TOKYO ELECTRON LIMITED

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TELってどんな会社?
挑戦と成長 - 経営、開発、人事から見た “今の東京エレクトロン”

Culture

社会、産業の発展に欠かせない半導体。東京エレクトロン(以下:TEL)は、半導体製造装置メーカーとして、半導体の技術革新に貢献し、夢のある社会の実現を目指して挑戦を続けている。従業員は世界に約1万8,000名、売上は2兆4,000億円*に迫る今、TELはどこに強みがあるのか。経営戦略本部を率いる堂、コーポレートイノベーション本部を率いる瀬川、DE&I推進グループを率いる竹内が「TELってどんな会社?」をそれぞれの視点から語ってくれました。

プロフィール

  • 瀬川澄江

    1995年入社。総合研究所に配属。その後、技術開発センターや開発企画室、開発戦略部、開発企画推進部を経て、2022年より執行役員。現在はコーポレートイノベーション本部のディビジョンオフィサー。
  • 堂和寛

    1995年入社。液晶製造装置部やコーポレートマーケティング本部、経営戦略室を経て、2022年より執行役員。現在は、経営戦略本部ディビジョンオフィサー、サステナビリティ委員長、リスクマネジメント委員長、ブランド推進室室長を兼任。
  • 竹内かおり

    新卒で銀行に入行し、人事部のテクノロジー部門で人事システム全般を担当。その後、外資系コンサルティングファームおよび外資系IT企業にて、広くIT全般に関わる仕事に従事。ITと人事のバックグラウンドを活かして2017年に東京エレクトロンに入社。米国駐在を経てHR Business Partner、HR Technology、DE&I推進グループのリーダー。
  • 2025年3月時点

TELの成長のカギは「熱量」「多様な個」「サポーティブな循環」

今のTELについて教えてください。

まずは売上推移から見るTELの成長について紹介します。TELの売上は、この10年で非常に大きな伸びを見せています。2015年3月期の当時は6,000億円ほどでしたが、2025年3月期は2兆4,000億円を見込んでおり、実に4倍近い成長です。背景には、半導体市場の拡大が挙げられます。この10年でクラウド・エッジコンピューティング、IoT、Industry 4.0などの進展により、半導体市場が大きく拡大してきました。その規模は約3,000億米ドルから、昨年6,000億米ドルを超えました。加えて、AIや自動運転、AR/VRといった新たなアプリケーションの隆盛により、半導体市場は2030年には1兆米ドルを超えると見込まれています。76年かけてでき上がった現在の市場規模のおよそ倍の大きさに市場が成長すると見込まれているのが、今の業界におけるコンセンサスです。

ここで注目いただきたいのは、TELの成長が市場をアウトパフォームしている点です。われわれがビジネスをおこなう市場(通称、WFE:Wafer Fab Equipment)の成長が3.1倍なのに対して、TELの売上は約4倍の成長を実現しました。売上の拡大とともに、TELの利益も向上しています。TELがこの波を捉えられた勝因は、クライアントである世界の半導体メーカーにしっかりと寄り添い、半導体の技術革新に貢献してきたことです。半導体メーカーとともに、10年先を見据えた技術ロードマップを共創しながら開発を進め、成長を実現してきました。

WFE市場とTEL業績予想のグラフ。WFE市場はCY’14が32.7$BでCY’24が102.5$Bの3.1倍。Source : TechInsights Manufacturing Analysis Inc. (VLSI) 。TEL業績予想は、売上高はFY’15が6,131億円でFY’25が24,000億円の3.9倍。営業利益はFY’15が881億円でFY’25が6,800億円の7.7倍。*FY’25業績予想:2025年3月末。市場成長を大きくアウトパフォーム 。

堂さんと瀬川さんは1995年入社の同期とうかがっています。半導体市場やTELの成長を、肌身で感じてこられたのではないでしょうか?

