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投資家向け情報

2024年3月期 第4四半期決算説明会 質疑応答集

CY2025のWFE*¹の見通しについて、3カ月前と比べて変化があるようであれば教えてほしい。

CY2025の見通しに変更はなく、3カ月前と同様、二桁成長と見る。CY2025は特にAI関連が成長していくと予想しており、最先端のロジック、メモリに期待している。

現状、NANDの稼動率が低迷していると認識しているが、なぜ下期にNAND向けの装置売上が増加するのか?説明会資料P15のNANDの注力分野で、HARC*²だけでなく、周辺回路の貼り合わせや、多段化と記載があるが、その分野が下期から売上に効いてくるのか?

当社の売上予想は、顧客からいただいた投資計画に基づいている。なお、現段階では、FY2025のNAND向け売上には、最先端、次世代分野が影響することは想定していない。

売上総利益率について、FY2025上期は約45%とFY2024下期と比較し減少するが、この背景は?
一方、FY2025下期は約47%と拡大する。上期から下期へはどのような理由で利益率が改善するのか?

FY2025上期については、コスト増、プロダクトミックスの影響があり、前下期と比較すると売上総利益率は減少する。
FY2025下期については、付加価値の高い製品の売上構成比が増えることにより、その投入機会が増えるため、売上総利益率が改善する。

FY2025は研究開発費を2,500億円投入するとのことだが、対売上比率が11.3%となり、競合並みになっている。研究開発費対売上比率11~12%というレンジを意識しているか?

成長ポテンシャルを最大限に取り込むための研究開発は実施するという方針のもと、対売上比率には上限や一定の水準は設けていない。十分な回収が期待できるのであれば、今以上に研究開発投資をおこなう。
当社は、中期経営計画やその先を見据え、顧客と4世代先までの技術ロードマップを共有している。その上で、高いリターンが期待でき、顧客やステークホルダーにプラスになる付加価値の高い製品やSAM*³を拡大する機会があれば、開発投資をおこなっていく。

FY2024と比較し、FY2025の研究開発費は500億円弱増額している。現在どのようなところにフォーカスして研究開発をおこなっているのか?

説明会資料P16に記載のとおり、今後の研究開発費は、主に極低温エッチング、コンダクタエッチング、枚葉ALD、コータ/デベロッパの新プラットフォーム、最先端リソグラフィ表面処理技術に注力する。また、アドバンスドパッケージング技術では、Wafer to WaferやDie to Waferの貼り合わせ技術、レーザーリフトオフ、EUVや高密度3次元実装向けの超フラットウェーハ製造技術も磨いていきたい。

自社株買いの基本的な考え方について伺いたい。マルチプルが高い時に実施されるということに驚いたが、なぜこのタイミングなのか。

機動的に実施するというのが我々の自社株買いの方針。市況や将来のキャッシュ、株主様に対する配当、総還元額等を総合的に勘案し、800億円の自社株買いを決定した。株価という意味では、様々な見方があるのは十分承知しているが、我々の将来の成長を考え、更なる企業価値向上が見込めると判断し、このタイミングで実施することを決定した。

コンダクタエッチングはどのようなアプリケーションで採用されたのか?

ロジックの配線工程でPOR*⁴を獲得できた。

極低温エッチングについて、3カ月前と比較した進捗状況を教えてほしい。アメリカの競合も極低温エッチングの技術を有しており、今のマーケットポジションを守れるという話をしている。これは現行世代の量産POR*⁴は競合が保有し、400層以上のものはTELに大きな機会があるという理解で正しいか?

当社の極低温エッチング装置が400層世代のNANDから採用されることを期待している。400層世代は、少量生産がCY2025から、量産はCY2026から開始される。極低温エッチングを適用した少量生産がCY2025から始まり、量産はCY2026から開始される。現在は量産採用に向けた評価が順調に進捗している状況。当社の技術は、プロセス性能はもちろんのこと、生産性や環境性能の観点からも、400層を超える世代から高い優位性を示せると考えている。

競合からコメントがあったEUV向けドライレジストに関して、競争状況を教えてほしい。

ドライレジストが置き換える可能性があるのは、塗布現像市場全体の5%程度と想定している。当社は様々なアプローチを開発しているが、メインで検討しているのは、従来の方式を進化させた特別なウェット方式で、パターン倒壊防止に重点を置き評価を進めており、良好な結果が出てきている状況。

ハイブリッドボンディングの市場や技術の立ち上がり、御社への売上貢献等のタイムラインを教えてほしい。

ハイブリッドボンディングは2種類ある。一つ目は、Wafer to Wafer。CMOSイメージセンサーにおいては、当社は高いシェアを持っている。NANDにおいては、周辺回路との貼り合わせ工程があり、今後2~3年で立ち上がると想定している。ロジックのバックサイドPDN*⁵向けは、NANDよりも若干遅くなり、3~4年後となる想定。一方、二つ目のDie to Waferは、まだ先の技術と認識しており、バックサイドPDNより後にニーズが出てくると考えている。

ハイブリッドボンディング等、他社とパートナーシップを組まずに単独で開発をおこなう理由は何か?

Die to Waferの領域においても、当社の多様な技術を活用することで、差別化した付加価値の高い技術を多く提供できると考えている。ただし、全てを当社で対応することは難しいため、パートナー企業と協力し、顧客に付加価値の高い製品を提供することができないか、今まさに検討しているところ。

非常に強い中国需要が足元で続いているが、FY2025における中国投資の継続性はどのように見ているか?また、FY2024に今後の規制強化を懸念した中国からのラッシュオーダーはあったか?今後の規制の方向性についても、言及可能な範囲で教えてほしい。

中国の投資は、特に成熟世代向けで続いており、その額はFY2024と同等の規模がFY2025も期待できる。ただし、他の地域の最先端向け投資が増加するため、中国向け売上比率は、FY2025は40%を下回ると想定している。ラッシュオーダーについては、若干あったように思われる。今後の規制の方向性に関しては、一企業としてコメントする立場になく、日本政府の指針に適切に対応し、引き続き動向を注視していく方針に変わりはない。

WFE (Wafer Fab Equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む

HARC:High Aspect Ratio Contact

SAM:Served Available Market

POR(Process of Record):顧客の半導体製造プロセスにおける装置採用の認定

PDN(Power Delivery Network):アクティブデバイスに効率よく電源や基準電圧を供給するための設計

FY2024は2023年4月~2024年3月の会計年度を指しています。

FY2025は2024年4月~2025年3月の会計年度を指しています。

本内容は質疑応答のサマリーです。スライドに同期した音声配信はこちらから。