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投資家向け情報

2024年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答集

CY2024のWFE*¹について、アプリケーション別にはどのような成長を見込んでいるか?
また、CY2024とCY2025合わせて$200Bということだが、仮にCY2024が$90Bだとすると、CY2025は$110Bということになる。この$20Bの大きな上昇に関しては、どの地域やアプリケーションの成長を想定しているか?

DRAMとロジック/ファウンドリはまだ在庫を消化している段階だが、CY2024の半ば以降顕著に回復し、CY2025はAIサーバーの需要が牽引役となり、さらに大きく成長するという見方をしている。一方、NANDはCY2024末まで調整が続くとみている。

CY2023のWFEの見通しを引き上げている一方で、TELの売上高の下期計画はほぼ修正していない。この違いはどこから来ているか?また、定性的で構わないので、前回決算時と比べてCY2024のSAM*²の見通しがどのような状況になっているのか教えていただきたい。

今回CY2023のWFEを前回の決算説明会時点から$15B程度上方修正したが、これは露光装置などの納入遅延による売上計上時期のずれが要因の一つとなっている。CY2024は本質的に市場が回復することによって、当社SAMの拡大を期待できると見込んでいる。なお、FY2024上期は期初の業績予想を上回って着地したが、その理由として、一部下期からの前倒し分があった。市場は全体的に回復基調であり、当該前倒しとなった分については、市場回復と中国の投資でカバーしている。

CY2023は中国における成熟世代向け装置が強く、かつ露光装置の引き合いが強い状況。CY2023のTELの新規装置売上高はWFEをアンダーパフォームするものの、CY2024については先端ノードの投資が増加することでアウトパフォームできるという見方か?

今回のCY2023のWFE$15Bの上方修正は当社のSAMに該当しない部分が大きかった。シェアに関しては、円安の影響もあることから、現在はポジティブな状況ではない。ただし、工程シェアにおいては着実にPORを獲得しており、需要の回復に伴って、CY2024、2025にはシェアを上げていけると考えている。

売上総利益率について、上期に比べて下期が改善見込みとなっているが、その背景は?また、足元で円安が急速に進んでいるが、サプライヤーから価格引き上げ要請は来ているか?もしそうであれば来年度以降、TELにとってのコスト増加の要因になるか?

付加価値の高い製品を適正な価格で販売することにより、上期は想定よりも高い利益率を実現できた。下期の方が売上高が高いため、売上総利益率は改善する見込み。
サプライヤーからの仕入れ価格については、急激な高騰といった事案は今はない。
なお、この業界は、技術革新が非常に早く、1年半~2年に一度のペースで、顧客から新しい付加価値を提供してもらいたいという話をいただいている。サプライヤーの要請にも耳を傾け、新しい価値を提供する際に、それに見合った適正な価格で当社製品を販売することで、健全なビジネスを継続することができると確信している。

極低温エッチング装置について、POR*³を獲得している状況だという噂を聞くが、TELから何か説明できることがあれば教えてほしい。積極的に技術的優位性をアピールしている中で、他社に手法を真似られないか心配している。
また、TELは中国における洗浄装置もシェアを上げているようだが、納入実績のある他社にシェアを取り返されてしまうことはないか?

従来技術に対して、極低温エッチングは生産性や環境性能が優れており、既に一部の顧客で開発PORを獲得し、評価は順調に進捗している状況。400層レベルが主なターゲットとなるので、CY2025に大きな投資のタイミングが来ると期待している。それ以前の世代でも前倒しで適用される可能性もあり、現在顧客とともに評価を進めている。競争はあるものの、当社の差別化された技術が認められており、我々の分析では従前に発表した通りのアドバンテージがあるとみている。
洗浄装置については、他社も良い装置を持っているが、技術的に差別化を図り、シェアを伸ばしている状況。こちらも将来に向けて期待している。

FY2024上期に目立ったシェアアップがあった装置はあるか?露光装置が足元で強い状況であったとのことだが、コータ/デベロッパの伸びも強かったのか?またその反動でFY2025に引き合いが弱まるリスクはあるか?