入社当時のTELは海外でのダイレクトオペレーションを開始したり、カスタマーサティスファクションを取り入れたりして、今に続く礎を築いていた時期。まさに、自分たちの会社がグローバルに挑んでいくのだというムードが感じられました。

一方で、大きな変化を肌で感じるのは、この10年の方が強いです。2000年代の後半には「ソフトウエアが発展することで、ハードウエアは停滞するのではないか」という見方が出た時期もあったと思いますが、実際には、ハードもソフトも動かす半導体の価値が見直され、半導体市場は大きく拡大しました。TELも、市場の変化に対応していくために必要な投資をしっかりと実施し、結果を出すことで、市場の成長を上回る成長を実現してきました。本当に、この10年の変化は目覚ましいものだと感じています。そして、市場はさらなる拡大が見込まれており、TELも成長が求められています。半導体業界の発展や社会への貢献に対する意識をより高めながら、組織としても成長に向け、在り方をブラッシュアップしなければなりません。

瀬川

よく分かります。私たちが入社した1995年当時の売上は3,000億円ほどで、社員も少なく、みんな顔見知り、友達のような規模感でしたから(笑)。半導体の技術革新、市場の成長とともに、私たちの会社も目を見張るような進化を遂げてきましたよね。

堂さん(左)と瀬川さん(中央)は1995年入社の同期。TELを執行役員としてリードする仲間だ

TELの成長を牽引したのはどのような人材だったのでしょうか、また現在のTELにはどのような多様な人材がいるのでしょうか?

瀬川

入社当時、エンジニアとして働いていた山梨の開発現場には、真っ直ぐ仕事に取り組む人、自分の仕事が好きな人が本当に多かったですね。「やらされている」のではなく「好きでやっている」という感覚で働いている人ばかりだったように思います。

技術に真剣に向き合うTELの開発現場では、いつでも「一人のエンジニア」「一人のメンバー」として、プロジェクトに関わることが求められます。当たり前ですが、ジェンダーや国籍などで、線引きを受けるようなことはありません。それに、開発は一人の力ではできません。優れた製品は、いくつもの尖った個が集まり、自分の専門分野を活かして切磋琢磨することで生み出されます。目標をともにする仲間なので、互いにない知識や経験を惜しみなく与え合うし、議論もする。TELでは昔から、多様な個性をもった方が活躍してきました。

「他の業界よりも技術革新のサイクルタイムが短い半導体業界。こんなに面白い業界は他にないと思います」と瀬川さん

竹内

私はITと人事システムのコンサルタントとしてさまざまな企業を見てきましたし、TELは私が担当したお客さまの1社でしたから、外からもTELのそうした雰囲気は感じていました。各々がやりたい仕事が明確で、そこに向けて強い情熱をもっている。良いものをつくるためには、本気でぶつかり合うこともいとわない。そんな人材が多い印象でした。そのイメージは、入社してからも変わりません。

コンサルタントとして2年間、HRシステムの入れ替えプロジェクトに携わり、その縁でTELに入社した竹内さん

私たちが入社した1995年は、まだ規模も小さく、みんながむしゃらでした。海外でのダイレクトオペレーションを開始した時期でもあり、1990年代後半からは同期や工場の人たちがどんどん欧米に派遣され、活躍していきました。英語がそこまで得意じゃないメンバーでも、意欲さえあれば海外に挑むチャンスが与えられていたと感じます。私自身は国内担当の営業だったため、その波には乗れず、海外駐在の経験はないのですが(笑)。

瀬川

確かに海外との距離感はぐっと縮まっていきましたね。2000年代にはU.S.の開発拠点が本格稼動したこともあり、現地メンバーと一緒にオペレーションするプロジェクトも増えていきました。

竹内

私はTELに入社後に海外駐在を経験し、また人事としてTELのさまざまな海外拠点を回りましたが、どこに行っても、現地と本社が双方にリスペクトし合っているのを感じました。お客さまにより良いプロダクト、技術サービスを提供しようという気持ちがグローバルに共有されていて、それぞれに異なるバックグラウンドをもちながらも、真摯に働き、しかも国境を超えてサポーティブですよね。足を引っ張ったり、独占したりするというような人はもちろんおらず、みんなで手を取り合うことでスピード感を出す、そのサポーティブな循環が会社全体に良い雰囲気を生み出していると思います。

