TOKYO ELECTRON LIMITED

東京エレクトロン、imec-ASML 共同高NA EUVラボとの連携のお知らせ

 東京エレクトロン (TEL、東京都港区、社長:河合利樹) は、オランダのフェルドホーフェンにある「imec-ASML joint high NA EUV research laboratory」(imec-ASML 共同高 NA EUV 研究所。以下、「高NAラボ」) にて、2023年より稼動予定の次世代高NA EUV露光装置 ASML EXE:5000 (開口数NA=0.55) にインライン*する塗布現像装置を導入することをお知らせします。TELは、imec-ASMLと連携して技術開発を進めることにより、お客さまのさらなる微細化へのご要求に対応してまいります。
 

 高NA EUV露光装置は、従来のEUV露光装置を上回る、さらなる微細化対応技術として期待されています。今回、高NAラボに導入予定の当社塗布現像装置は、従来から広く使用され、実績のある化学増幅型レジストや下層膜の対応のみならず、塗布型メタル含有レジストにも対応した最新機能も搭載しています。塗布型メタル含有レジストは、高い解像度、高いエッチング耐性が実証されており、さらなる微細パターン向けレジストとして期待されています。一方で、パターン寸法の制御、ウェーハ裏面・ベベル部のメタルコンタミ制御など、高度な制御が必要になります。今回、高NAラボに導入する装置では、メタル含有レジストに対応した新たなプロセスモジュールを搭載し、これらの高度な課題に対応しています。
 

 新たなプロセスモジュールを搭載したTELの塗布現像装置を用いることで、化学増幅型レジスト、メタル含有レジスト、および下層膜などさまざまな材料を、1台の装置でインライン処理でき、フレキシブルなFab運用、塗布現像装置の優位点である高生産性と高稼動率を同時に実現することが可能になります。
 

 さらに、連続した複数工程向け装置をラインアップに有する当社の強みを生かし、リソグラフィー工程向けの塗布現像に加え、エッチング工程を含む包括したパターニングソリューションを、パートナーであるレジスト材料メーカーと連携して実現してまいります。

 東京エレクトロン 取締役 常務執行役員 兼 SPE事業本部長 三田野 好伸は、「TELは、すでに量産導入されているEUVリソグラフィー技術での実績をもとに、imec、ASMLと連携することにより高NA世代の課題をいち早く把握し対策を進めていきます。またお客さまFabでの高NA EUV露光技術の実現をタイムリーにサポートしていきます」と述べています。

 東京エレクトロン 執行役員 兼 CTSPS BUGM 秋山 啓一は、「TELは現在、EUV露光機用のインライン塗布現像装置シェアは100%です。来るべき高NA EUV露光の世代に向けたベストな塗布現像装置を実現するため、imec-ASML高NAラボでの共同研究に期待しています。お客さまの課題解決に向けた挑戦的で新たなアプローチを、最先端のテクノロジーを駆使して、パートナーとともに実現してまいります。」と述べています。

 imecの最高執行責任者 (COO) 兼R&D担当エグゼクティブ バイスプレジデントであるRudi Cartuyvels氏は、「imecとTELは25年以上にわたり、半導体スケーリングを進歩させる革新的なソリューションを開発する戦略的パートナーです。imecはTELとの、この協力関係を継続し、半導体スケーリングロードマップの次のステップである高NAパターニングを実現できることを楽しみにしています。」と述べています。

 imecの先端パターニング、プロセス、材料担当バイスプレジデントであるSteven Scheer氏は、「TELとimecの協力関係は、スピンオンレジストを使用したEUVパターニングのクリティカル欠陥を特定して排除する上で重要であり、量産展開へのEUVの導入に貢献します。高NA EUVパターニングでは、レジスト膜厚が薄く、パターンサイズが小さいため、欠陥の低減がさらに重要になります。そのため、imecは、お客さまへの高NA EUVの導入を加速するために東京エレクトロンとレジスト材料メーカーとともにimec-ASML高NAラボで協力することを嬉しく思います。」と述べています。

*インライン:露光装置と塗布現像装置を一体化させることを意味する。露光工程と塗布現像工程を一元化することでお客さまにおける省スペース化、高生産性を実現できる。


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東京エレクトロン株式会社 代表取締役社長・CEO 河合 利樹 (左) とimec 社長・CEO Luc Van den hove氏 (右) のimec-ASML 高NA EUVラボへの最先端塗布現像装置の導入に関するMemorandum of Understanding (MOU) のリモート調印式の様子


imecについて

Imec はナノエレクトロニクスおよびデジタル技術で世界をリードする研究センターでイノベーションハブです。Imecがもつ最先端の研究開発インフラと4,500人以上の専門家およびトップレベルの研究者からなるチームを活用し、先端半導体とシステムのスケーリング、シリコンフォトニクス、人工知能、5G以降の通信とセンシング技術の研究開発をおこない、健康とライフサイエンス、モビリティ、インダストリー4.0、アグロフード、スマートシティ、持続可能エネルギー、教育などのアプリケーション分野でも活躍しています。

Imecは、半導体のバリューチェーンにわたって世界の業界リーダー、フランダースを拠点とする国際的なハイテク、製薬、医療、ICT企業、新興企業、そしてアカデミアやナレッジセンターを結びつけています。Imecの本部はベルギーのルーベン市にあり、ベルギー全土、オランダ、台湾と米国に研究拠点をもち、中国、インドと日本にオフィスがあります。2020年度の歳入は約6億8,000万ユーロでした。

 

Imecは、IMEC International (stichting van openbaar nut”として、ベルギーの法律に基づいて設立された法人) 、imec Belgium (IMEC VZWとして、フランダース政府によってサポート)、imec the Netherlands (Stichting IMEC Nederland)、imec Taiwan (IMEC台湾会社)、imec China (IMECマイクロエレクトロニクス上海株式会社)、imec India (IMECインド有限会社)、imec San Francisco (IMEC法人組織) とimec Florida (IMEC USA ナノエレクトロニックス・デザイン・センター法人) における登録商標です。

TELについて

革新的な半導体製造装置、FPD (フラットパネルディスプレイ) 製造装置のリーディングカンパニーであるTELは、世界の半導体デバイスメーカー・FPDメーカーに優れたプロセス性能と量産性能を持つ数々の製品を、確かな技術サービスとともに提供しています。TELのマーケットリーダーとしての地位を揺るぎないものにしているのは、1963年の創業以来受け継がれてきた、徹底した顧客満足の追及です。お客さまの真のニーズを迅速に、的確に掴み、先進的な製品の創出につなげることを強みとしています。日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、各地域に広がるグローバル拠点をベースに、TELは世界中のお客さまの生産ラインに日夜貢献し、たゆまぬ技術革新を通じて、デジタルネットワーク時代の未来を切り拓いていきます。

東京エレクトロンの詳しい情報は、www.tel.co.jp まで