TOKYO ELECTRON LIMITED

東京エレクトロン、フジキン、TMEICにて新型オゾンガス濃度モニターを開発、オゾン発生装置へ展開
-水銀フリー、メンテナンスフリー、消費電力削減を実現

 東京エレクトロン株式会社(以下、TEL、東京都港区、社長:河合利樹)、株式会社フジキン(以下、フジキン、大阪府大阪市北区、社長:田中久士)、株式会社TMEIC(以下、TMEIC、東京都中央区、社長:川口章)の3社は、半導体製造工程の成膜プロセスにおけるオゾンガス濃度を管理する新型モニターを開発し、オゾンガス発生装置に適用(実装)するための検証をおこなってまいります。
 なお、本共同開発は、TELで推進しているサプライチェーンイニシアティブE-COMPASSの一環としておこなっています。

背景
 半導体製造工程の成膜プロセスにおいて、各種酸化膜形成等にオゾンガスが使用されており、オゾンガス発生装置や発生状況を監視するためにオゾンガス濃度モニターが必要になります。オゾンガスの濃度計測方式の一つに、紫外領域の波長を強く吸収するオゾンの性質を利用した「紫外線吸収法」がありますが、その光源として、従来、有害物質を含有し定期的な交換が必要な水銀UVランプが使われてきました*1
 今回、TEL、フジキン、TMEICの3社は、これらの問題を解決するため、水銀フリー、メンテナンスフリーを実現するオゾンガス濃度モニターおよびオゾンガス発生装置の共創に着手しました。

新型オゾンガス濃度モニターのポイント・特長
1. LED UVランプ方式の濃度モニターを開発し、従来同等以上の高い信頼性を有する性能が得られます。
2. 水銀を使用しない方式のため、環境有害物質フリーを実現します。
3. これまで2年ごとのランプ交換が必要でしたが、LED化による長寿命化により、10年以上の交換が不要となりました。これにより、メンテナンスフリーを実現します。
4. これまで25Wであった消費電力を、LED化により3Wに削減しました(従来比で88%の削減)。これはCO2換算すると、モニター1台あたり年間で77.1 kg-CO2e*2の排出量削減に相当します。

新型オゾン濃度モニター

環境価値:CO2e排出量とランニングコストの削減
 今回開発した新型オゾンガス濃度モニターは、半導体製造装置への適用だけではなく、オゾンガス発生装置への適用も進んでいます。オゾンガス発生装置の需要は5年後には現在の2倍の市場規模になると予想されており、この新型オゾンモニターを使用することで、従来比でCO2e排出量を310 ton-CO2e削減、ランプ交換コストを約1億円削減できる見込みです。

3社での環境技術共創
 今回の環境技術共創では、フジキンと当社がオゾンガス濃度モニターを共同開発し、TMEICがオゾンガス発生装置に搭載してモニターの検証をおこないました。これにより当社の半導体製造装置および付帯設備などさまざまな領域への適用が可能となります。

 当社では、今後、世界の大きな潮流となる社会のデジタル化とグリーン化の両立に向けて、パートナー企業の皆さまとの協業を推進し、環境有害物質フリー装置の実現やプロアクティブな装置環境技術の開発をおこなってまいります。また、これらの活動を通じ、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という当社の基本理念を追求してまいります。

【ご参考】
環境への取り組み強化に向けたサプライチェーンイニシアティブ「E-COMPASS」

水俣条約による水銀規制の対象は高圧水銀ランプであり、オゾンガス濃度計用UVランプは特殊用途ランプに該当し規制対象外になります。

CO2e:CO2 equivalent(換算CO2)の略