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投資家向け情報

2023年3月期 本決算説明会 質疑応答集

TELのCY2023のWFE*¹発表時からアプリケーション別にどのような見通しの変化があったのかを踏まえて教えてほしい。

見通しを引き下げた理由は2つ。1つは先端ロジック/ファウンドリの投資において見直しがおこなわれていること。もう1つはメモリメーカー各社が発表している通り、投資を削減すること。特に、NANDの在庫調整が大きく影響している。
また、当社の見通しの発表が他社よりも後になったため、顧客の直近の動向がより反映されていると思うが、基本的には他社対比でWFE市場の見方に大きな違いはないと思っている。

CY2023は成熟世代の投資が強いということだが、WFE市場全体に占める成熟世代の比率はどのくらいになるのか?CY2022はロジック/ファウンドリにおいては、約4割の構成比だと以前聞いた。

CY2023はメモリも含めたWFE全体の中で成熟世代が約4割になると考えている。なお、CY2022については、約3割が成熟世代だと想定していた。

CY2024のWFE市場の見方を教えてほしい。3カ月前はCY2024のWFE市場はCY2022同等もしくはそれ以上になるという説明だった。現時点でもその見通しに変化はないか?

マクロ経済や市場全体の在庫消化の進捗によるが、CY2024のWFE市場はCY2022と同程度になることを期待している。
WFE市場の回復の牽引役となるのは、ボラティリティの少ない「MAGIC*²」領域であり、着実に成長すると考えている。
また、CY2024~CY2025に、新CPUがサーバーの入れ替えを促進し、それに伴ってDDR5の導入が加速される。さらに、OSの移行に伴うPCの買い替え需要もあり、PCの在庫は順調に減少してきている。マクロ経済の回復に伴うスマホ需要の回復も期待できる。このような背景により、ハイエンドデバイスの出荷が増加すると考えている。

プレゼンテーション資料のP.31のSPEの地域別売上高において、中国の売上がFY2023は4,967億円と前期比ほぼ横ばいだが、FY2024はどうなると予想しているのか?

当社の売上に占める中国の比率はFY2022が約26%だったが、FY2023は約24%と若干減少した。今期については売上の30%強を占めると想定している。その背景は中国においては、成熟世代の顧客が多く、その領域が伸びると考えている。

中国の売上比率が高くなる場合、顧客ミックスやプロダクトミックスによる売上総利益率の改善も期待できると思うが、FY2024の売上総利益率についての考え方を教えてほしい。

FY2024通期の売上総利益率は前期 44.6%に対して、現時点では43.6%と1pt減少する想定。FY2024売上が前期比23.0%減少する影響を受けている。前期の売上総利益率の水準に追いつくよう努めている。

FY2024のSPE新規装置売上について、ロジック/ファウンドリ向け売上が下期に伸びる計画になっている。上期から下期にかけての増収の牽引役は何か?先端・成熟、地域の観点から教えてほしい。

牽引役として大きいのは、IoTデバイス向けの成熟世代、「MAGIC」領域の半導体。当市場は中国のみならず、グローバルで市場が拡大している。当市場に注力するために、今年4月から新しくDSS BU*³を発足した。

市場コンセンサスでは、CY2023はDRAM向け投資が回復する期待は薄い。一方、プレゼンテーション資料P.20のFY2024のSPE新規装置売上予想では、対前年比で、DRAM向けの売上が絶対額、比率共に伸びている。DRAM向けの売上予想が市場コンセンサスを上回る理由は、TELのシェアが伸びているからか、それともDRAM顧客の投資が戻ってきているのか?

当社のシェア上昇と、DRAMの市況が徐々に回復してきていることが背景。我々の業績予想は顧客の投資計画をもとに作成しており、それを踏まえると上期から少しずつ売上が増加すると予想している。DRAMの顧客4社が投資を増強するタイミングは異なるが、全体的に少しずつ底打ちをしてきている印象。DRAM向け投資の調整はFY2023の上期から始まって約1年が経過しており、少しずつ投資が回復すると見ている。

DRAM向けでシェアが伸ばせているということは、FY2025のDRAM向けの売上は更にプラス方向になると考えて良いか?

POR*⁴獲得が順調に進んでおり、シェアは拡大できると考えている。FY2025のみならず、中期経営計画の目標達成に向けて、着実に進捗している。

プレゼンテーション資料P.20のSPE新規装置売上予想について。CY2023のWFE市場は前年比約25%~30%減という説明があったが、TELのFY2024の上期、下期は前年同期比でそれぞれ約38%減、11%減という予想になっている。中国の成熟世代向けが増加するポジティブな動きも昨今見え始めていることを踏まえると、下期は上振れる可能性もあるか?

市況の回復に伴う多少の上振れの可能性については期待しているが、インフレとそれに伴う金利上昇などのマクロ経済の状況、メモリ、特にNANDの在庫調整の進捗には注視が必要。マクロ経済の動向によっては、ハイエンドデバイス向けのロジック/ファウンドリ投資にも少し調整が入ることも想定されることから、現在の回復タイミングの見通しは、1四半期程前後する可能性もある。ただし、資料に記載のSPE新規装置売上予想は総合的な判断にもとづいており、計画を達成できると考えている。

TELの在庫水準がかなり高くなっているが、これは今後の需要増加を勘案すれば適正な水準だと考えてよいか?

戦略的な調達によって在庫を積み上げており、適正な水準だと考えている。在庫の回転率が悪化していることは事実だが、下期の需要の回復に向けて迅速に対応できるように備えている。

FPDとフィールドソリューションの売上予想について。FY2024からは単一セグメントの開示となるが、連結売上とSPE新規装置売上予想の差額がFPDとフィールドソリューション合算の売上になると理解している。その計算によると、当合算売上はFY2024に前期比で約15%減となると思うが、主な減少要因は?

フィールドソリューションについては、近年はパーツの売上高が非常に高い傾向だったが、足元では顧客の工場稼動率が落ちているため、保守的に見ている。FY2024に関しては、パーツ・サービス売上の成長は踊り場になるのではないかと想定している。

洗浄装置が好調な理由を教えてほしい。

洗浄装置についてはアプリケーションはいくつかあるが、その中でも超臨界乾燥や市場規模が大きいSPM*⁵洗浄でシェアを伸ばしているのが好調の理由。SPM洗浄においては、TEL Manufacturing and Engineering of America (TMEA*⁶)と東京エレクトロン九州が持つ技術を融合し、差別化を図っている。

WFE (Wafer Fab Equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む

MAGIC (Metaverse, Autonomous mobility, Green energy, IoT & Information, Communications):当社がさらなる事業機会拡大に向けて設定したコンセプト

DSS BU: Diverse Systems and Solutions Business Unit

POR (Process of Record): 顧客の半導体製造プロセスにおける装置採用の認定

SPM: Sulfuric acid-hydrogen Peroxide Mixture

TMEA: 2012年にFSI International Inc.を買収。2020年にTEL FSI, Inc.とTEL Epion Inc.を合併し、商号をTEL Manufacturing and Engineering of America, Inc.に変更

本内容は質疑応答のサマリーです。