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投資家向け情報

2023年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答集

CY2022のWFE*1市場アプリ別の見通し、またCY2023、2024に向けた伸び率についても教えてほしい。競合他社にはCY2023はCY2022対比で-20%成長を予想しているところもあるが、CY2024に向けたTELの見通しは?CY2024のWFE市場規模はCY2022を上回る水準になるのか?

CY2022のアプリ別の投資の構成比はDRAM向けとNAND向けがそれぞれ20%弱、先端ロジック向けが30%強、それ以外が成熟世代向け。ロジック:メモリの比率についてはCY2023においては在庫調整により見通しにくいが、CY2024 は6:4くらいの現状の比率に近くなると想定している。
なお、CY2023の伸び率について、他社の見通しについて否定はしないが、当社としては年後半から回復基調になると見込んでおり、FY2023 Q3の決算説明会で、見通しをお伝えしたいと考えている。CY2024については、CY2022対比では明らかに市場規模は大きくなると考えている。

FY2023の後半からFY2024の前半にかけて、四半期ごとのSPE*2事業の売上の推移がどのタイミングで下げ止まるのか教えてほしい。CHIPS法により補助金を受ける半導体メーカーのファブに対して、装置メーカー各社がCY2024に装置を納入することになると思うが、それを加味するとFY2024 Q4くらいに業績が回復すると考えて良いのか?

売上が下げ止まる、あるいは、回復するタイミングについては、本日の時点では明言を控えたい。今回は、直近のメモリ顧客の投資延期、米国の中国への規制強化の影響を反映し業績予想を下方修正した。これらの影響は今後も注視していく必要がある。一方で、業界団体であるSEMIの発表によればCY2022からCY2025にかけて67の新工場・ラインが建設見込みであり、社会のデジタル化が進展している中で、当社は将来に向けた成長機会に目を向けている。足元で減速しているメモリ向け投資は、CY2023の後半から徐々に回復し、CY2024はビッグイヤーになると想定している。その好機を逃さないよう準備を整える必要がある。

以前、中長期だけではなく短期の利益向上も同時に志向すると言っていたが、今回通期の業績予想を下方修正している状況でも、研究開発費・設備投資の規模は維持するのか?

継続的な成長に向けては、Only One、Number Oneの装置を最適なタイミングで提供し続けることが重要であり、そのための成長投資は緩めない。付加価値の高い製品を創出し、成長投資以外の経費は状況に応じて調整することで、短・中・長期の利益を同時に志向することができると考えている。CY2023の後半から徐々に市場の回復を見込む中で、成長に向けての準備は来期からでは遅く、今からしっかり取り組んでいく。

サプライチェーンの混乱が完全に解消されていないと思うが、今後どのような備えをしていくのか?

当社は研究開発の段階からサプライヤーと協業している。そのため、当社工場と多くのサプライヤーの工場は近接しており、日々綿密に連携をしている。また、国内の4つの各工場で、半期に1度、「生産動向説明会」を開催して当社の生産計画をサプライヤーと共有している他、年末には事業戦略を説明している。これらの取り組みを通じて、強固なサプライチェーンネットワークを日本国内に構築している点が当社の強みだと思っている。

今回発表したFY2023通期売上高予想の2,500億円の下方修正に対し、営業利益が1,700億円と大幅な減額となっている。売上総利益の修正が大きいと思うが、この要因を教えてほしい。

FY2023下期に関しては、多少の部材高騰、それに加えて製品ミックスの影響もある。また、研究開発投資については減額をせずに引き続き力を入れており、その点も反映されている。

今回の業績下方修正に基づくTELのSPE部門売上高の成長率は+5%程度であり、WFEの成長率+10%を下回っているが、それについてどう考えているか?

当社の新規装置売上高については、FYベースでは約8%の増加となるものの、CYベースでは約20%の増加を見込んでおり、WFEの成長率を上回っている。

今期通年の業績予想で売上高を2,500億円下方修正しているが、この内訳を米国の対中規制強化の影響と市場の変調で分けるとすると、それぞれどのくらいの割合になるのか教えてほしい。

半々くらいの割合だと考えている。米国の対中規制強化の影響は今下期に特に影響があると感じている。その後は、引き続き非常に強い半導体の需要に牽引され、規制の影響は市場全体としては緩和されていくのではないかと考えている。

今回の通期売上の下方修正において、ロジック投資の弱含みは織り込まれているのか?

下方修正の主な要因は米国の対中規制強化とメモリ市場の調整。ロジックについても若干の調整はあるものの、また投資が増えるという話もある。ロジックで一番堅調な領域はパワーデバイス系。市場規模は先端向けロジックの方が大きい状況は不変。

過去12ヶ月間でキャッシュ・フローの伸びが営業利益の伸びに対して遅れているが、この理由は何か。またいつ頃改善される見通しか?

成長投資には継続的に資金を投下しており、確かに現時点では営業利益の伸びに対してキャッシュの創出が追い付いていないが、将来的にはその成長投資によりキャッシュ・フローの改善が期待できる。

先程、FY2024 Q2、Q3 にWFE市場が大きく成長するという話をされていたが、次の立ち上がりの時期はいつになると考えているか。また、その際の牽引役はEUVなのか?

Q2、Q3でWFE市場が大きく成長すると言ったのではなく、Q2以降に段階的に回復していくということを伝えたかった。その際の牽引役はNANDの300層、DRAMの1b、ロジックの2nmだと考えている。今後データトラフィックがCAGR 26%で成長していく中でメモリの在庫は減っていく。それに合わせて、メモリ向け投資は来年の中盤以降から徐々に回復し、CY2024はビッグイヤーになると思っている。回復の細かいタイミングについてはあまり重視していない。目の前のことに対して一喜一憂するのではなく、デジタル社会の大きな潮流をとらえ、そこに向けてしっかり準備していく。まだ混乱が続くサプライチェーン問題や、地政学リスクについても、しっかり備えていくことが大切だと考えている。CY2024の市場成長に向けて準備を加速していく。

米国の対中輸出規制の強化において、日本政府にも追随の要請が来ていると思うが、今開示できる範囲で、その影響額、TELの対応策などを教えてほしい。

地政学的な部分については、一企業としてコメントする立場にない、というのが当社の基本的なスタンスである。ただし、ひとつ言えるのは、米国の半導体製造装置メーカー(以下、米国企業)の穴埋めをするような受注は一切しない、と考えている。また、米国企業が装置を納入できない中で、半導体メーカーが投資・生産を継続するのは難しい状況であり、当該規制の対象となる当社の顧客の投資計画は変更されることを想定しなければならないと考えている。

決算説明会資料のP.24に太字で示している事業機会のうち、河合社長が特に期待している領域、また今後売上が大きく伸びると注目しているものはなにか。

どれも期待しているが、その中でも市場規模が大きいのはNANDのHARCエッチング。300層の投資が始まっていく過程で売上が増加していくと考えている。

WFE (Wafer fab equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む

SPE:半導体製造装置

本内容は質疑応答のサマリーです。