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投資家向け情報

2022年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答集

CY2021のWFE*1市場の見通しについて、ロジック/ファウンドリ投資の前年比成長率を45%から60%に引き上げた。増加分は主に成熟世代向けの投資か?また、CY2022のロジック/ファウンドリ投資の先端世代、成熟世代の比率を教えてほしい。

増加分については、先端世代と成熟世代で凡そ半々。CY2022の比率については定量的な回答は差し控えたい。

CY2022のWFE市場の見通しについて教えてほしい。

前年比プラス成長とみている。定量的な回答は差し控えるが、すべてのアプリケーションで前年比増加を期待している。DRAMにおいてはDDR5の普及、NANDにおいては170層世代への移行が投資を牽引すると考えている。また、ロジック/ファウンドリについては、新CPUリリースやデータセンター、モバイルの需要増加に伴う投資の加速を期待。

CY2021のDRAM投資は高水準だが、その投資分が量産寄与することでCY2022のDRAM市場の需給バランスを悪化させる懸念はないか?

CY2022もDRAM市場は堅調に推移するとみている。現在、ロジック半導体の不足により最終製品の生産が滞り、DRAM需要が一部抑制されている模様。CY2022以降それが解消されることでDRAM需要の増加が期待できる。また、CY2022にはDDR5の量産が本格的に開始されるが、DDR5はオンチップECC*2が採用されることでチップサイズが大きくなる。ビット需要成長に対応するために必要なDRAM投資は増加している。

中長期的なWFE市場の見通しについて教えてほしい。

半導体市場は、CY2030にはCY2020比で倍以上になると予想されている。それを支えるWFE市場も大きな調整を伴わず、中長期的に右肩上がりで拡大していくと考えている。どの顧客も非常に大きな投資計画を立てており、強い引き合いが継続すると期待している。

半導体メーカーが各国政府から補助金を受けることで実需を超える設備投資を実行し、短期的に半導体の需給バランスが悪化する懸念はないか?

半導体メーカー各社は半導体市場を予測しながら、利益やキャッシュ・フローを重視した規律正しい投資を実行している。中長期的な需要を見越した健全な投資がなされていると考えている。
また、今後5、6年の間に、半導体において多くの技術革新が見込まれる。ロジックではGAA(Gate All Around)や裏面配線、DRAMでは3D DRAM、NANDではさらなる積層化など。半導体メーカーはこれらの技術革新を実現するため、市場を見極めながら投資を継続していくとみている。

過去を振り返ると、1998年には数年におよぶWFE市場の拡大の後、調整局面に入り、大量の受注キャンセルが発生した。現在、その懸念はないか?

そのような兆候は見られない。以前は、半導体の需要はPCやモバイルの需要と連動し、半導体市場はシクリカルに成長と調整を繰り返してきた。現在はデータ社会への移行に伴い、半導体の需要はデータ量に牽引されるようになった。今後、ICT、DXがさらに推進されることによりデータ量は爆発的に増加し、半導体の需要も益々増えていく。WFE市場も今後は、大きな調整を伴わず右肩上がりで成長していくと考えている。
また、前述の通り、以前に比べ顧客各社は半導体市場を予測しながら、より規律正しく投資をおこなっている。この点が過去とは異なり、WFE市場の継続的な成長の要因の一つであると考えている。

半導体不足がここまで大きな問題となった原因は何であると考えているか?また、いつ頃に解消されると想定しているか?

データ社会の移行により半導体の需要が高まっていた中、新型コロナウイルス感染症の拡大による生活様式の変化に伴い半導体の需要がさらに増した。それに応えるためCY2020により大きな半導体の設備投資が必要であったが、渡航制限や行動制限などの影響により産業界全体的に設備投資が減速した結果、半導体不足に陥った。IoT、AI、5Gの普及によりデータ量が増加しており、半導体の需要は益々増えている。半導体の不足は、しばらく続くと考えている。当社は、その解消に寄与するために努力していく。

CY2021のWFE市場の見通しについて、今回で3度目の引き上げになる。1年間でこのように見方が変わることはかつてないと思うが、その背景は?

