようという技術をスタートアップが開発した。富山に本社を置くカレアコーポレーションは、富士通コンポーネントと共同で、24GHzの準ミリ波技術を使ったバイタルセンサー技術を共同開発した参考資料2

これは、先ほどのレーダー技術を利用する。心電計やウェアラブルデバイスと違って身体にセンサーをつけることなく、24GHzという準ミリ波レーダーを使うことで、心臓の心拍曲線を描き出し、脈拍信号を抽出する技術である。ただし、24GHzだとレーダーからの心臓の鼓動の反射波を信号として取り出すことは難しく、ノイズの中に信号が埋もれてしまうため、富山大学学術研究部光学系の廣林茂樹教授が開発したNHA(非調和解析)と呼ばれる技術を使って、ノイズの中から信号を取り出した。これまで信号をFFT(高速フーリエ変換)変換することで、ノイズに対して信号を強調する技術はあったが、このNHA技術はFFTの10万~100億倍もの解析精度があるとしている。

抽出した脈拍波形から波形のピーク間隔時間を解析することで、人間の眠気度と集中度、疲労度、ストレスと喜怒哀楽の変化を数値化して、メンタルヘルスの見える化を解析するとしている。富士通は24GHzレーダーボードを製作、波形の解析をカレアコーポレーションが受け持った。

赤外線利用のジェスチャー操作のディスプレイ

医療とは直接関係しないが、新型コロナを意識した非接触技術は、さらに普及しそうだ。富士通は、新型コロナの感染防止に向けた接触しないディスプレイ上でジェスチャー操作できる技術を開発、広島銀行、長野県信用組合とATMの実証実験を始めると発表した参考資料3

この技術は、レーダーではなく赤外線を使った非接触技術で、図3のように赤外線(IR)をディスプレイ面の片辺から向き合う辺に向けて発射、向き合う辺で発射されたIRを受信する。指が3次元の高さ方向に上下しIR面の上下を行き来すると指の高さ方向の動きを検出する。しかし、指がIR面を行き来しない場合は検出できない。

富士通の開発した赤外線利用のジェスチャー操作ディスプレイ
[図3] 富士通の開発した赤外線利用のジェスチャー操作ディスプレイ
出典:富士通

そこで富士通は、IR面(フレーム)を2面用いることで(図3の右の図)、行き来する指の上下操作を検出しやすくした。現在、実証実験を継続している。

仮想的な空中ディスプレイ

三菱電機はタッチパネルを物理的に触らず、空中に映し出された画像面に仮想的にタッチすると入力できるという、空中ディスプレイ技術を開発した参考資料4。何もない空中に映像を映し出すため、接触による汚染が全くない。新型コロナ時代の病院での検体検査システムのディスプレイや、病院の受付端末、ナースステーションといった医療関係者だけではなく、マンションなどの集合住宅の玄関でのインターフォンやATMなど不特定多数の人が触るような端末ディスプレイに向いている。

三菱電機が開発した仮想的な空中ディスプレイの原理
[図4]三菱電機が開発した仮想的な空中ディスプレイの原理
出典:三菱電機

この空中ディスプレイ技術は、図4に示すように、本物のディスプレイを箱の底に斜めに立てかけておき、箱の上面にあるガラス板(ビームスプリッター)にディスプレイからの光の一部は透過・屈折し、別の一部が反射し内部の再帰反射材に反射した後、ガラス板から出ていく光ビームによってディスプレイ画像が空中に表示される。この表示面に沿って赤外線やレーダーなどの測距センサーを置いておけば、どこにタッチしたかという位置を検出できる。

人の眼には空中にディスプレイ画面が浮き上がって見えるため、実際のディスプレイには全く接触しない。人は空中に指を置いているだけなのに、タッチしているかのように見せかけているのだ。三菱電機は2021年度に製品化を目指すとしている。

呼吸から出るCO2濃度センサー

いわゆる三密(密閉、密集、密接)を避けようというコロナ対策は、人が集まらない、人と人の間隔を2メートル以上開ける、部屋を閉め切らない、ことを示す言葉だが、人から人への目に見えにくい飛沫を防ぐことが最大の防御となる。人の息から出る飛沫が新型コロナ感染を広げる原因となっているためだ。

