東日本大震災以降、日本はエネルギー問題を真剣に考えるフェーズに入ってきました。環境にやさしく、地球が永遠に続く持続可能なエネルギーとは何でしょうか。太陽光発電は、いまだに政府の補助金がなければ成り立ちません。市場経済に参入できるレベルのテクノロジーになっていないのです。風力発電も少しずつ進んでいますが、普及率は低く、化石燃料を使うエネルギーがまだ85%にも及んでいるのが実情です。
しかし、そんな中で次のエネルギー候補として検討が進んでいるのが水素です。水素エネルギーは自動車の燃料としての用途のほかに、新しい電源の一つになる可能性を秘めています。また、被災地の東北が主導するエネルギー対策は、地震大国日本のこれからを示唆しています。インフラとしてのエネルギーではなく、IoTセンサを動かすような微小なエネルギーを支える、エネルギーハーベスティングも自然界のエネルギーを利用する電源となります。英国では電磁波のエネルギーを電源として利用する試みも行われています。
今回の特集では、改めて未来の日本のエネルギ—を担う、再生可能エネルギーの可能性を探ります。
- 電力システム再設計のススメ、震災復興で得た未来への気づき
- 東北大学大学院環境科学研究科長教授
東北復興次世代エネルギー研究開発機構代表
田路 和幸
- 植物の光合成を模して、社会を動かすエネルギーを得る
- 東京工業大学理学院化学系准教授
前田 和彦
- 身の回りの電波を電源にした
IoTセンサを商用化、スマートシティで実証中 - ドレイソンテクノロジーズ社
CEO
ポール・ドレイソン