2009年3月期 第2四半期決算 質疑応答集
今回が最大ではないか。単にITバブルがはじけたといったようなことではなく、業界再編をはじめとして抜本的な構造的な変化が起きるであろうことが予感される。 この変化を真摯にとらえて、当社自身も変革していくことが必要になろう。
DRAM顧客からの受注状況などから1年前にはすでにリセッションの到来を予見していたので、 昨年の12月から対策はとり始めていた。この9月をもって欧米オペレーションの縮小化は済んでいる。 7月からは、全社的な残業の抑制や夏休みを利用して工場稼働日の調整を行ってきている。R&Dは、 実はやりたいものを積み上げると相当な金額になるが、不要不急のものは先伸ばしすることにして630億円まで削った。 来期、今下期の環境が続けば、もう一段の引き締めが必要となろう。具体策は検討中であるが、拠点の統廃合などの効率化を進めることで、 人員削減は行わない前提で対処していきたい。
研究開発費だけで630億円になるので、販管費をそこまで落とすのは困難だ。 売上原価に関わる部分でコストを抑えていくことになる。
極力来期から効果が現れるようにしたいが、時間のかかるものもあるので、 基本的には2011年~2012年に来ると思われるピーク時に最大限の利益が出る体質を作っていくことになる。 今期できる対策は今期やるし、来期も継続するが、あまり急激にやると逆効果になるものは時間をかけてやる。
DRAMはコスト的に見ても50nmへの技術シフトが進まざるをえない状況であるため、早目に投資が再開される可能性が高いと見る。 NANDフラッシュメモリはしばらく厳しいが、SSD*搭載のPCが市場に出てくると力強い回復を見せるだろう。 液晶の減速は始まったばかりなので、かなり後になるのではないか。
*SSD: Solid State Driveの略。記憶媒体としてNANDフラッシュメモリを用いるドライブ。
今はこうでも、中期的には必ず市場は勢いを取り戻す。悲観ムードの中では何を言っても現実味がないだろうが、今後も新しい技術が出てきて半導体業界が伸びるチャンスはまだ十分にある。 毎回DRAMがクラッシュすると、いつもこれで終わりと言われてきたが、これまで全部復活してきた。
10-12月期は厳しい水準であろう。その後については見えにくいが、しばらくはSPEとFPD合わせて700億円~1,000億円の間を行ったり来たりするのではないか。 確たる根拠があるわけではなく、経験則であるが。
これまでは技術獲得を目的とするM&Aはやると言ってきたし、実際やってきた。このような厳しい環境になると、業界再編により顧客数も減少してくるだろう。 そうなると一つひとつのプロダクトに何社もの装置メーカーでは見合わなくなってくる。これまでのような「技術買い」にこだわらず、市場を買う、 時間を買うといったM&Aも対象になって来よう。いずれにしても具体的には申し上げられない。M&Aはあればあったで言えないし、なければないで言えない。
大規模なことは考えていない。支払い延期の要請などがあるが、銀行ではないので、できる範囲、リーズナブルな範囲でご要求にお応えしていくことになる。 経済有事の中で当社自身がダメージを受けないようやっていきたい。
時期の問題がポイントかと考える。今、微細化の進展が厳しいところにあり、この克服を優先すべきと考える。 そのため、当面は現行300mmにおける開発に集中していきたい。コストダウンも進めた上で、 450mmに進むというステップが装置メーカーにとっては望ましいと考えている。尚且つ、450mm投資が複数の顧客において実行されるということが重要である。 今はこのスタンスを崩していない。しかし、お客様の意向は大事にしたいので、真摯に対話を継続していきたい。
予定通り来年4月に着工する。宮城新工場のターゲットは2011~2012年。そのときに生産効率が最大になるようにしたい。マーケットが回復してくると生産で手一杯になり、 生産効率改善どころではなくなるので、忙しくないこういう時期にこそ体制整備を行うべきと考えている。