JavaScriptが無効になっています。
このWebサイトの全ての機能を利用するためにはJavaScriptを有効にする必要があります。

半導体の原理 小さな半導体に結晶した、偉大な英知。

2進数とは?

3

デジタル方式の優位性

アナログとは、数値や情報を連続的な量として処理する方式。レコード、針時計、水銀寒暖計などの世界です。これに対して、与えられた数量やデータを離散数、つまり飛び飛びの値として処理する方式がデジタル。意外にも、日本人が古くから使ってきたソロバンは、デジタル式の手動計算機といえるものです。
このデジタル方式は、信号の減衰やノイズの影響に強く、また情報が劣化しにくいというのが長所。このため、音や映像など本来アナログ的なものも、現在ではほとんどデジタル方式で記録されています。そして、デジタルにする大きな理由がもうひとつ。 処理の手段である「論理演算」をする機械(コンピュータ)が、0か1かの値だけですべてを処理する仕組みになっているからなのです。

1と0の論理演算

コンピュータの世界では、計算のことを演算と呼びます。コンピュータにできる演算の種類には、加減乗除の四則演算の他にもいくつかあり、その中で最もコンピュータらしい演算が論理演算です。
論理演算の基本は、論理積(AND)、論理和(OR)、否定(NOT)の3つ。複雑な論理も、この3要素を組み合わせてつくることができます。雑誌などでよく見かける適性診断も、この応用例のひとつ。設問にハイとイイエで答えることを繰り返していくと、やがて自分の適性を発見できるという仕組みは、一種の論理演算なのです。ここでの設問は論理学では命題と呼ばれ、命題は判定によって真(ハイ)か偽(イイエ)のどちらかになります。コンピュータの中では、この真が1に、偽が0に対応しています。

2進法の必然と可能性

コンピュータが2進法を使っている大きな理由は、論理操作が数の四則演算のように数学のルールに置き換えられたことによります。この記号論理学はブール代数とも呼ばれ、アリストテレスを起源とする論理学を数学的な表現形式に定式化したもの。そこで使われる数字が0と1だけであることから、必然的にコンピュータも2進法を採用することとなったのです。
そして、コンピュータは論理演算をすることによって、単なる計算機という次元を超え、"考える機械"としての可能性を切り開きました。車が自動的にブレーキをかけたり、電子レンジがおいしい料理をつくってくれたりするのも、コンピュータが膨大な論理演算を高速で処理しているからなのです。