2018年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答集
第3四半期の業績は想定通りで、サプライズはない。第4四半期の売上は非常に高く、計画通りになれば過去最高の四半期売上になるだろう。当社の売上計上は設置完了基準のため、第4四半期の売上予定のうち、第3四半期中に出荷済みのものが大半である。顧客のファブの受け入れ態勢に大きな問題がなければ、第4四半期の売上は達成できると見ている。
当社は、技術革新が期待され、かつ市場成長が見込めるエリアを中心に製品を取り揃えている。中でもエッチや成膜は、短期的だけでなく中長期的に装置市場規模と当社のシェアの両方が大きく伸びていく分野である。FY2019の業績については、市場成長を大きくアウトパフォームすると期待していただいてよいと考えている。
顧客が利益・キャッシュフローを生んでいる限りは大きな心配はしていない。顧客が寡占化しているのに加え、顧客は過去の経験を生かしてメモリ価格の動向を注視しているため、市場がクラッシュするような過剰投資は想定していない。NANDについては、寧ろ少し価格が下落して市場が広がった方が、当社にとっては追い風になると考えている。DRAMはプレゼンテーションでも申し上げた通り、昨今のモバイルの出荷台数の鈍化も織り込んだうえでCY2018は前年比30%成長すると見ている。
ロジック・ファウンドリについてもリスクは限定的だろう。先日台湾のファウンドリメーカーのトップが言及した設備投資見通しも、当社の見方と整合が取れている。その他には地政学リスクが挙げられるが、当社がコントロールできるものではない。
EUVが導入されると、限定的ではあるがパターニングの工程数が減る。しかし微細化にともなって増える工程もある。その二つの和で考えると、エッチング装置市場は拡大する。コータ/デベロッパについても、EUVの生産性向上に向けた追加機能などが求められており、市場が広がっていくだろう。
エッチング装置市場が最も伸びている。エッチング装置のシェアについては、昨年からお話ししている通り、DRAMにおいてシェアが向上しているのに加え、NANDにおいてもSlit工程のPOR*2を2顧客で獲得し、1社は量産開始済み、もう1社はFY2019の売上に貢献する。CY2017のシェアは、前年比数ポイント向上で着地したと見ている。
CY2019のWFE市場見通しはまだ精査していないが、中国顧客の投資規模が増加してくるのに加え、5G導入にともなった設備投資も始まっていく。顧客の投資計画によって微調整は多少ありながらも、WFE市場はCY2020に向けて右肩上がりで成長していくと考えている。
CY2018後半から5G導入に向けたインフラ投資が本格化し、データ通信量の増加にともなって膨大なサーバ需要が見込まれている。また、CY2017時点でサーバのわずか9%にしかSSDが搭載されておらず、今後もSSDのサーバへの採用が進むことでNANDは安定的な成長が見込めると考えている。
見方に変更はない。中国によるWFE設備投資は、CY2018は$9B、CY2019には$12Bとなるだろう。そのうち、中国地場の新しい半導体メーカーの投資額は、CY2018に$2B、CY2019に$3Bと見込んでいるが、装置の納入予定についても現時点では大きな変化はない。ただしアップサイドが出てくる可能性は充分にある。
今は需要に対してウェーハの供給が追い付いていない状態だが、ウェーハの供給不足によって技術革新が止まるということはなく、顧客の投資計画が大きく変わることもないだろう。
2年ほど前に2,500億円が必要手元資金の目安水準とお伝えしており、この水準は今も変わっていない。手元資金の使途についても考え方に変更はなく、M&Aは半導体製造装置・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置を中心とした成長への投資の選択肢のひとつとして捉えている。成長に向けた投資を行ったうえでの余剰資金の使途として、自社株買いは従来通り機動的に考慮している。条件をお話ししてしまうと「機動的」ではなくなってしまうので、コメントを差し控えたい。
WFE (Wafer fab equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む。
POR(Process of record):顧客の半導体製造プロセスにおける装置採用の認定
本内容は、質疑応答のサマリーです。