TOKYO ELECTRON LIMITED

投資家向け情報

2012年3月期 本決算説明会 質疑応答集

2012年4-6月期の受注見通しは? また、アプリケーション別の傾向は?

SPEについては、4-6月期は1-3月期と同水準の1,000億円程度を見込む。アプリケーション別の傾向も1-3月期とほぼ同様の傾向になる。メモリー比率は依然2~3割程度である。FPD/PVについては、50~100億円程度を見込んでいる。

7-9月期以降のSPEの受注見通しは?また、アプリケーション別の傾向は?

4-6月期を底にそれ以降は徐々に増加し、下期には3割ほど増加すると見込んでいる。NANDに加えてロジックやファウンドリー顧客からの受注が期待できる。DRAMの回復は見込んでいない。

今期のSPE市場の牽引役は?

やはりスマートフォンが中心になる。LTE(次世代携帯電話向け高速データ通信規格)に対応したロジックの新製品や、NANDが投資の牽引役になる。

2013年3月期のセグメント別の利益の方向性についてお伺いしたい。2013年3月期の営業利益は2012年3月期比較で130億円ほど減少する予想になっているが、すべてFPD事業によるものと理解してよいか?

減益幅の大部分はFPD事業の赤字に起因する。

FPD事業再編の効果は今期どれぐらいあるか?

具体的な金額は申し上げられないが、人員等の一部のリソースは有機EL等の新規事業や3DI等のSPE成長分野に振り向けている。特に技術の差別化が図りづらいコータ/デベロッパについては、利益が出せる体制に整える。

M&Aの発表が2件続きましたが、改めてキャッシュマネージメントについての考え方をお伺いしたい。M&A資金の規模感、自社株買い、配当についての考え方など、中期的にどのようにマネージしていくのか?

以前よりお伝えしているように、成長を通じて株主様に還元することが最も重要だと考えている。技術革新が続く限り、成長投資を優先させたい。自社にない魅力的な技術が他社にあれば、国内・海外の分け隔てなく、常にM&Aを検討している。今回のNEXX Systems社とOerlikon Solar社の買収もそうした戦略の一環である。また、同様に自社株買い、配当などの株主還元についても常に検討している。当社の配当政策は2011年3月期期末配当より20%から35%に引き上げたが、今回創立50周年ということで年間20円の記念配当を上乗せさせて頂く予定である。今後もそういう機会があれば積極的な株主還元を行いたい。

NEXX Systems社の買収などウェーハレベル・パッケージング(WLP)市場に注力されているが、市場環境、御社の装置の優位性など競争環境についてもう少し詳しくお伺いしたい。

TSVエッチャーは2年ほど遅れているが、ボンダ・デボンダのビジネスが先行して伸びてきている。今期のWLP関連の売上は100億円以上を見込む。TSVが本格化する2年後には200~300億円の売上を期待している。

NEXX Systems社のメッキ装置について、競争環境、装置の優位性等についてお伺いしたい。

現在のシェアは20%未満である。生産性において競合より一歩抜き出ていると認識しているので、今後に期待している。

Oerlikon Solar社とNEXX Systems社の買収完了時期は?また、同2社の営業利益率はどれぐらいか?

各国での許認可申請の進捗状況にもよるが、NEXX Systemsは5月、Oerlikon Solarは、6~7月頃にクローズすると見込んでいる。Oerlikon Solarの黒字転換はすぐには難しく、またNEXX Systemsの利益貢献はまだ高くはないが、中長期的には当社全体の目標とする営業利益率に貢献すると思っている。

薄膜シリコン系太陽電池は結晶系太陽電池と比較して優位性があるのか?

メガソーラーなどの大規模発電において、圧倒的に安い製造コストを実現するという点ではOerlikon Solarの技術が世界一だと認識している。Oerlikon Solarが掲げている技術ロードマップを順調に達成すると近い将来にグリッドパリティに到達し、太陽電池市場が急速に拡大すると見込んでいる。今後はつくばでの研究開発も加速させ早期にビジネスに結び付けたい。