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半導体の原理 小さな半導体に結晶した、偉大な英知。

CMOSイメージセンサーとは?

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電子の眼のような半導体

CMOSイメージセンサーの原理が考案されたのは、1960年代後半。しかし、実用化されたのは、半導体微細化技術が高度化された'90年代以降のことです。現在、デジタルカメラや携帯電話などに搭載されているイメージセンサーの多くは、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーかCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー。
どちらも"電子の眼"に相当する半導体で、フォトダイオードを使用する点は共通ですが、製造プロセスと信号の読み出し方法が異なります。当初は感度・画質に優れたCCDイメージセンサーがメジャーでしたが、CMOSイメージセンサーのさまざまな改良によって、2004年には出荷個数で逆転しました。

CCDより高速伝送を実現

CCDイメージセンサーは、電極に順に電圧をかけてリレー式に電荷を転送し、最後に増幅する方式。つまり、各素子が保持する画素ごとの電荷をバケツリレー式に順次外部に取り出す方式です。
これに対してCMOSイメージセンサーは、各画素がひとつのフォトダイオードとCMOSトランジスタを使ったスイッチで構成され、1画素ごとに信号を増幅。さらに、格子状に並んだ各フォトダイオードにスイッチを取り付けた構造になっており、このスイッチを次々に切り替えて1画素ごとに直接読み出しを行うことで、高速転送を実現しています。また、単位セルごとに増幅器をもつことで、光変換された電気信号の読み出しによる電気ノイズの発生が抑えられるという特性も備えています。

安価・低消費電力・オンチップ化可能

CMOSイメージセンサーは汎用の半導体製造装置を流用できることから、CCDイメージセンサーよりも安価で製造できるというメリットがあります。また、高電圧アナログ回路をもつCCDイメージセンサーに比べて、CMOSイメージセンサーは素子が小さいため消費電力が小さく、原理的にスミア(明るい撮影条件下で生じる縦方向の光のスジ)やブルーミング(強い光によって画面が白く抜ける現象)が発生しないというメリットもあります。さらに、CMOSイメージセンサーは、ロジック回路を同一製造プロセスで組み込めるため、画像処理回路をオンチップ化して画像認識デバイス、人工視覚デバイスへの応用が研究され、一部は実用化されています。