2020年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答集
当社の米国の競合他社が決算発表において、二桁成長の見方を示したが、その見方に違和感はない。今年は大きな成長が期待できる。
NANDの方が在庫調整が進んでいるため、先に投資が回復する可能性が高いと見ているが、投資のタイミングは在庫水準だけでなく、顧客の生産キャパシティにも左右される。DRAMが先に回復する可能性もあると見ている。
現時点で、大きな懸念はないと考えている。
投資が年前半と後半でどちらが大きいかについては、当社の来期の業績予想に関わるため、回答を差し控えたい。5Gに向けて、最先端のアプリケーションプロセッサだけでなく周辺機器向け半導体の需要も増えており、中国顧客による14nm世代の投資を期待している。
伸び率について定量的には申し上げられないが、当社の見方も、競合他社と大きくは変わらない。今年は、ロジックファウンドリにおいては14nm世代の投資が期待できる。メモリでは、昨年までは開発投資が主であったが、今年からは能力増強が始まり、投資の増加が期待できる。
SPEに比べFPD顧客の投資は振れ幅が大きいが、今後、有機ELディスプレイの需要は拡がると考えている。その需要に対して、当社は付加価値の高い製品を提供していく。現在、多くの顧客が当社のインクジェット描画装置を評価中であり、将来に期待している。
業績予想で示している通り、上期より下期の方が売上が大きくなると見込んでいた。売上は顧客の投資計画に依るので平準化は難しい。一方、当社工場においては、サプライチェーンを充実させ、需要が変化しても生産を平準化している。
今期業績への影響は軽微であると考えている。
FS事業は順調に推移しており、通期売上予想に対してQ3累計で79%の進捗。売上予想を上回るかはまだわからないが、期待したい。現時点でインストールベースは7万台以上ある。FS事業の成長ペースは、顧客工場の稼動率が一定とすると、年間の納入台数に比例する。
ファウンドリ、ロジックの順で前回予想時より増えている。DRAMの減少は、顧客の生産調整の進捗が遅れたことが背景だと見ている。
大きな競争環境の変化はない。新財務モデルでは想定WFE市場規模と財務モデルの紐づけはしていないが、売上高2兆円、営業利益率30%、ROE30%以上のシナリオでは、650億~700億ドルのWFE市場を想定している。付加価値の高い新製品の開発やPOR*2の獲得には時間がかかり、5年以内の達成を目指して取り組んでいる。
将来の成長を考えると、良いタイミングで自己株式の取得の決定ができたと評価している。今後の自己株式の取得については、従前と変わらず、機動的に、適切なタイミング、適切な規模で実行を検討する。中期経営計画でROE30%以上をコミットしているため、適切にバランスシートマネジメントをおこなっていく。ただし、手元資金の使途としては、研究開発費、設備投資などの成長投資を優先させたい。中長期的な株主価値の向上につながるのであれば、M&Aも検討する。
新機種とは、搭載チャンバー数を増やした生産性の高い装置と、中温SPM(硫酸過水混合液)処理装置。 これらの新機種やベベル洗浄装置の展開が、特に中国市場で進んでおり、将来の市場シェア向上に寄与するだろう。
各顧客の3D NANDの構造にもよるが、エッチングレートやエッチング性能において良い結果が出てきており、12x層の次の技術世代でのPOR獲得を目指している。
当社は、リソグラフィ、エッチング、成膜、洗浄という、パターニングにおいて連続しておこなわれるキープロセスの装置をすべて取り揃えている。また、顧客との長年の取引実績があり、納入済み装置を活用できることから、顧客と複数世代の技術ロードマップを共有している。これらの強みは、技術世代が進むにつれてさらに生かせるだろう。
CY2018の半導体デバイス市場が4,688億ドルであったのに対し、WFE市場はその12%の規模であった。CY2030にはデバイス市場が1兆ドルに達するとみられており、それに伴ってWFE市場も大きく成長するだろう。その分、研究開発費は増加すると思うが、売上も増加が期待できるため、負担になるとは考えていない。
EUVの採用が進んでもエッチングの工程数は減らないと考えている。EUVは、当社の装置にとってポジティブ。
EUV向けコータ/デベロッパでは、さらに高い制御性が求められ、付加価値が向上する。また、EUVの普及は、コータ/デベロッパのみならず、その他の装置への設備投資のきっかけにもなるだろう。
WFE (Wafer fab equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む
POR (Process of record):顧客の半導体製造プロセスにおける装置採用の認定
本内容は、質疑応答のサマリーです。