No.004 宇宙へ飛び立つ民間先端技術 ”民営化する宇宙開発”
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ペンシルに続き、ロケットは「ベビー」「K(カッパ)」と徐々に大型化。そして「L(ラムダ)」シリーズに至り、1970年、ついに「L-4S」ロケットが日本初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功。日本は旧ソ連、米国、フランスに次ぎ、世界で4番目の衛星打ち上げ国となった。これは4回の打ち上げ失敗を乗り越えての偉業であった。

本格的な衛星打ち上げに乗り出したのは、その直後の「M(ミュー)」シリーズになってからだ。第1世代の「M-4S」により、日本初の科学衛星「しんせい」の軌道投入に成功(1971年)。能力をさらに向上させた第4世代の「M-3SII」は、ハレー彗星に向けて「さきがけ」「すいせい」といった2機の探査機を打ち上げた(1985年)。

日本が開発した固体ロケットの図表
[図表2] 日本が開発した固体ロケット
Credit:JAXA
M-Vロケットの写真
[写真] M-Vロケット
Credit:JAXA

ペンシルからMシリーズまでのロケットは、全て固体の推進剤を使う「固体ロケット」である。ロケットにはこのほか、液体の推進剤を使う「液体ロケット」もあり、一般的に固体推進は小型ロケットに、液体推進は大型ロケットに適しているとされるが、全段固体のロケットで地球重力圏の脱出に成功したのは、M-3SIIが世界で初めてだった。

日本の固体ロケットの集大成として完成したのが第5世代の「M-V」ロケット。4号機での打ち上げ失敗はあったものの、火星探査機「のぞみ」(1998年)や小惑星探査機「はやぶさ」(2003年)を打ち上げるなど活躍、日本の宇宙科学の発展に貢献した。

M-Vは2006年に惜しまれながら廃止。現在は後継機として「イプシロン」ロケットの開発が進んでいるところであるが、これについてはサイエンティスト・インタビュー(JAXA森田教授)にまとめているので、そちらを参照して欲しい。

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