お客さまに喜んでもらえる技術を突き詰めていく、グローバルで闘っていくために、グローバルのメンバー全員で同じ目標に向けて、チーム力を高めていく必要があります。より多様なチームでしたが、同じ方向に向いていくための努力は、その頃からすでに強化されていたと思います。

やれることが山ほどあり、やりたいと思えばいくらでもできる場

今後のさらなる事業成長に向けて、TELの成長戦略をお聞かせください。

半導体市場は、2050年には5兆ドルに達すると見込まれています。その中でTELが目指すのは、業界ナンバーワンです。TELの柱となる製品の世界シェアは1位、2位を獲得していますが、それら既存プロダクトのシェアをさらに高めてしっかりと基盤を固めながら、今後の技術インフレクションに対応していきます。私たちのマーケットを拡大する可能性をもつ新しい装置を開発し、市場に投入していくことが重要です。実現に向け、瀬川さんたち開発チームとともに、技術戦略を構築して取り組んでいきます。

世界シェア

No.1は塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉、バッチ成膜。No.2は洗浄、プラズマエッチング、メタル成膜、プローバ。

瀬川

他の業界よりも技術革新のサイクルタイムが短い半導体業界において、エンジニアの技術に対する強い思い、エンジニアのモチベーションを高めることが大切だと思っています。目の前の開発を自分ごととして捉えているエンジニアは、何倍もの力を発揮します。だからこそ、エンジニアが自らの能力を思う存分活かし、どんどんチャレンジできる環境づくりが重要です。先日、社内の技術アワードを受賞した社員が「私もここに来るまでたくさんの失敗をしてきましたが、こうして技術開発を続けられており、アワードも受賞しました」という主旨のコメントをしていました。開発はもちろん成功を信じてするものですが、残念ながら百発百中ではない。それでも何かを得た経験に寛大な会社でありたいと思っています。

チャレンジできる機会をつくっていくために、適切に成長投資をおこなっていくことが大切ですね。そういうサポートは、私たちコーポレートの役割だと認識しています。

「私自身も常にチャレンジしてきましたし、これまでやらされたと思う仕事は1つもないです」と堂さん

瀬川

実際、私が開発の現場で働いていたときも、やってみたいことを反対された経験はありません。もちろん事業のマイルストーンに合わないという判断はありますが、チャレンジを推奨する空気は強い。TELが競合他社に比べて、特許保有件数や従業員比率における筆頭発明者の数が多いのも、誇るべき実績です。引き続き、技術が好きなエンジニアに「TELはやれることが山ほどあり、やりたいと思えばいくらでもできる、面白い場所だ」と思ってもらえるよう、私たちも努力をしていきます。

さらなる成長の実現に向けて、どのようなスキルをもった人材が必要とされますか?またどのようなことが現場で期待されていますか?

瀬川

昨今の半導体の製造プロセスでは、すでに従来とは違う技術が求められ始めています。例えばAIや環境などの新技術の製造技術への適用は、これまで業界内ではさほどハイライトされてきませんでした。でも、ここからの事業成長には、そうした専門性を取り込んでいくことが欠かせませんし、専門性をもつ人材が求められています。一言で「半導体製造装置」と言っても、工程によって必要な技術はまったく異なり、装置はさまざまな技術を結集してつくられるものです。だからこそ、あらゆる分野の技術やコラボレーションが必要になります。実際、食品メーカーで働いていた方が、ケミカルな分析技術を活かしたり、海の色の研究をしていた方が波長分解の技術を応用したり、中途入社の方のバックグラウンドや活躍の場は多種多様ですよ。本当にいろんな人がいて面白いです。

お客さまの機密情報も多いから、使われている技術の詳細がなかなか開示できないのですが……実際には非常に幅広い技術が求められていますよね。

瀬川

他業界のスタンダードを半導体分野に導入し、既存の技術と組み合わせて、新しいプロダクトを生み出していくアプローチは、求められているイノベーションの源泉です。また、他業界の人材だけでなく、私たちとは違う感覚でIT技術を捉えているような若い世代が増えるのも、同じように素晴らしいことですね。引き続き、技術も世代もジェンダーも多様化が進むことを期待していますし、TELはそれができるインクルーシブな会社だと思います。