Bosch Sensortech(ドイツ)は、人の呼吸によって肺から出た息を検出するガスセンサーに、湿度と温度、さらに圧力までも測定するセンサーを加え、指に載る程度の大きさに集約したセンサーBME680を開発した。新型コロナの感染を直接測るものではないが、例えば人がたくさん入る室内で、空気の質が悪くなるとLEDランプなどで警告を発するようなシステムに使う。警告が出ると、窓を開けて換気をするように人々に促す。

また、このセンサーを大きな室内に複数個配置することで、空気の質の分布を作成でき、CO2の多い場所の換気を促す。またウェアラブルデバイスに装着して、個人が体験する空気の質をトラッキングすることも可能だとしている。

RF-IDカードや指紋認証

最近は、非接触な動作の装置が増えた。トイレの水を流す取っ手に触れずに水を流せるトイレでは、赤外線を使って人の手(体温を感じる)を検出する。また、マンションや住宅の鍵やカードをドアの読み取り部分にかざすとロックが解除される電子的な「カギ」も増えてきた。これは、スイカやパスモのようなRF-IDカードと同じ原理による。ドア側の読み取り装置から電波を発し、カード側でそれを受けて短時間の電源に変換、電子回路を動作させID情報を読み取り側のドアに送るというもの。予め登録しているIDとカードやキーからのIDが一致するとロックを解除する。

また、入退出管理では指紋を非接触で読み取る装置も出てきている。光学的にイメージセンサーで指紋を読み取り、予め登録しておいた指紋と一致すると認証するという装置で、ドアロックを解除する。

顔認証による入退出管理システムも開発されている。Apple(アメリカ)のiPhone Xで3次元画像による顔認証システムが開発され、顔を写真のような2次元画像で認識するのではなく、センサーに最も近い鼻から口や目、奥にある耳というように奥行きも考慮に入れた3次元の寸法で顔を認識する。これも予め届けた顔と一致するかどうかで認証するかどうかを判断する。

非接触技術はこれからマストに

音声認識も非接触技術といえる。入力ボタンに触れずに命令を入力できる。「OK、グーグル」や「ヘイ、シリ」という合図で、音声入力装置を動作させてから、「バラード音楽をかけて」といった入力すべき命令を話す。これまではAIスピーカーや自動車運転での操作に使われていたが、病院の臨床看護師が患者一人一人の身体状況や治療措置、症状の変化などの情報を音声入力で記録する、といった入力サービスも始まった。これまでの手書きで記録用紙に書き込み、その後パソコンに打ち直し保存するという作業が極めて楽になる。中国の病院にこのサービスを導入した結果、音声入力の識別率は92%以上だという参考資料5。百度(中国)らが開発した。

これまで開発されてきたレーダー技術や赤外線、RF-ID、音声入力など非接触技術は、新型コロナ時代ではますます強く求められるであろう。電車の切符の代わりを果たすRF-IDカードは、簡便で改札機を故障させずに済むという利点から大きく成長したが、これ以外の非接触技術は「なくてはならない」よりも、「あれば便利」程度であったため、それほど普及はしてこなかった。しかし、新型コロナ時代は「非接触」がマストになった。今後、非接触技術はさらに増えていくに違いない。

Writer

津田 建二(つだ けんじ)

国際技術ジャーナリスト、技術アナリスト。

現在、英文・和文のフリー技術ジャーナリスト。

30数年間、半導体産業を取材してきた経験を生かし、ブログ(newsandchips.com)や分析記事で半導体産業にさまざまな提案をしている。セミコンポータル(www.semiconportal.com)編集長を務めながら、マイナビニュースの連載「カーエレクトロニクス」のコラムニストとしても活躍。

半導体デバイスの開発等に従事後、日経マグロウヒル社(現在日経BP社)にて「日経エレクトロニクス」の記者に。その後、「日経マイクロデバイス」、英文誌「Nikkei Electronics Asia」、「Electronic Business Japan」、「Design News Japan」、「Semiconductor International日本版」を相次いで創刊。2007年6月にフリーランスの国際技術ジャーナリストとして独立。著書に「メガトレンド 半導体2014-2025」(日経BP社刊)、「知らなきゃヤバイ! 半導体、この成長産業を手放すな」、「欧州ファブレス半導体産業の真実」(共に日刊工業新聞社刊)、「グリーン半導体技術の最新動向と新ビジネス2011」(インプレス刊)などがある。

URL: http://newsandchips.com/

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