TOKYO ELECTRON LIMITED

投資家向け情報

2012年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答集

7-9月期、10-12月期の受注見通しは?

半導体製造装置(SPE)は、7-9月期は前四半期比20%減。10-12月期は、現状では7-9月期から押し出された物件がそのまま10-12月期に乗っているため、高い数字になっている。下期予算編成時に精査する。フラットパネル・ディスプレイ製造装置/太陽電池製造装置(FPD/PVE)は、7-9月期は100億円程度、10-12月期は200億円程度を見込んでいる。

業績下方修正とのことだが、アプリケーション別地域別で売上が減少した地域は?

ロジックファンドリー、DRAMメーカーの投資が弱含んでいる。

第1四半期より第2四半期の売上が高くなるのに、なぜ利益率は大きく下がるのか?

四半期毎に利益率が安定していない。第2四半期は利益率の高いSPEの売上構成比が減少する。また、第1四半期よりも経費が多く発生する。

今回の業績下方修正において、売上の減少幅と比べ、利益率が大きく下がる理由は?

主に利益率の高いSPEの売上構成比が減少するため。また、研究開発費、設備投資など成長分野への投資を継続するため。限界利益率が低下しているなどの懸念はない。

6月末のSPE受注残高2,207億円から見ると、下期売上が少ないように見えるが、受注済物件のキャンセルがあるのか?

受注キャンセルは非常に少ない。下期売上予想は、10-12月期の受注、第4四半期の売上が見えづらい中でのBest Guessである。

販管費の上期と通期の計画は?

上期の販管費は750億円程度、下期の販管費はそれより若干減少する見込み。固定費削減については、市況を見ながら下期予算編成時に検討する。

6月末の在庫が1,830億円と増加しているが、今後の計画は?

第2四半期に売上が予定されている物件の在庫で増加している。今後は下期に向かって生産調整を行い、在庫は減る方向になる。

今年の半導体設備投資の見込みは?

暦年では前年比+5%程度を見込んでいる。会計年度では多少減少すると見込んでいる。

半導体メーカーの設備投資への投資マインドは、短期的には調整が終わったと見てよいのか?更に下振れリスクがあると考えた方がよいのか?

上方修正も下方修正もあり得ると考えている。マクロ経済によるところが大きいと思っている。

円高の影響は?特にウォン安について?

受注物件については為替ヘッジを行っているので、決算への影響は僅少であるが、過度に円高が進行すると価格競争力への圧力はあると考えている。より一層のコスト削減、海外調達比率の向上を積極的に行う必要性は感じているし、その号令もかかっている。ウォンと日本円の為替差による特別な圧力はない。韓国内のFPD市場においては、既に韓国競合メーカーの比率が高いので、当社にとって新たにかかる圧力は限られる。SPEビジネスは技術的な優位性があるので、為替の影響を直ぐに受けるものではない。

通期のフリーキャッシュフローの見込みは?

営業キャッシュフローは500億円以上のプラス、フリーキャッシュフローはプラス100億円弱を見込んでいる。

業績下方修正に伴う配当に対する考え方は?

株主還元に関する基本的な考え方に変更はなく、配当性向35%を適用していく。

自社株買いについてはどう考えるか?当期は減配になるが、機動的な自社株買いによるキャッシュアウトの可能性はないのか?

キャッシュの使い方については、常に考えている。当業界は高い成長率が見込める業界なので、まずは成長投資に使いたい。その一方で、配当と自社株買いを合わせた「総還元性向」のような考え方を、株主還元策として取り入れることも課題だと捉えている。自社株買いを否定するものではなく、外部環境等を見ながら常時検討していく。

業績下方修正となったが、CEOからのメッセージはあるか?

現在調整局面にあるが、必ず中長期では成長し続ける。上昇に転じるタイミングがいつになるかについては、年末にも好転する可能性もあり、それほど悲観的な見方はしていない。