今期は調整期だが、比較的精度良く当初の計画を達成できた。その中でもコータ/デベロッパは当初の想定よりも強かった。FY2025に警戒すべきリスクは特にない。また、HBM*⁴量産向けボンディング装置の受注がいよいよ一気に加速してきたというのも特徴的だった。さらに、ロジック/ファウンドリ向けのパターニングにおいて、コンダクターエッチングでPORを獲得することができた。

中国の投資が非常に強いということだが、具体的にどのアプリケーションの引き合いが強いのか?また、新たな顧客が増えているのか?

中国においては、当社でいう「MAGIC*⁵」領域が主な市場となっている。当社の新規顧客は20~30社程度増えており、今後も中国市場は拡大していくと見込んでいる。
なお、全世界のMAGIC市場のWFEは、CY2023は$30B程度と想定しているが、CY2030には$50B程度、もしくはそれ以上と見込んでいる。

CY2024、CY2025と中国の強い需要が続いていくということだが、既にCY2025の投資の引き合いは来ているか?そうであれば、CY2024とCY2025で需要の強さに違いがあるのか教えていただきたい。CY2025も成熟ノードやDRAMの投資が見込まれるか?

CY2024は既に中国から引き合いが来ているので、ある程度期待ができる状況。特にCY2024の前半は、引き続き地域別売上高のうち4割程度を占めると予想している。
CY2025が大きな市場になるというのは、中国市場のみならず、CY2023~CY2027にかけてCAGR 31%の伸びが期待されるAIサーバーも牽引役になると考えている。在庫調整が終了し、DRAM、ロジック/ファウンドリに加えてNANDも期待できると考えている。また、PC・スマートフォンの買い替え需要のみならず、オンデバイスAIなど、新機能の搭載にも期待している。

中国の規制に関して、現在よりも規制が強化されるリスクはあるか?また、中国投資の継続性について、中国のパワー半導体の投資の勢いが止まらない状況で、サプライヤーを含め設備投資が必要だと思うが、供給過剰のリスクはあるか?

規制に関しては一企業としてはコメントする立場にない。一方、デジタル化と脱炭素の両立、半導体デバイス市場の拡大、そして新しいアプリケーションの増加により、需要は拡大していくと見込んでいる。その需要は製造場所に関係なくどこかがカバーしていくと考えられる。中長期的な観点から見るとWFE全体としてはサステナブルに伸びていくと期待している。

ボンディング装置の生産能力について伺いたい。生成AIでHBMの需要が激増している中で、TELの生産能力不足で、顧客が困っていると聞く。現在のTELの生産能力の状況と来期の拡大計画について教えてほしい。

特に韓国顧客からの引き合いが急激に増加している状況で、今期期初はかなり逼迫していたが、パートナー企業の協力を得て、今は期初の数倍レベルに生産能力を拡大することができた。部材不足でHBMの需要に応えられない状況は解消済み。

HBM向けのボンディング装置のFY2024売上が約100億円ということだが、生成AI向けのTELの事業機会は、CY2023とこの先2~3年にはどれくらいあるか?また、ボンディング装置以外の事業機会はあるか?

ボンディング装置以外でも生成AI向けには様々な事業機会があり、新規のプロダクトの準備も進めている状況。今はTELの事業機会を最大化する戦略を立てているところで、時期が来たら発表する。

WFE (Wafer Fab Equipment):半導体前工程製造装置。半導体製造工程には、ウェーハ状態で回路形成・検査をする前工程と、そのウェーハをチップごとに切断し、組み立て・検査をする後工程がある。半導体前工程製造装置は、この前工程で使用される製造装置。また半導体前工程製造装置は、ウェーハレベルパッケージング用の装置を含む

SAM:Served Available Market

POR:Process of Record

HBM (High Bandwidth Memory):高帯域幅メモリ

MAGIC (Metaverse, Autonomous mobility, Green energy, IoT & Information, Communications):当社がさらなる事業機会拡大に向けて設定したコンセプト

本内容は質疑応答のサマリーです。