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Meet TEL「開発の基本は、自分で考え、自分でやること」 加藤 寿

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「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という東京エレクトロン(以下:TEL)の考えのもと、世界中のTELグループでは多様な人材が活躍し、「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」というビジョンの実現を目指しています。Meet TELでは、グローバルに活躍するTELグループの社員をご紹介します。

TELグループにおける発明者表彰制度の中で最高峰の栄誉である「TEL Master Inventor」。この賞は、自身の発明活動や後進の育成を通じて知的財産創出活動に多大な貢献をしてきた社員に授与される。TEL Master Inventor 2024授与者が、開発への自身の思いを語る。

略歴

  • 加藤 寿

    大学で材料工学の博士号を取得。1987年にTELグループに入社。TEL初のセミバッチ式成膜装置NT333™ プロジェクトの共同リーダーとして、開発に従事。現在は東京エレクトロン テクノロジーソリューションズのシニアチーフエンジニアとして、NT333™の次世代要素技術・装置の提案・検証に従事する傍ら、若手技術者の育成にも注力している。現在までに国内外合わせ500件以上の特許を保持する発明者。

イノベーションを創出するために必要なこと

「発明者として日々開発に従事する立場として、イノベーションを創出するためには、まず開発経験や知識が必要です。私の場合も、約15年以上の開発経験や知識、技術があったことで、NT333™という新たなALD(原子層堆積)装置を実現することができました。私たちがやってきたように、若いエンジニアが実際に開発経験をしながら、技術、知識を習得することが重要だと思います。

後進の育成にも取り組んでいますが、課題は自分で考える力のあるエンジニアを育てることです。例えば、開発に必要な手法や技術について、自分で考えることができれば問題ないのですが、自分で考えて開発する機会が昔より少なくなってきていると感じます。そういった部分を補うために、私たちのようなシニアエンジニアの経験を活かして、若いエンジニアと一緒に考えながら、彼らが自分で考えた新たな技術を自分で確認して学べると良いのではと考えています。

開発に対する考え方も、一方向からではなく、いろいろな方向から考えることを習得できれば、自分で考えることができるようになるので、いろいろな開発経験を自分で体験することが、まさに生きた教育になると思います。今は、次の世代の人たちに開発の楽しさ、難しさを経験してもらいながら、自分でなんでもできるエンジニアを育てるのが夢です。」

「開発の基本」とは

「いつも夢と妄想ばかりですが、"自分で考え、自分でやる" が開発の基本だと思っています。今も自分でやりたいと思う情熱は、誰にも負けません。人と同じことをするのが嫌いですし、人が同じようなことをしていると、すぐにそれよりも先のことを創造して開発したくなります。

また、プロセスはこうするもんだ、ハ—ドはこうつくるもんだ、という固定概念にとらわれないで開発をすることが重要です。」

失敗から開発成功への道のり

開発に失敗はつきものです。私も、何回もやり直して、何年もかけて開発したものばかりです。失敗なしに成功する、というのはまずありません。良くなると思ってやった結果がNGでも、なぜそうなったのかを考えることです。もしも悪い結果になったら、ひょっとしたら、逆の方に条件を振ってみればよいのです。結果を見て終わるのではなく、結果から学んで、次の開発の方向性を判断するのです。失敗から学ばずに、そのまま失敗で終わってしまうのが本当の失敗です。

失敗した結果をよく考察し、原因を特定し、改善して成功を導き出し、さらにプラスアルファの結果も出す、これこそが開発の醍醐味だと思います。」

夢とチャレンジを

「私は、いつかは自分で新しいものをつくるんだという“夢”をもって、開発を続けてきました。そして、失敗も多々ありましたが、少なからず自分の“夢”を実現できました。これができましたのも、自分の力だけではなく、多くの開発関係者をはじめとする周囲の方々のご協力のおかげです。皆さんも、大きさに関係なく、仕事や遊びにも“夢” をもって、チャレンジしていただきたいです。自分で考え、自分でやって、新たに得られたものは、たとえ失敗であっても、今の自分を成長させ、次のチャレンジを良い方向に導いてくれるはずです。」


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