No.022 特集:新たな宇宙探究の時代がやってきた:我々はどこから来て、どこへ向かうのか

No.022

特集:新たな宇宙探究の時代がやってきた。我々はどこから来て、どこへ向かうのか。

連載01

系外惑星、もうひとつの地球を探して

Series Report

地球外生命はいるのか

1995年から2019年までの間に4000個以上の系外惑星が発見されてきた(図6、7)。太陽系の所属している天の川銀河には2000億〜4000億個の恒星があると考えられている。そのすべてに惑星があるかどうかを確認することはできないが、これまでの観測結果をもとに統計的に考えていけば、この宇宙にあるほとんどの恒星の周りには、惑星があるといっても過言ではない。

[図6]これまで発見された系外惑星の数
出典:岡村定矩 http://astro-dic.jp/extrasolar-planet-2/
これまで発見された系外惑星の数
[図7]系外惑星探査機ケプラーが発見した系外惑星
ケプラーの稼働以前に発見された系外惑星(左)と系外惑星探査機ケプラー稼働以降に発見された系外惑星(右)。ケプラーが発見した系外惑星は黄色で示されている。ケプラーにより地球サイズの系外惑星もたくさん発見されるようになった。
©NASA
系外惑星探査機ケプラーが発見した系外惑星

この宇宙にたくさんの系外惑星が存在することがわかってきたことで、研究者の関心は地球外生命の存在へと移ってきている。ホット・ジュピターもエキセントリック・プラネットも、基本的に巨大ガス惑星であり、海も陸地もないため、基本的に生命は存在しないと考えられている。

この広い宇宙の中で生命の存在が確認されているのは、今のところ地球だけだ。地球外生命が、地球上の生命とよく似ている保証はどこにもない。しかし、地球以外で生命が発見されていない状況では、地球生命を手がかりにするより他に方法がない。現在、生命が誕生するためには、「有機物」、「液体の水」、「エネルギー」の3つの条件を満たす必要があると考えられている。

地球の生命の体は、たんぱく質を初めとする有機物でつくられている。最初の生物の原料がどこから来たのかは、未だに謎に包まれ、議論の的になっているものの、生命がつくられるには、有機物の存在が欠かせない。また、生命は、自身の体の中で化学反応を起こし、活動するためのエネルギーを取り出したり、自身の複製をつくったりして、生命を維持している。このしくみを保つために重要な役割をしているが、液体の水だ。水は様々なものを溶かすことで、様々な物質が出会い、反応するための場を提供している。

3つ目のエネルギーについては、生命が体内で生産しているように思う人もいるだろう。たしかに、生命は体内で化学反応をおこなうことで、必要なエネルギーをつくっている。しかし、そのもとをたどると、地球の地下のマグマや太陽から供給されている。現在、地球上にたくさんの生命が存在するのは、太陽から十分なエネルギーが供給されているからに他ならない。

これらの条件を総合すると、地球外生命が存在する可能性の高い系外惑星は、表面に液体の水が存在する岩石惑星ということになる。マイヨールとケローがペガスス座51番星bを発見した当初、ドップラー法では、岩石惑星を発見するのは難しいのではないかと考えられていた。なぜなら、岩石惑星は巨大ガス惑星に比べて、質量が極端に小さいために、主星のふらつきがわかりにくいからだ。

だが、ペガスス座51番星bが発見され、系外惑星が実際に存在することがわかったことで、多くの研究者が系外惑星探しに加わることで、激しい競争が起こった。すると、ライバルよりも少しでもいいデータを得ようと、観測装置の性能も上がっていく。技術的には大きな革新はなかったものの、受信機の温度が変化しないようにしっかりと温度管理をしたり、観測データを送るケーブルを光ファイバーに変えてノイズを少なくしたり、観測装置に使われている部品の精度を上げたりと、小さな工夫を積み重ねることで、観測装置全体の性能がだんだんと上がっていった。そして、マイヨールとケローが系外惑星を発見してから10年後の2005年には、地球の数倍程度の質量をもつ岩石惑星のスーパーアースが発見されるようになった(図8)。

[図8]2005年に発見された初のスーパーアース、グリーゼ876dのイメージ
©National Science Foundation、Trent Schindler
系外惑星探査機ケプラーが発見した系外惑星
Cross Talk

本間教授に聞く!史上初、ブラックホール撮像成功までの道程

本間教授に聞く!
史上初、ブラックホール撮像成功までの道程

前編 後編

Series Report

連載01

系外惑星、もうひとつの地球を探して

地球外知的生命体は存在するのか?

第1回 第2回 第3回

連載02

ブラックホール研究の先にある、超光速航法とタイムマシンの夢

過去や未来へ旅しよう!タイムマシンは実現できるか?

第1回 第2回 第3回

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