半導体用語集
か行
カーボンナノチューブ
- 読み方:
- カーボンナノチューブ
- フルスペル:
- Carbon Nanotube
カーボンナノチューブは炭素によってつくられたグラフェンシートが単層あるいは多層の同軸管状になった物質。1991年、日本の飯島澄男氏(当時NEC筑波研究所勤務)によって発見された。単層のものをシングルウォールナノチューブ(SWNT)、多層のものをマルチナノチューブ(MWNT)、二層の場合はダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれる。次世代の半導体素材として注目されている。
化合物半導体
- 読み方:
- かごうぶつはんどうたい
- フルスペル:
- Compound Semiconductor
2種類以上の元素の化合物で成る半導体のこと。ガリウムひ素(GaAs)、ガリウム・リン(GaP)、インジウム・リン(InP)、硫化カドミウム(CdS)などがある。携帯電話など高周波、高速デバイスに最適。
ガリウム砒素
- 読み方:
- ガリウムひそ
- フルスペル:
- Gallium Arsenide
- 別名:
- GaAs
III-V族化合物半導体の代表的な材料。シリコンに比べ結晶内の電子の動きが5〜6倍も速く、超高速・超高周波アナログデバイスに適している。GaAsFET、赤外LED、半導体レーザーなどが代表格。
ガリウム砒素IC
- 読み方:
- ガリウムひそアイシー
- フルスペル:
- Gallium Arsenide Integrated Circuit
- 別名:
- GaAs IC
半導体のGaAs(ガリウム砒素)を基板にしたIC。現在のLSIの主流であるSi(シリコン)ICと比べて、動作速度を上げられるとして登場した。携帯電話、高周波数帯の通信デバイスなどに多く用いられる。
巨大磁気抵抗効果
- 読み方:
- きょだいじきていこうこうか
- フルスペル:
- Giant Magnetoresistive Effect
1988年に発見された磁気抵抗効果の特殊事例。普通の金属の磁気抵抗効果は数%だが、1nm程度の強磁性薄膜(F膜)と非強磁性薄膜(NF層)を重ねた多層膜には数十%以上の磁気抵抗比を示すものがあり、この現象を巨大磁気抵抗効果と呼ぶ。代表的な応用例ではHDDのヘッドに利用されている。
キルビー特許
- 読み方:
- キルビーとっきょ
- フルスペル:
- Kilby Patent
集積回路の最も基本的な回路構成特許で、発明者であるジャック・キルビー(Jack Kilby)氏の名を取って、キルビー特許と呼ばる。キルビーは2000年にノーベル賞受賞。
グラフェン
- 読み方:
- グラフェン
- フルスペル:
- Graphene
1原子の厚さの炭素原子のシート。炭素原子とその結合からできた六角形格子構造でできている。炭素同素体のカーボンナノチューブやフラーレンの基本的な構造である。
クリーンルーム
- 読み方:
- クリーンルーム
- フルスペル:
- Clean Room
ICを製造するための清浄化された空間で、フィルターを通した清浄な空気を天井から床面に向けオールダウンフローで流し続ける。特に前工程用には高い清浄度が求められる。
ゲート
- 読み方:
- ゲート
- フルスペル:
- Gate
トランジスタにおいて、信号を通過させたり遮断したりする素子。一般に、ゲート長が短いほどトランジスタの性能は向上するため、以前は、ゲート長が半導体の世代を表す指標となっていた。
ゲートアレイ
- 読み方:
- ゲートアレイ
- フルスペル:
- Gate Array
最も歴史が古いセミカスタムIC。基本セルを並べ、配線の前までにあらかじめマスターウェーハを準備しておき、ユーザーの論理回路とタイミング・チャートを受け取ってからCADにより短期間に仕上げる。
コンデンサ
- 読み方:
- コンデンサ
- フルスペル:
- Condenser
2枚の金属板の間に誘電体となる絶縁体を挟んだ電子部品。電圧をかけると、その電圧に応じて電荷を蓄えるため、整流電流の平滑化やノイズ低減などに使われる。DRAM内では、1コンデンサに電荷がたまった状態が1、放電された状態が0と、記憶素子として使われる。また、直流電流をカットして交流電流だけを通すという性質を持つ。キャパシターともいう。
高出力赤色半導体レーザー
- 読み方:
- こうしゅつりょくせきしょくはんどうたいレーザー
- フルスペル:
- High Power Red Laser Diode
記録用DVDに用いられる赤色半導体レーザーダイオード(波長650nm)は100mW以上の高出力化が不可欠となる。2倍速用の100mWから現在16倍速用では250mW、さらに2層ディスク用は300mW以上となる。
高誘電体絶縁材料
- 読み方:
- こうゆうでんたいぜつえんざいりょう
- フルスペル:
- High-K Materials
ロジックのゲート絶縁膜や DRAM キャパシタ絶縁膜に使用することで、トランジスタ性能やキャパシタ容量を向上することが可能となる。
極薄ウェーハ
- 読み方:
- ごくうすウェーハ
- フルスペル:
- Ultra-Thin Wafer
最新のデジタル家電にはCSPやMCPが多用されているが、ウェーハの厚みを100μm以下まで削ることで実現している。最近では50μmの実用化に向けて開発が進んでいるがハンドリングが課題。
極薄半導体パッケージ基板
- 読み方:
- ごくうすはんどうたいパッケージきばん
- フルスペル:
- Ultra-Thin Substrate
リードフレームの代わりにチップを搭載するインターポーザー。携帯電話や薄型DSCには低背化のパッケージが必要だが、チップを薄くするだけでは実現せず、板厚はコア層で100μm以下が要求される。