No.003 最先端テクノロジーがもたらす健康の未来
Topics
テクノロジー

神の手に医療技術はどこまで近づけるのか

最新ハイテク手術の進化を追う

  • 2012.10.12
  • 文/石井 英男

難易度の高い手術が得意な名医は、時に「ゴッドハンド」(神の手)などと呼ばれるが、最新の医療テクノロジーは、医師をアシストし、誰もが神の手になれることを目標に進化を続けている。これまで一部の名医以外には執刀不可能だった症例が、多くの医師の手によって手術可能になれば、それは病に苦しむ人にとって、夢の技術といえるだろう。ここでは、手術用ロボットや医療用ナビゲーションシステムなど、人の生命を救う最先端の医療技術とその動向について、解説する。

患者の負担を小さくできる手術ロボット「da Vinci」

手術をアシストするテクノロジーとしてまず紹介したいのが、ロボットである。そのロボットとは、人間の手よりも遙かにコンパクトなハンドを備えたロボットアームによって、患部の切開を最小限にとどめられることを特徴としている。医師が手で行うよりも、より低侵襲な手術が可能になり、患者の負担が小さいことが利点だ。

ロボットといっても自動的に動くわけではなく、医師がカメラの映像を見ながらリモートコントロールする。つまり、医師の腕の代わりをロボットが担うわけだ。そんな、手術ロボットの分野で世界に最も普及しているのが、「da Vinci」(ダ・ヴィンチ)である。ダ・ヴィンチは、1999年にアメリカのIntuitive Surgical社によって開発され、2006年には2世代目となる「da Vinci S」が、2009年には最新モデルの「da Vinci Si」が登場した。ダ・ヴィンチは、ロボット部と操作を行うコンソール部、助手用のモニターなどから構成されるシステムであり、ロボット部には、3本のアームと1本のカメラが装着されている。アームの先端には、鉗子やメスなどを取り付けることができ、医師は、ロボット部とケーブルで接続されたコンソールに座り、ディスプレイに映し出される3D画像を見ながらアームを操って、患部の切除や縫合などを行う。また、操作している医師以外のスタッフは、助手用のモニターを見ながら手術をサポートすることができる。

da Vinciの写真
[写真] ロボット部には、3本のアームと1本のカメラがあり、人間よりも複雑かつ精密な手術を実現する
コンソール部のモニター表示される3D映像と操作部のイメージの写真
[写真] コンソール部のモニター表示される3D映像と操作部のイメージ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Clip to Evernote

Copyright©2011- Tokyo Electron Limited, All Rights Reserved.