No.021 特集:デジタルテクノロジーが拓くエンターテインメント新時代

No.021

特集:デジタルテクノロジーが拓くエンターテインメント新時代

連載01

5Gの性能を左右する半導体とは何か?

Series Report

5Gモデムチップを米台中が開発

2019年7月、クアルコムは、モデムとミリ波回路をセットにした5Gソリューション(図3)を発表した。5Gのモデムは4Gの延長でOFDMアクセス方式を使ったうえで進化させることになるが、RF回路はこれまでとはがらりと異なるミリ波技術を使うことになるため、ミリ波技術を習得する企業が勝ち組となる。ミリ波ではアンテナの設計が大きく変わる。アンテナのサイズがミリメートル程度で済むようになるからだ。このため新しい5Gソリューションには、アンテナモジュールも含まれている(参考資料1)。

[図3]クアルコムのモデムからアンテナまでの5Gチップセット
出典:クアルコムのプレスリリース(2019/09/06)Qualcomm Drives 5G Paradigm Shift and Global 5G Enablement with Modem-RF System
クアルコムのモデムからアンテナまでの5Gチップセット

クアルコムのチップを解説する前に、5Gベースバンドモデムチップを簡単に紹介しよう。中国の華為科技(Huawei Technologies)の半導体専門子会社であるハイシリコン(HiSilicon)や台湾のメディアテック(MediaTek)、さらには韓国のサムスン(Samsung)も5Gモデムチップを開発している。しかし現在のところアンテナからRF回路まで商品化しているのはクアルコムだけである。

中国のハイシリコンは、2010年ごろからモデムの自社開発を行っている。このため、クアルコムとほぼ同時に5G向けモデム製品をリリースしてきた。同社はモデムを集積したアプリケーションプロセッサも製品化している。(参考資料2)。

台湾のメディアテックもアプリケーションプロセッサを発表している(参考資料3)。2G~5Gモデムに対応でき、最大ダウンリンク4.7Gbpsまでカバーする。ミリ波技術と送信パワーデバイスは2020年にリリースするという。

サムスンも自社開発のモデム(参考資料4)を持っており、サブ6GHzとミリ波に対応している。他社と同様、2G、3G、4G、5Gを包括的にカバーしている。

5Gのモデムチップで先行するクアルコムの製品は、ミリ波の仕様にも対応しており、いずれも周波数帯域800MHz、8つのキャリア周波数をカバーし、2×2MIMO(Multiple Input Multiple Output:マイモと呼ぶ)アンテナ*5に対応している。

[ 脚注 ]

*5
2×2MIMO(Multiple Input Multiple Output)アンテナ: 送信側と受信側で用いるアンテナの数。2×2は送信側2本と受信側2本用いる場合を指す。アンテナ数が多いほど通信品質が上がる。4Gの頃から使われている。
ナノテクミュージアムから最新情報をお届けします。FacebookFACEBOOK