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投資家向け情報

2017年5月31日 中期経営計画説明会 質疑応答集

2020年3月期の財務モデルにおけるWFE*市場前提を上方修正したが、何が変わったのか?市場が$42B以下に縮小するリスクはないか?

初めて財務モデルを設定した2015年時点と比べて、半導体需要の規模感が変化してきた。データセンター向けの半導体需要が伸びており、今後2年間のWFE市場は縮小しないと考えている。

WFE市場前提$42Bと$45Bの差は何か?

メモリで$2B、ロジックで$1Bの差を想定している。

WFE市場前提$45Bに中国地場メーカーの投資分はどの程度含めているか?

新規顧客から主にメモリ向けで$3Bを見込んでいる。

ウェーハの供給不足を懸念する声があるが、貴社の財務モデルの前提にあるWFE市場に影響はあるか?

WFE市場$42B-$45Bの前提は、投資計画や引き合い状況から想定したものであり、ウェーハ供給不足に起因する装置の需要減はないと考えている。

2020年3月期の売上増加率(2017年3月期比)がWFE市場成長率よりも大きいのは、製品シェアの増加を見込んでいるのか、WFE市場におけるエッチング装置と成膜装置の構成比率が高まる影響か?

当社の製品シェア向上と参入市場の拡大により、売上成長率がWFE市場成長率を上回る想定。

エッチング装置のCY2019の目標シェアを36%から30%以上に変更した理由は?

今後シェア向上を見込んでいる3D NAND向けの投資が想定以上に急拡大したため。圧倒的な生産性と加工精度でシェア向上を実現する。

従来のWFE市場前提$37Bのシナリオと比べ、新たな$42Bのシナリオでは、増収にもかかわらず売上総利益率、営業利益率がともに下がっている理由は?

想定以上に市場が成長してきており、製品競争力向上に向けて、積極的に成長投資を増やしたため。市場拡大に対して攻めの姿勢で取り組んでいく。

新財務モデルにおいて、売上に占めるエッチング装置の比率は?

SPE売上の4割以上、FPD売上の8割程度を占めると想定している。

2020年3月期のFPD売上予想において、有機EL向けインクジェット描画装置の売上はどの程度見込んでいるか?

顧客の量産投資のタイミングによるので予想には含めていないが、アップサイド要因と見ている。

3D NAND向けの投資において、月産ウェーハ1万枚の生産キャパシティを見込む場合、12X層の積層数ではエッチング装置需要が$130Mあると説明があったが、仮に月産10万枚の工場を建てるとしたら、装置全体の設備投資はどの程度になるか?また、10万枚の生産キャパシティのある新工場が、今後どれくらい建つ想定か?

プレゼンテーション資料にある通り、10万枚の前提であれば、エッチング装置市場は$1,300Mとなり、年間で3~4つの新棟が建つイメージの投資規模。

DRAM向けの投資についても、同じ観点で生産キャパシティと事業機会はどうなるか?

DRAM向けでは、中国で新棟建設を伴う大規模投資が2~3件あるとみている。それ以外の地域では、微細化による装置需要となるので、一概に生産キャパシティと投資額を結びつけるのは難しい。

3D NANDのONONとOPOPの積層構造では、どちらが優れていると考えているか?

材料以外に設計によっても特性は変わるため、一概には言えない。顧客の戦略を当社はサポートしていく。

3D NANDの積層数は128層の次はどうなるか?

一段の構造で積層していく従来の手法と、複数の段に分けて積層していく手法のどちらが採用されるかは分からないが、技術的には200層以上の積層も可能と考える。

プレゼンテーション資料にある、9X層の3D NANDでワードライン分離(スリット)のエッチング工程のPOR

1社目に続き、2社目でPORを獲得できた。

3D NANDにおいて、マスクエッチングとメインエッチングの工程を一括化することで、どの程度の生産性向上が見込めるか?歩留まりは良いのか?

生産性は1.3-1.5倍になると見込んでいる。歩留まりに問題はなく、すでに量産に使われている。

貴社は今期、過去最高の営業利益額を更新する予定だが、先に過去最高を更新した国内競合他社に遅れを取っている理由は?

過去最高の利益水準が各社で異なると思うので単純比較は難しい。

本内容は、質疑応答のサマリーです。スライドに同期した音声配信はこちらから。