技術開発ハイライト

VOL.2

EUVリソグラフィ ~次世代半導体微細加工を支える技術

EUV(Extreme Ultraviolet、極端紫外線)と呼ばれる13.5nmの非常に短い波長光を用いてリソグラフィをおこなうEUVパターニングの本格的量産に向けた勢いが加速しています。2018年から2020年にかけて、グローバル規模の最先端半導体メーカーによる、ラインアンドスペース加工やホール形成などのアプリケーションに向けたEUV技術の導入準備が進められています。
EUV がコンタクトやビア、微細配線などクリティカルな加工工程に導入されることによって、サイクルタイムを1ヵ月以上短縮できるくらいの生産性改善に関する試算があります。また、新たなテクノロジー導入のための開発期間を短縮できるという観点でも非常に有益です。

(図1) 化学増幅型レジストを用いた7nmノードのEUVパターン形成

東京エレクトロンは、7nm世代以降に向けた画期的なパターニング技術を開発し、2017年に複数の発表をおこないました(3)(4)。これらの最新技術によって、回路パターンが小さくなるのに伴い、より一層深刻な問題として顕著化してくるラフネス(表面粗さ)、局所的なCD均一性、ブリッジ/ライン開口マージンを改善しながらEUVレジストパターンを下層に転写することが可能になります。

(図2) 化学増幅型レジストを用いた5nmノードのEUVパターン形成

その代表的な例が、東京エレクトロン独自のDCS (direct current superposition technology, 図3)(1)(2)、およびQALE (quasi-atomic layer etching, 図4)です。これらの技術により、極めて薄く、プラズマ耐性の弱いEUVレジストを用いても、下層スタック構造への欠陥がないパターン転写を実現することが可能となりました。DCS技術を用いると、電子ビームによってレジストがキュアされ、表面は薄くコンフォーマルなシリコン層が保護されるために、レジストの強度が補強されます。また、QALEを用いることで、イオンとラジカルが独立して制御できるために、エッチングの対マスクの選択性が向上し、微細加工におけるプロセスウィンドウを拡張します。
さらに、最近、ALDとエッチング技術を融合したフュージョンプロセスの開発をおこないました。この技術は、次世代のパターニングに適用予定です。

(図3) 有機材料へのDirect Current Superposition効果

東京エレクトロンは、日本国内の主要開発製造拠点ならびにグローバルに設置した研究開発拠点を通じて、最先端技術をすばやくとらえ、世界をリードする半導体メーカーと密接な研究開発を行っています。更に世界的なコンソーシアムや開発パートナーと連携しながら、次世代EUV露光プロセスの実用化に向けたさまざまな技術課題に対し、ブレイクスルーをおこすための技術をこれからも探究し続けます。
(Angélique Raley, TEL Technology Center, America)

(図4) quasi-ALE工程

●References: 引用・参考文献

[1] EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement
Kazuki Narishige, Takayuki Katsunuma, Masanobu Honda, Koichi Yatsuda Etch Process Engineering Dept., Tokyo Electron Miyagi Limited (Proc. of SPIE Vol. 8328 83280N-1)

[2] Dielectric Etch challenges and evolution, Masanobu Honda, H.Mochiki (AVS 2014)

[3] Overcoming Etch Challenges Related to EUV Based Patterning
Andrew Metz et al. (Proc. SPIE 10149, Advanced Etch Technology for Nanopatterning VI, 1014906 (27 April 2017); doi: 10.1117/12.2258153)

[4] Plasma Etch Considerations for EUV Quad-layer Patterning Stacks
Angélique Raley et al., (AVS, 2017)