TOKYO ELECTRON LIMITED

投資家向け情報

2011年3月期 本決算 質疑応答集

2011年3月期について、売上が業績予想比でやや未達に終わった一方、利益率では上回った理由は?

前期に比べ、収益性の高いSPEの売上構成比率が高まった。また当社の前回業績ピークであった2008年3月期に比べても、コスト削減活動等によりSPEにおいて限界利益率が改善したことにより、収益性が向上した。

2011年3月期の当期純利益が税前利益に対して高く出ているようだが、その理由は?

実効税率は27%であった。税務上の繰越欠損金解消に伴う試験研究費税額控除分が72億円あったことが主な理由である。また、グループ内取引のたな卸資産の未実現利益消去に伴う税効果分が41億円あった。2012年3月期には実効税率35%前後の状態に戻ると予想している。

2011年3月期に東日本大震災関連の特別損失を11億円計上しているが、今年度はどうなりそうか?

2012年3月期については業績予想をまだ公表していないが、震災の影響による特別損失は発生しないと考えている。

東日本大震災の影響については? マイコンなどの部材調達については?

状況は刻々と変化している。影響はまだ精査中であるが、全体感としては深刻な状況ではないと考えている。当社は東北地区に3拠点を持っている。岩手県奥州市に熱処理成膜装置の工場、宮城県松島町にエッチャーの工場、仙台市に技術研究所があるが、設備そのものやクリーンルーム内の在庫は一部を除き大きな影響はなかった。電気、水等のインフラについてはすでに復旧しており、社員も出社している。調達の状況については、4月、5月については供給に問題がないことをサプライヤーと確認している。6月以降の状況については精査中であるが、復旧は予想より早いと感じている。マイコンについては、当社の装置にも使用されているが、危機的な状況ではないという認識である。またマイコンメーカーは当社の顧客でもあり、多くの装置を使用していただいているため、当社エンジニアが100人~200人体制で支援を行っている。

東日本大震災によって、今後何がどのように変わると考えるか?

サプライサイドについては、刻々と状況が変化しており、状況を注視していく。もう一方で、需要サイドだが、製造装置だけでなく材料も含めた半導体メーカーの設備復旧後の新規投資については、年間ベースでは大きく計画が変わるとは考えていないが、タイミングについては見極めていく必要がある。