可能性を力に変えて— エンジニアからリーダーへの道
Priscilla Lim, Tokyo Electron Singapore
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製造業で働く女性の人数は、男性に比べて圧倒的に少なく、半導体業界も例外ではない。近年は、女性エンジニアの輩出と活躍を促進するため、産学連携も含めたさまざまな取り組みが世界的に広がっている。このようなグローバルな動きの中で、エンジニアとしてのキャリアを追求してきた女性の上級幹部の活躍も注目を集めるようになっている。Tokyo Electron Singapore(TEL Singapore)の営業部門でVice Presidentを務めるPriscilla Limも、理系キャリアを志向する女性たちにとって、ロールモデルの1人だ。Priscillaのこれまでのキャリアの歩みについて聞いた。
本記事は、 SSIA (Singapore Semiconductor Industry Association) Voice Magazine に掲載された記事を一部改変し、SSIAの許諾を得て転載しています。
略歴
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Priscilla Lim
Vice President, Sales Division
Tokyo Electron Singapore
2018年Tokyo Electron Singapore入社。シンガポール国立大学を卒業後、ハードウエアエンジニアとしてキャリアをスタートし、韓国や米国などを行き来しながら技術専門職としてのスキルを高める。
社会の常識に挑む — 男性中心だった半導体業界でのスタート
「半導体業界がまだ男性中心だった時代に、私は覚悟を決めて、キャリアをスタートさせました。シンガポール国立大学を卒業後、女性には肉体的にも厳しい職場環境に、ハードウェアエンジニアとして飛び込みました。
女性にとっての機会が限られていた時代でしたが、韓国や米国での海外勤務も積極的に経験し、技術力やグローバルな環境での就業経験を身につけ、プロセスエンジニアリングの分野でステップアップしていきました。純粋なエンジニアとしての枠を超え、営業にも挑戦し、顧客対応や市場開拓など、仕事の幅を広げることができました。」
チャレンジングな環境を乗り越え、ビジネスユニットマネージャーへ
「男性が多い業界での困難を乗り越え、私は東京エレクトロン(以下:TEL)のドライエッチング製品の営業や、シンガポールや東南アジアのお客さま向けのサポートを担当するビジネスユニットマネージャーに昇進しました。
キャリアの大きな節目は、主要なお客さまのアカウント営業とカスタマーサポート業務を任されたことです。シンガポールと本社の日本をつなぐチャレンジングな環境の中で、本社の製品グループ、シンガポールのカスタマーサポート部門をスムーズに連携させ、強い信頼関係を築きながら、ビジネスの成長を推進しました。」
TELの価値観を体現するリーダーシップ
「私自身のキャリアを通じて、TELグループの価値観であり、社員一人ひとりの心構えや行動規範を明示したTEL Values、すなわち『誇り、チャレンジ、オーナーシップ、チームワーク、自覚』というコアバリューを深く体現してきました。
これらの価値観は、私のリーダーシップスタイルを形づくり、組織内外で信頼と協力を得るのに役立っています。これらの価値が土台となって、困難を乗り越える力になっているのだと、ときどき振り返ることがあります。」
メンタリングと多様性推進に情熱を注ぐ
「2026年の国際女性デーのテーマである『Give to Gain(与えて得る)』に共鳴し、私は若手エンジニアや営業担当者の育成に、大きな喜びを感じています。彼女たちの成長を見ることで、リーダーシップとは、結果だけでなく、他者の可能性を引き出すことだと実感しています。
人材育成に投資することは、自分自身のみならず、未来のリーダーたちにも影響を広げていきます。多様性と包摂性を促進するDE&I活動を通じて社会に還元できることに、大きなモチベーションを感じています。強く多様なチームが創造性を刺激し、急速に変化する半導体業界を支える力になります。」
STEM分野を目指す女性へのエール
「半導体やSTEM分野でのキャリアを志す女性たちへ、私のアドバイスは明確です。
どんな経験も、自分の目的に向かう一歩として受け入れてください。
あなたならではの視点が、何よりの強みとなります。
忍耐強く、成長に対してオープンな気持ちでいれば、
その可能性をリーダーシップへと変えていけます。
国際女性デーを振り返り、改めて呼びかけたいと思います。
与えることで得られるものは、計り知れません。
私たちの業界の未来は、お互いを支え合うことが鍵となります。」