竹内

中途入社いただく方々にはよく「グローバルで自由な会社だ」「失敗よりも挑戦しないことの方がリスクと捉えられる文化がある」という感想が聞かれますね。他業種から入ってきたメンバーにとっても、ちゃんと挑戦しやすい環境が整っているのだと思います。そして、創業時から受け継がれているのがフラットな文化です。いわゆる伝統的な堅い印象の日本企業とは異なり、役職に関わらず全員「さん」づけで呼び合ったり、どんな階層の社員でも気軽に経営層と話す機会があったり、そうしたフラットな文化からもTELのインクルーシブな空気感が表れているのではないでしょうか。また、多様な人材がどれだけ増えても「TEL Values」という共通の行動規範や価値観があるため、意識のすり合わせができると思います。

「誇り」「チャレンジ」「オーナーシップ」「チームワーク」「自覚」という5つのバリューですね。もしも、この5つの何かが欠けていると感じる場面があったら、社員の皆さんにはぜひ行動を起こしてほしいですね。バリューに則った行動を、TELはいつも尊重しています。

「TELは今、さらなる成長が求められており、多くの人が活躍できる環境があります」と堂さん

これからも多様な人材と、新たな一歩を踏み出していく

人事として、多様な人材の活躍を後押しするためにどのような取り組みをしていますか?

竹内

中途採用者の方は、すぐに現場に入って業務に取り組んでいただくケースが多く、ケアが行き届かないこともあります。それを見過ごさず、フォローする施策として、中途採用者向けの交流会を開催するなど、働きやすさを促進する取り組みが必要だと考えています。また、すべての人に共通することとして、成長には学びの機会を創出することも大切です。当社では、メンター制度を取り入れた取り組みなどを展開しています。例えば、女性エンジニアの人数が少ない韓国では、米国や日本の女性エンジニアとのメンター制度を導入しています。特定のリージョンで足りない人材も世界に目を向ければ活躍されている方がたくさんいます。そのような当社のグローバル人材を活用した取り組みを拡大していく予定です。現場の声を聞きながら、引き続き必要な取り組みを考えていきたいですね。

TELを起点に異業種からもこの業界で活躍する人を増やしていきたいですね、と瀬川さん、竹内さん

最後に、半導体の技術革新によってどのような世界を実現させていきたいかをお聞かせください。

瀬川

私たちの世代は、半導体の技術の進化によって利便性や快適性が増すことを肌で感じながら生きてきた世代です。だからこそ、技術が世の中を良くするのだという確信をもって、エンジニアになりました。さまざまな技術が成熟してきた現代は、新たな共通目標としてデジタルの力で「グリーンな社会(地球に優しい社会)」を実現することが求められています。グリーン化という視点でみれば、現在の製造技術はまだまだ進化が求められています。半導体の活用の裾野が広がっているからこそ、より高速、より大容量、より高い信頼性に加え、低消費電力に向けた進化、地球に優しい半導体の製造を実現していくことが必要です。

TELの良いところは、そのような技術革新にどん欲なエンジニアがたくさんいること。先日、グリーン化の話をしたら、社内のあるエンジニアは「新しい課題があれば新しい開発ができる。今までにない軸に出会えてよかった」と言ってくれました。私たちは、TELのビジネスで、世の中がもっとよくなっていくことを本気で願っています。

おっしゃるとおりです。私たちがつくる技術やビジネスは、人の幸せや社会の持続的な成長につながっていかなければなりません。そのために、私たちが何をやっていくべきか、考え続け、挑戦し続けていきたいですね。

竹内

だからこそ、チャレンジできる人材にはどんどん入ってきていただきたいですね。TELはどんどんグローバルな会社になってきているため、手を挙げれば、これまで以上に多様なチャンスがつかめるはず。ぜひこの機会を活かしてほしいし、そうした人材が集った先に、私たちの目指す明るい未来があると思います。

瀬川

それから、こと当社について言うならば、私たちはTELが大好きだから……単純に、次の世代が「TELに入りたい」と思ってくれる会社であり続けたいです。

同感です。それぞれの立場からできることを、引き続き頑張っていきましょう!


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