Tokyo Electron SingaporeとNTU I&Eの産学連携イノベーションパートナーシップ
Culture

シンガポールのNanyang Technological University (以下: NTU)の「NTU Innovation and Entrepreneurship (I&E)」はイノベーションとアントレプレナーシップを推進するための産学連携の取り組みだ。Tokyo Electron Singapore (以下: TEL Singapore)は、NTU I&Eが主催する”Port63 Challenge”にメインパートナーとして参画している。TEL SingaporeのAugustine Teo (以下: Augustine)がイノベーション創出に向けたこの活動について取材に答えた。
本記事は、NTUのLinkedinページに掲載された記事を一部改変し、NTUの許諾を得て転載しています。
略歴
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Augustine TeoSales & Marketing Senior Vice President, Tokyo Electron Singapore
Tokyo Electron Singaporeにて営業戦略とデータサイエンスの取り組みをリードする一方、エンジニアリングや米シリコンバレーなどでの経験を活かし、人材育成やイノベーション推進にも力を注ぐ。
持続可能な未来に向けたイノベーション
Port63 Challengeは、学生イノベーターとパートナー企業をつなぎ、社会課題を解決するNTUのフラッグシップイノベーションコンペティションだ。この取り組みでは、起業家を目指す若者たちにメンターシップや資金などを提供し、有望なアイデアを実現可能なソリューションに導くためのサポートをおこなっている。現在、TEL SingaporeのSales & Marketing Senior Vice President で、NTUの卒業生でもあるAugustineは、Port63 Challengeの活動について次のように話す。
「Port63 Challengeは、若いイノベーターや起業家を輩出するためにアカデミアと産業をつなぎ、提案されたアイデアの核となる部分を、現実のニーズにより沿った提案となるようブラッシュアップしていくために不可欠な活動です。
TELは、主要な製品群で1位または2位のグローバルシェアをもつ半導体製造装置のリーディングカンパニーです。“Technology Enabling Life”というコーポレートメッセージのもと、最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献することを目指しています。TELが掲げる”デジタル x グリーン"な未来へのコミットメントにおいては、半導体の技術革新によってデジタル化と脱炭素化の両方を実現し、半導体の性能向上だけでなく、環境への負荷を減少させる持続可能なソリューションの創出にも力を入れています。また、私たちは研究開発(R&D)に毎年多くの投資をおこない、産業コンソーシアムやアカデミアとも提携して、開発から生産までの期間を短縮しています。
一方で、TELは TELベンチャーキャピタル というグループ会社を通じて、当社のビジョン「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」に合致する、将来性のある技術やスタートアップを積極的にリサーチしています。TELベンチャーキャピタルの投資先企業を、財政面と技術面からサポートし、グローバルに広がるTELのインフラと専門的な知見を役立てています。」

NTU I&Eとのパートナーシップ
「私たちは、シンガポールにおけるアントレプレナーシップとその機運をさらに盛り上げていくため、エキサイティングな取り組みを推進するNTUに感謝しています。このようなプラットフォームの存在は、若いイノベーターや起業家が、社会課題を特定し、ユニークな解決策を創造し提案するうえで、大きなモチベーションとなっています。産業界とアカデミアがともに新たな才能を発掘し、人材の育成に協力していくことで、将来に向けて国の成長を加速する手助けとなります。世界中から投資を呼び込み、シンガポール経済にさらなる活気をもたらすでしょう。
TEL Singaporeは、Port63 Challengeの入賞チームのアイデアやプロトタイプをさらに発展することができるよう、その支援として賞金を提供しています。シンガポールの若い人たちによるイノベーション創出を促進するため、学術的成果と産業界のニーズとの橋渡しを目指し、TEL Singaporeはこの取り組みに力を入れています。」
起業家へのアドバイス
「一見するとクリエイティブかつイノベーティブに思えるアイデアでも、産業界が本当に求めているような結果とは一致せず、早期の段階で消えてしまうことがよくあります。若い人たちには、産業界の既存の価値観に挑戦しつつ、実用的で社会的インパクトのある結果を生むことに注力しながら、両者の微妙なバランスを取ることを意識していただきたいです。」
Port63 Challenge 2025のFinal Pitch Dayの様子はこちら
