Made in 熊本の最先端技術を世界へ
東京エレクトロン九州 プロセス開発棟
Culture
2025年秋、東京エレクトロン九州の新しいプロセス開発棟が完成した。本開発棟は、より効率的な開発を実現することで、市場の拡大と技術ニーズの多様化に対応し、競争力をさらに強化していくことを目指している。働きやすさと業務効率性を追求して設計されたプロセス開発棟の内部をご紹介する。
プロセス開発棟建設の狙い
東京エレクトロン九州は、コータ/デベロッパ、洗浄装置、ウェーハボンダーなどの3次元実装装置を開発・製造している。東京エレクトロン九州が本社を置く合志事業所の既存棟は、複数のクリーンルームを備え、今日までの東京エレクトロン(以下:TEL)グループの事業拡大に大きく貢献してきた。一方で、竣工から25年ほどが経過し、キャパシティが手狭になりつつあった。
昨今のAIブームが急激に進む中、超高速・大容量・高信頼性・低消費電力を実現する半導体の需要が高まっている。半導体は、微細化に加えて、高集積化という2つの軸で技術革新が進展しており、今後も大きな成長が期待されている。
東京エレクトロン九州では、ボンダー(貼り合わせ装置)やレーザー加工装置など、半導体の3次元化に対応するための新たな装置をリリースしており、製品ラインアップは年々増えている。
こうした状況を踏まえ、今後予想される半導体市場の拡大に対応するため、プロセス開発棟の建設が計画された。
プロセス開発棟のポイント
1.Smart
プロセス開発棟の構造は、クリーンルーム内の柱の数を最小限に抑えた。柱による制約が解消されることで、装置開発にとって最適なレイアウトを組むことが可能だ。装置サイズの制約を受けにくく、柔軟な開発環境を実現したことで、開発効率の向上が期待できる。
2.Flexible
従来、クリーンルーム内に設置されていた装置の付帯設備を、階下にある補機室に設置したことで、クリーンルーム内のスペースが最大限活用できる。また、開発中に生じた急なレイアウト変更などにも、柔軟に対応が可能だ。
3.Efficient
プロセス開発棟は、業務効率化につながる設計にこだわった。特に、既存棟とプロセス開発棟をつなぐ渡り廊下は、通路をクリーンルーム用と一般通路に分け、クリーンスーツを着たまま移動できる。クリーンスーツの着脱の回数が減る分、従業員の負担も和らぐため、作業効率向上が期待できる。
4.Resilient
最新の免震構造を導入。万が一、地震が発生した際には最優先で安全を確保し、各設備を使い続けられる環境が整えられている。
5.Locally Rooted
事務所やオフィス空間には、地元熊本の木材を使用しているほか、阿蘇の山並みや地層をデザインに取り込み、熊本ローカライゼーションを体現した空間となっている。従業員の働きやすさはもちろん、知的生産性の向上も目指している。
阿蘇山の溶岩石もディスプレイの一部に
6.Creative
「共創」「競争」「協奏」など、さまざまな意味が込められ、”KYOSO(きょうそう)”と名付けられたスペースは、社内外のコラボレーションを加速し、創造性をスピーディーに具現化させることを目指してつくられた。壁一面に描かれた熊本の雄大な自然風景は、熊本大学の学生によって制作された。
このほかにも、パフォーマンスを最大限発揮するために、積極的に休息してエネルギーを補給できるリチャージルームなども設置されている。
Made in 熊本の最先端技術を世界へ
今後予想される市場のさらなる拡大と、技術ニーズの多様化に対応するためには、オンリーワンの革新的な技術を生み、競争力を強化し続ける必要がある。東京エレクトロン九州は、今後、TELグループの他の拠点とも一層連携を深めながら、熊本から世界に向けてMade in 熊本の最先端技術を発信していく。