半導体の需給バランスの正常化に向けて装置需要が高まっていることが要因。すべてのアプリケーションで投資が加速しており、期を追うごとに投資が純増している。

FY2022上期のSPE売上高が業績予想に対して約300億円上振れした要因は?

新規装置とフィールソリューションの両方が上振れに貢献。新規装置は、主にDRAM向けの売上が、フィールドソリューションは、主に改造売上が、それぞれ計画に対して超過した。

FY2022Q2の売上総利益率について、QoQで低下した背景、また業績予想比では上振れた背景を教えてほしい。また、FY2022下期の売上総利益率の予想を引き上げた要因は?

FY2022Q1は、顧客ミックスやアプリケーションミックスの影響により売上総利益率が高水準となった。その反動により、FY2022Q2はQoQで低下したが、想定していたよりミックスの影響がネガティブに働かなかったため、業績予想に対して上振れて着地した。
中期経営計画の達成に向けて、売上総利益率をさらに向上させる計画であり、確実に高利益体質になってきている。FY2022下期も売上総利益率を高い水準で維持する計画であり、下期の予想を引き上げた。

FY2022業績予想の上方修正に対して、部材調達のリスクは考慮されているか?

部材調達のリスクを勘案した上で業績予想を上方修正した。その達成に向けパートナー企業の協力のもとしっかり対応している。今後、高まる装置需要に対応して確実な部材調達を実現するため、サプライチェーンの強化など継続的に取り組んでいく。

TELは他社と比較して上手く部材調達ができている印象。どのような取り組みをしているのか?

部材調達については苦労しながらも、国内4拠点の各工場がそれぞれ半期毎に生産動向説明会を実施し、需要に対応できるようにパートナー企業としっかりコミュニケーションをとっている。また、パートナー企業の殆どが当社工場の近くに拠点を置く国内企業であることが、部材調達において海外競合他社に比べて有利に働いていると認識している。

WFE市場の成長に伴い、中長期的には部材調達はさらに厳しくなる可能性があるのではないか。3年から5年後を見据えたサプライチェーン強化の取り組みがあれば教えてほしい。

調達体制の強化に向けて佐々木(貞)取締役のもとコーポレート生産本部を発足させた。今後、調達金額が1兆円を超える事業環境においても強固なサプライチェーンを構築するための検討を開始している。

TELの業績のビジビリティは?

装置需要が高まる中、顧客からの受注のタイミングが早まっている。案件によっては、CY2022秋に納入する装置の内示を既に受けている。また、顧客のfab投資計画なども把握しており、2年先まで需要の予想も行っている。

現状の生産キャパシティで対応できる売上規模の上限はどの程度か?

直近の3、4年間で生産能力の増強を着実に行ってきた。宮城工場では物流棟を建設、生産ラインを増強。また、山梨工場、東北工場では生産棟を建設し、それぞれ、キャパシティを以前の1.5倍、2倍に拡張した。現状の生産キャパシティで売上高2兆円を超える規模まで対応可能。

装置の製造リードタイムは伸びていないか?

部材調達については伸びているが、顧客から早めに受注を取得するなどして製造リードタイムの維持を図っている。

新規装置の強い需要の反動により、フィールドソリューションの改造売上が抑制されていることはないか?また、新規装置の出荷が増えることで、今後フィールドソリューションの成長がさらに期待できるのではないか?

FY2022Q2は、改造がフィールドソリューションの売上の増加に大きく貢献した。新規装置の引き合いが強い中、新規装置では間に合わない場合に改造により対応するということもあり、改造の引き合いも強い。
現在、インストールベース(納入済み装置台数)は78,000台あり、年間4,000台のペースで増えている。パーツ、装置のアップグレード、移設、改造、リモートサービスなど、納入済み装置が新たな収益を生むフィールドソリューションは今後も安定的に成長していく。

WFE(Wafer fab equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む

ECC (Error correction code):データ破損を検出し訂正する機能

*本内容は、質疑応答のサマリーです。