2017年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答集
4-6月期は受注前倒しがあり、現時点では7-9月期の受注は4-6月期より下がる見通し。通期業績予想については、ロジック微細化や3D NAND向けの売上時期の前倒しと後倒しが混在しているので、当初予想を据え置いた。
1-3月期は中国・東南アジアでの受注が多かったが、4-6月期は韓国で増えた。複数の顧客が意欲的に投資しており不揮発性メモリ全体として堅調である。装置別ではエッチング装置だけでなく成膜や洗浄装置も引き合いがある。
特定の顧客についてはコメントを控えるが、一般的な話としてサーバー需要は堅調である。
4-6月期はファウンドリと3D NAND向け受注の前倒しにより増加したので、7-9月期はこれらが減少するというのが現時点での見通し。
3D NAND投資やロジック新規投資を年後半から来年初めに期待したい。多少のボラティリティはあるが、WFE*1市場全体は堅調でありポジティブに捉えている。
上期業績予想では営業利益率14.8%であり、4-6月期は14.9%と想定通り。
FPD事業について、新しいPICP*2エッチング装置の売上が伸びていけば、セグメント利益率を向上できると考えている。SPE事業においては、パターニング向けなど付加価値の高い装置とソリューションの提案や、装置の製造原価を下げるなど、様々な努力をしているので、セグメント利益率は上がっていくと考えている。
中期経営計画の財務モデルでは、WFE市場$37Bのときに売上高9,000億円、営業利益率25%としており、4年以内に達成する計画である。これまで売上総利益率は向上してきたが、販管費をコントロールしながらさらに利益体質を強化する。
7月7日の中期経営計画説明会の時点から大きな変更はない。当社の強みである酸化膜エッチング装置では、HARC*4工程において生産性の高い装置でPOR獲得活動を進めており、顧客の評価過程の中でプロミッシングな結果が出ている。
6X層についてはこの7-9月期が重要な時期。9X層については来年を想定しており、POR獲得に注力している。
中長期の成長を目指すという観点で、常に経営戦略を考えている。成長市場に注力しており、STT-MRAM*5向け成膜装置や、有機ELパネル向けインクジェット描画装置など装置ラインアップを拡充している。また複数の技術を融合するべく横断的組織を構築したが、このような取り組みができる企業は限られており、当社の強みを最大限に活かしていく。
SEMIやガートナーは前年比プラス成長と予想しており、当社としても違和感はない。中国スマートフォンの高性能化、一台当たりの半導体搭載量の増加により、ロジックや3D NANDの需要は確実に増えると考えている。ただし、世界経済、金融経済、英国のEU離脱等の影響は注視していく必要はある。
3D NANDの需要は一層強まると考え、不揮発性メモリ投資が大きく増加するという見方は変わらない。2D NANDから3D NANDへの移行スピードは企業向けを中心に想定以上だが、メモリメーカーの装置評価の進捗次第で装置需要に多少の影響はあるだろう。SSD採用に伴い高速DRAM需要も出てくるので、顧客の投資だけではなく、データセンターのサーバー需要にも注視していく必要がある。
まだ見積もり段階で未確定な部分もある。
WFE(Wafer Fab Equipment):半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、チップごとに切断・組立・検査をする後工程がある。WFEは、前工程で使用される製造装置
PICP™:パネル基板上に極めて均一な高密度プラズマを生成するプラズマソース
POR(Process of Record):顧客の半導体製造プロセスにおける装置採用の認定
HARC(High Aspect Ratio Contact)工程:高度な加工技術を要する深穴形成工程
STT-MRAM (Spin Transfer Torque-Magnetoresistive Random Access Memory):低消費電力が期待できる磁気メモリ
本内容は、質疑応答のサマリーです。