2019年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答集
CY2018のWFE*1市場の見通しを、4月は「前年比15%成長」と発表したのに対し今回「前年比10~15%増加」に変更した。これは、微細化・歩留まり改善の進捗が少し遅れていることを受けて顧客が投資計画を後ろ倒したことが背景。しかし需要が減退したわけではなく、中長期的にWFE市場が活況になるという見通しは4月から変わっていない。
なお、業績予想については必要に応じて変更すべきときはし、そうでないときはしないという考えであり、過去に第1四半期の決算発表時点で変更したこともある。半期ごとにしか精査をしないということではない。
すべてのアプリケーションでそれぞれ投資の前倒し、後ろ倒しがある。それらを踏まえたうえで業績予想を据え置いた。
グラフはWFE市場ではなく、当社の売上予想のアプリケーション別構成比を示している。従来から注力している3D NAND向けのエッチングや洗浄装置において成果が現れ始め、売上に寄与する予定である。
四半期ごとの売上予想は発表していないが、過去と比べて当期の傾向が大きく異なるということはないだろう。
四半期ごとの予想についてはコメントを控えさせていただきたい。
中期的な視点では、TFTアレイ工程*2向け製造装置市場はCY2018からCY2020にかけて堅調に推移すると見ている。その中でも高い付加価値を生み出せる分野に注力することで、営業利益率を20%まで向上できるよう取り組んでいる。
顧客の投資計画の後ろ倒しが大きく行われた場合を想定して下限を$56Bとした。今回の決算発表ではCY2018のみ精査して発表したため、CY2019については従来発表の数値のままで見直しを行っていない。
なお、顧客の投資計画の後ろ倒しの期間は、3ヶ月から半年程度である。そのほとんどは、最先端の微細化・層数増加における歩留まりなど技術的な進捗に起因しており、計画がなくなったということではない。
3D NANDとその他の不揮発メモリの構成比は4月時から変わっていない。
一部の顧客が設備投資計画の見直しを行った。
顧客の技術的な課題についてはお答えできる立場にないが、プロセスのチューニングなどであり、材料や構造を大きく見直さなければいけないというものではないと聞いている。現時点では3ヶ月から半年程度と考えている。
IoTを軸としたビッグデータ時代を迎える中、ハイパースケールデータセンターなどの需要が非常に強まっている。それに伴い、大容量、高速、高信頼性、低消費電力といった技術革新も求められている。これら最先端の技術要求に対応できる顧客の数は限られており、彼らは高い市場シェアを持っているため市場動向をよく理解している。需要動向を注視したうえで生産計画を立てているため、今後需給バランスが大きく変わる心配はあまりないと考えている。
今後のNAND投資の中心は、3D NANDの9X世代となる。新棟で投資を行う顧客もいれば、既存の生産ラインを9X世代へと転換する顧客もいる。
投資計画については、新興の中国の顧客はさておき、現在主要な半導体メーカーは基本的に利益、EPS、営業利益率を軸に計画を立てている。デバイス価格が急激に下落した際に、利益率やEPSを落とさないために投資のタイミングの調整を四半期程度行うことはあっても、ビッグデータ時代におけるデータセンタ市場の大きな伸びを考慮すると、当面はビット需要について心配する必要はなくなってきているのではないか。
具体的な話は控えさせていただくが、例えば歩留まりが想定より早く改善した場合投資を早めるということはある。また、IoTを背景に多様化する半導体需要に早く対応するためという場合もある。
他社の状況をきちんと把握しているわけではないが、一般的に米国企業は出荷に近いタイミングで売上を計上していると思われる。恐らく出荷量は月ごとに大きく変動しないため、売上も直線的に伸びていくのだろう。
一方、当社は装置の設置完了時に売上を計上しているため、顧客の工場の生産ラインごとにまとめて売上を計上するケースが多い。特定の週や月に売上が集中するため、四半期売上が上下に変動することがある。意図的なものではない。
WFE (Wafer fab equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む。
TFTアレイ工程:ディスプレイを駆動する電気回路機能を持つ基板を製造する工程
本内容は、質疑応答のサマリーです。