TOKYO ELECTRON LIMITED

未来を創る半導体デバイス — 私たちの生活を支える強力な「縁の下の力もち」

Technology

「世界一つくるのが難しくて、社会の発展に欠かせないものって何だと思う?」

AIに聞いてみると、その答えは「半導体」だった。

私たちの身の回りにあるスマートフォンやAI、自動運転車、そして巨大なデータセンター。これらすべての裏側には「半導体」という小さな部品が存在している。しかし、私たちが実際に「半導体」を目にしたり、感じたりすることはほとんどない。あらゆるテクノロジーが半導体によって実現しているということは理解していても、「半導体」そのものについてはなんだかよく分からない。

よく分からないけれど、私たちの社会や経済、そして未来とも深く関わる「半導体」を少し知ることができれば、日常生活で目にするニュースや話題が生き生きと見えてくるかもしれない。そこで今回は、「なんとなく分かる」ことを目標に、半導体について解説する。

そもそも、半導体はなに

半導体を、簡単にまとめると次の3点となる。

① 半導体は、電子機器の頭脳であり目であり、テクノロジーに必要不可欠なもの
② 半導体は、「半」分だけ、電気を「導」く材料でもある
③ ②の特性を生かして、電子情報の保存や処理をおこなっている

AI、GPU、自動車、パソコン、スマートフォン、データセンター、あらゆるテクノロジーを可能にしている半導体は、元をたどればこの仕組みを活用している。

そして、この仕組みを活用した、さまざまな種類の半導体が世の中には存在する。中でも、主要な半導体として有名なのは、次の4つの半導体がある。


1. CMOSイメージセンサー

CMOSイメージセンサーは画像を認識したり、アウトプットする役割を担う半導体デバイスだ。主にスマートフォンのカメラ、監視カメラ、自動車のカメラシステムや医療機器、産業用カメラなど、多くの製品に搭載されています。画像や動画といった視覚情報だけでなく、さまざまな「情報」の伝達役としても利用が普及している。

  • 物体認識:自動運転車や監視カメラでは、CMOSイメージセンサーが捉えた画像から、歩行者、車両、標識などを認識し、距離や動きを推定している。
  • 品質検査:工業分野では、製品の外観検査や不良品検出のために、高精度な監視役としてCMOSイメージセンサーが利用されている。
  • 生体情報:顕微鏡や内視鏡など、微細な構造を観察したり、生体情報を取得するセンサーとしてCMOSイメージセンサーが利用されている。

先端分野で重要な役割を担っていることが分かる。

COMSイメージセンサー 出典:TEL

2. NANDフラッシュメモリ

データを「永続的に保存」する役割を担う半導体が、NANDフラッシュメモリだ。スマホに内蔵されるほど、小さい半導体だが、何千枚もの写真や動画が保存できるいわばポケットに収まるデータセンターのようなもの。データの読み書きが速いため、写真や音楽をすぐに保存できたり、動画再生時にもストレスなく動画を見れたり、アプリがさっと起動するのはまさに、NANDフラッシュメモリのおかげだ。電源を切ってもデータが消えないので、安心して写真や動画を保存しておける。

そんなNAND フラッシュメモリは、これまでに2D(平面)から3D(立体)に進化を遂げた。住宅に例えると、平屋から高層マンションになると住める住民の数が増えるのと同じで、 2Dから3D、立体にすることで保存できるデータ容量も増え続けている。 今は、約200階建てマンションまで進化しており、近い将来1000階以上にまで進化するロードマップが描かれているので、驚きだ。

最新鋭のスマートフォンやサーバー、データセンターなどで大量に使用されているのは、この「3D NAND」だ。AIの進化によるデータセンター需要の背景には、「3D NAND」も大いに関係している。


NANDフラッシュメモリ 出典:TEL

3. DRAM

一時的なデータ保存と高速でのデータの受け渡しが得意な半導体。簡単に言うと、データの宅配とストレージを担う。特徴は、高速かつ効率的に、大容量のデータの読み書きが得意なこと。しかし、一定の時間が経過したり、電源が切れると記憶内容が消えてしまう。CPUやGPUといった複雑な処理を担うLogic (ロジック)半導体のそばで、必要なデータを渡したり、一時的に保存する、サポート役を担っている。


DRAM 出典:TEL

AIを進化させる半導体として注目を集めているDRAMの一つがHBM (High Bandwidth Memory:広帯域メモリ)だ。複数のDRAMを8層、16層..と積み重ね、データが通る道を増やすことで、より多くのデータを一度に転送することができる。GPUなどのLogic半導体のそばで、高速かつ効率的に、大容量のデータの読み書きをおこない、サポートしている。HBMの進化は、AIの進化にも大きく影響している。

アドバンスドパッケージング 出典:TEL

4. Logic

Logicデバイスは、その名の通り、「論理を司る装置(デバイス)」。私たちの「頭脳」のように、「判断」して「答えを導き出している」半導体だ。


Logic 出典:TEL

日々の生活でもGPUやCPUという言葉を見聞きするようになったが、これらはどちらもLogicデバイスだ。要は、得意なこと(構造)が異なるというだけだ。大量のデータを並行計算=GPU、複雑なデータを順序立てて処理=CPU。それぞれの特徴を生かし、互いに協力し合って、私たちの快適な生活を支えてくれている。未来のテクノロジーを支えるために欠かせない半導体だ。

  • GPU(Graphics Processing Unit:画像処理半導体)
    • 膨大なデータを同時に並列計算(処理)するのが得意
    • 頭脳にあたる「コア」を数百~数千個もつ
    • 大量の仕事を各コアが分担して、並行で処理する
    • もともとゲームなどの映像を高速に処理し、なめらかに表示するために使われていた
    • 膨大なデータを並列処理する特徴がAIの深層学習に似ていることから、AI開発者に注目され、実際に使われるようになる
    • AIの進化には、たくさんのより高性能なGPUが必要
  • CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)
    • 複雑で、順序立てて進める処理が得意
    • 一つ一つの命令を正確に、順番に実行し、命令と結果に矛盾がないように処理する
    • 頭脳にあたる「コア」を数個~数十個もつ
    • GPUに比べて「コア」の数は少ないが、それぞれのコアが高性能で複雑なタスクでも実行可能
    • 私たちがPCやスマホを使うときにOS上で、ExcelやWord、インターネットブラウザなど、さまざまなアプリケーションの実行を担当

半導体とサステナビリティ:Net Zero

半導体と消費電力は深く関係している。例えば前章で紹介したLogicという計算用の半導体は、高度で大規模な処理をするほど電力消費が大きくなり、発熱した本体を冷やすためにも電力が必要となる。半導体業界全体の課題として、よりエネルギー効率の高い半導体の必要性が高まっている。

幅広い半導体製造装置ラインアップを有するTELでも、高性能かつ低消費電力の半導体をつくる装置の開発に取り組んでいる。また、2040年までにスコープ1、2、3のすべてにおいて温室効果ガスの実質排出量をゼロにするネットゼロを達成することを目標に掲げ取り組みを進めている。

デジタル社会と地球環境保全の両立に向けて、半導体は低消費電力化に向けて進化し続けると同時に、より高速、より大容量、より高い信頼性に向けて進化していく。AIやIoT、6G/7G通信など、社会全体のデジタル化が加速し、目に見えないところで半導体が確実に私たちの未来を創っていく。これからもその進化にぜひご注目いただきたい。

半導体について、もっと知りたい方はこちら


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