コラボレーションで半導体スケーリングの課題に挑む
Dr. April Shuyan Zhang, Tokyo Electron America
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「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という東京エレクトロン(以下:TEL)の考えのもと、世界中のTELグループでは多様な人材が活躍し、「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」というビジョンの実現を目指している。
今回は、将来の半導体スケーリングに対応する計測技術を開発しているApril Shuyan Zhangに、イノベーションにおけるコラボレーションの重要性についてインタビューした。April は、2023年にTELに入社して以来、Tokyo Electron America(以下:TEL America)で高度なX線および光学イメージングシステムの開発を担当。現在は、主任システム設計技術者を務める。
略歴
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Dr. April Shuyan Zhang
2018年 ハーバード大学で応用物理学の博士号を取得。博士課程では、メタレンズ光学デバイスの設計と製作を研究。2023年、プリンシパル・システム設計エンジニアとしてTokyo Electron Americaに入社。現在はTELのエッチャーおよびボンダー(チップ・ウェーハ接合装置)向けの統合計測システムの開発に従事。Aprilは、30本以上の学術論文を発表し、多数の賞を受賞。TELでは2024年と2025年に、米国の社内技術交流会にて、それぞれ最優秀論文賞およびCollaboration賞、2024年TELグループ グローバルの技術交流会では、最優秀論文賞を受賞。さらに、IEEE Electronics Packaging Societyシリコンバレー支部の委員も務める。
*IEEE: Institute of Electrical and Electronics Engineersの略称。世界最大級の工学系専門団体(学会)
将来の半導体のスケーリングに対応する計測技術には、どのような使命がありまか?
「AIの発展に伴い、高密度配線を含む需要が増え、半導体市場の一部が急速に拡大しています。パッケージングの高度化に伴う要求が、3D積層パッケージングの成長を加速させています。
将来のCMOS*設計では、ロジックとメモリを3次元に積層するケースが増え、チップ同士を接合するボンディング技術が不可欠になります。そのため、従来よりも高精度な検査・計測ツールが求められます。内部を非破壊で検査できるX線イメージングは、こうした課題を解決する有力な手段の一つとして期待されています。
この加速するトレンドを踏まえ、TELは変化するニーズに対応する計測ソリューションを設計し、アドバンストパッケージングや3D Integrated Circuit(3DIC)分野での事業展開を拡大していきます。」
*CMOS: Complementary MOSFET(相補型MOS)の略称。半導体回路で使われる回路構成(技術)。待機時の消費電力が小さく、CPUやメモリなど多くのデジタルLSIで広く使われている
仕事のどんな点にやりがいを感じますか?
「仕事はとても楽しいです。その理由はいくつかあります。1つ目は、現在取り組んでいるイメージングのプロジェクトです。私の専門は光学と顕微鏡システム設計なので、今の仕事と一致していて嬉しいです。TELでより高度なシステムを開発するために、自分の専門知識を活用できて、やりがいを感じています。
2つ目は、同僚たちと協力しながら働くのが楽しいです。」
研究チームにはどのようなメンバーがいるのでしょうか?
「私たちのチームは、多様な専門知識をもつメンバーで構成されています。例えば、米国はX線と光学設計、日本は、お客さまに関する洞察やプロセスの知見を提供してくれています。
皆で協業することで、技術的に強固で、かつお客さまのニーズに合致したソリューションを実現しています。このようなシナジーは、TELが測定技術のリーダーとして独自の立ち位置を築く上で不可欠ですし、重要な要素です。」
アメリカと日本の研究チームは、どのように連携していますか?
「チームが大きくなり、地理的に分散するにつれて、調整はより複雑になります。米国の研究開発業務の整合性を維持し、米国チームと日本チームの認識統一を維持することは、継続的な課題です。
場所が離れているにも関わらず、米国チームとの隔週ミーティングや、日本の関係者とは四半期ごとのレビューをおこなうことで、強固なコミュニケーションを確立しています。定期的な知識共有や問題解決のセッションは、チームの方向性を一致させ、プロジェクトの勢いを維持するのに役立っています。私たちの研究チームは、効果的な地域横断型チームワークの優れた例だと思います。
日本とアメリカの各拠点の同僚たちと一緒に働くことは、素晴らしい経験です。異なるバックグラウンドをもつ同僚たちとの交流によって、貴重なフィードバックや見解を得ることができ、多くのことを学び、自分の能力や知識を広めることができます。このような素晴らしいチームの一員であることに心から感謝しています。」
コラボレーションを円滑にするために、大切なことは何ですか?
「円滑なコラボレーションは、各メンバーの独自の専門性を活かし、透明性のあるコミュニケーションを確保することにかかっています。米国と日本のチーム間で活動内容を明確に共有し、技術上およびビジネス面での目標を共有することが不可欠です。
強い協力関係には信頼、定期的なコミュニケーション、そしてお客さまのニーズに効果的に応えるという共通のコミットメントが必要です。明確な役割分担と、オープンなコミュニケーションが重要なポイントです。
チームで目標を共有することの意義は何でしょうか?
「現在、チームが直面している最大の課題は、最高の画像品質を達成するための実験条件を最適化することです。画期的なイノベーションは、単独では生まれにくいということを改めて感じています。
また、TELの文化やTEL独自のソリューションや戦略について、より深く理解することもできます。私たちはチームで協力して、このプロジェクトの成功を目指しています。TELが業界で成長する可能性は無限大だと信じています。オープンマインドで学びへの意欲を保ち続け、会社と共に成長し続けていく必要があります。」