2023年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答集
現在はWFE市場の調整期であり、特にメモリ向け投資の抑制が強い状況。CY2023のWFE市場規模は前年比約20%減の$80bn程度と予測。ロジック:メモリの比率は、一昨年から去年にかけては 6:4程度であったが、昨年後半にかけて 7:3、CY2023は 8:2程度の比率になると見通している。
メモリ向け投資の回復はCY2023後半に期待している。アプリケーション別の回復のタイミングについては、DRAMの方が若干先行すると予測しているものの、在庫レベルによってはDRAMとNANDで同時くらいになる可能性もあると見ている。
CY2022対比でCY2024のWFE市場規模は同等、もしくはそれ以上になると考えており、CY2024からCY2025に向けて市場が成長していくという見方に変更はない。成長の牽引役としては、高速CPU、それに伴い採用されるDRAM DDR5、300層クラスの3D NANDなどが想定される。これらのデバイスは、データセンターや2025年に本格的なサービス開始が予定されているメタバースなど、低消費電力と高速性が要求されるアプリケーションで使用される。また、2017~2018年頃に設置されたデータセンターの入れ替え需要や、PC・スマートフォンの需要回復もあると考えている。
地政学的リスク、インフレ、光熱費の高騰などのマクロ経済の動きには目を配らなければならない。米中については引き続き今後の動向を見ていく必要がある。また、光熱費の高騰などはPCやスマートフォンの買い替え意欲減少につながる可能性がある。そのようなリスクも勘案して、CY2023のWFE市場規模は約$80bnと予測している。一方で半導体メーカー側の生産調整によってメモリの在庫が圧縮され、需給バランスの適正化が早まる可能性もある。顧客との対話でも、メモリ向け投資はCY2023後半くらいから回復し、そこから投資が続いていくだろうという見方を確認している。CY2024、2025の成長に向けてしっかり準備を進めることに注力していきたい。
タイミングを見極めている最中ではあるが、メモリの需給バランスは今年の6月以降に少しずつ改善していく、というのが大枠の見通し。また、足元の需給バランスだけではなく、1~2年毎の技術革新に向けた先行投資も期待できる。そこに向けて、在庫を多めに確保するなど調達面での準備も進めている。
四半期の単位で回復のタイミングを予測することはしていない。短期の視点で一喜一憂するのではなく、長期的な視野をもってCY2023後半からの成長に向けて、生産の平準化など準備を進めている。大局的に状況を捉え、準備を進めることが経営の安定化に繋がると考えている。受注のタイミングについては、各顧客によって状況は異なっており、この場での言及は控えたい。
CY2024のWFE市場について、CY2022対比で同等もしくはそれ以上になるという我々の見方に変更はない。顧客との対話を通じて、多くの顧客が今後メモリ需要の回復に応じて投資を増やしていく計画であることを確認している。また、調査会社各社においてもWFE市場の回復基調を予測している。
主な理由は2点。1つは、ロジックの顧客2社について、来年度4月以降の売上を計画していた案件が今期Q4に計上される見込みであること。もう1つは、前回の下方修正時に最大限織り込んでいた対中国の規制強化による影響において、そのうち一部が具現化する可能性が低くなったことを反映。フィールドソリューションについては、前四半期から状況に変化はない。
一企業として地政学的な事案に対してのコメントは差し控える。WFE市場規模について、考えうるリスクを包括的に織り込んだ上で、CY2023については約$80bnという見方を示している。
前述の通り、CY2023についてはWFE投資のロジック:メモリの比率は 8:2程度になると見ている。当社においては、CY2023は3D NANDで採用されたエッチング装置の売上は前年対比で少なくなると予想する一方、ロジックにおいては、CY2022は前年対比売上が55%増加しており、シェアを上げている。最近はロジックの売上構成比がメモリを上回っており、ロジック、DRAM、NANDの間でバランスの良い売上構成になっている。装置ごとの差異も顕著には出ないと考えている。
地域別業績予想の詳細は開示していない。なお、FY2022実績においては全体売上に占める中国の売上比率は26%。そのうち約8割が中国地場、2割が外資企業だった。今般は、中国における外資企業の投資比率が下がっているため、FY2022よりもFY2023は外資企業の割合が下がる可能性はある。
現在、予算編成を含めて検討している段階であり、次回の決算説明会の際に方針を説明したい。市場の底打ちと、今後の回復の両方を見据えて、適切な判断をしていく。
当社とRapidusが特別な関係にあるという事は一切なく、一顧客として他の顧客と同じくフェアに対応していくスタンス。今後も、全ての顧客から信頼を寄せていただいている当社の情報セキュリティの高さを維持していく。
WFE (Wafer fab equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む
本内容は質疑応答のサマリーです。